공중도덕(公衆道徳) "공중도덕(公衆道徳)"

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Artist: 公衆道徳 공중도덕
Album: "公衆道徳 공중도덕"
Label: Botanical House
Year: 2017 (Original Release: 2015)

Tracklist
01. 白い部屋 하얀방 (4:24)
02. 地震波 지진파 (3:31)
03. パラソル 파라솔 (2:00)
04. ウ 우 (4:26)
05. 沼地 늪지대 (6:19)
06. 月たち 달들 (3:04)
07. 多分 아마 (1:18)
08. 結び目 매듭 (7:03)


韓国のインディ・シーンから突如現れた謎のユニット공중도덕(公衆道徳) によるセルフタイトルのデビュー作は、何がどうなってこんな作品が突如韓国から飛び出してきたのか理解不能な怪作でした。
突如、といっても本作がリリースされたのは2015年のことで、今の春に日本でCD化(フィジカル化そのものが初っぽい)?された、というのが正確なところです。

がしかし、この作品の隅から隅までに横溢する、まるで世相など関係ないかのような超然とした空気/雰囲気/佇まいは、新作としても全然問題ないくらいエヴァーグリーンだと思いますし、まぁそもそも(私自身の不勉強ももちろんありますが)、こうやって大きく音楽ファンに認知されるチャンスが巡ってきたわけですし、今年の作品として取り扱いたいと思います。

さて、このユニットに関する詳細情報は現在でも殆どと言っていいほど非公開となっております。
日本語では、今回のリリース元のBoanical House関係者によるインタヴューが情報としても有用かと思われますが、これによると現在この名義での活動はされてないようです。

本作はフィンガースタイルのアコースティックギター弾き語りを主なスタイルとしながら、そこに様々なフィールドレコーディングやその他の楽音、電子音、歌声などをコラージュし作り上げたものなのですが、一音一音が完璧というか、まさに「こうあるべき」形に収まっているという奇跡を達成しておきながら、どこまでもソフトで、作りこまれたような形跡を微塵も感じさせない、背筋が凍るほどに不可思議な出来になっています。

爪弾かれるアコースティックギターで構築される楽曲は、酩酊的な空気を醸したり、突然思いついたかのようにリズム/進行を明後日の方向に変えてみたり、と思いきや今度は狂ったバランスの音響に埋没してみたり…とわずか30分強の作品とは思えないほどに劇的な変化を見せます。

自宅で本作に係る大半の作業を行ったということもあり、音は密室的でパーソナルなテクスチュアを纏っています。
音楽の作り方やアウトプットの形などは日本で言えばdrawing4-5に近いのですが、個人的にメロディセンスと合わせ何かに似ている、と思っていたのですが、ふと思いついたのはアンディ・パートリッジ(XTC)のデモ音源集"Fuzzy Warbles"シリーズだったのだから不思議です。

なんかもう、不思議としか言ってないようなレビューになってますが(笑)
現代的な、ウィアード/ストレンジなアシッド・フォークとして非常に魅力のある、聴きどころの多い作品です。
まだ6ヶ月ありますが、コレ聴かずに今年は終われませんよ!


7/7 "tricot VS47" tour @高松DIME w/Age Factory

tricot、高松の七夕を席巻!

いやー行ってまいりましたtricotの高松ライヴ。
2015年の"A N D"以降、年を追うにつれ、個人的な生涯ベストミュージシャン(XTCが殿堂入りしているあれです(知らねえよ))の一角を占める存在になってきてはいましたが、ようやく観ることができて感無量でございました。
(今回は撮影禁止ということもあり画像はなしです)

今回は平日のライヴということもあり、仕事終わりに間に合うかとハラハラものでした。
定時ダッシュします、と職場には数日前から宣言してましたので(それが通用する程度にはホワイトなところに転職できました)、17時過ぎにはいそいそと机周りを片付けていると、先輩の女性社員から「ダッシュする気満々じゃないっすか(笑)」と言われたので、良い笑顔で「はい!」と言っておきました(笑)

妻の仕事終わりが18時なので一度家に帰って着替え、妻を拾って一路瓦町の高松DIMEへ。
信号運が良くてするりと到着。

7・8番という良整理番号をGetできておりましたので開場と同時に中に入り、物販ではTシャツ(緑)と缶バッジ(全種)を購入。
缶バッジはクジでしたが、物販の方が「一種類だけ袋に入れ忘れてるので、それ一つと、あとは別の選んだらいいですよ」と教えてくれたところ、妻が「いっそ選んじゃだめですか?」とグイグイ攻めたら、「大丈夫です、誰も見てないですどうせ」というナイス対応(笑)全て一種類ずつ綺麗にGetしました。

で、開演。
まずはAge Factoryでしたが、何も音源を聴かずにいったわりには楽しめたと思います。
一曲目のイントロで残響がじわじわと広がっていくのがとても印象的でしたし、結構大胆なリズムチェンジがあったりと、全体的にエモ寄りのポスト・ロックっぽいスタイルではありましたが、言葉の詰め方にはHIPHOPやフォーク(というかトーキング・ブルース?)っぽいところも感じられ、完成された世界観を魅せつけてくれました。
改めてyoutubeなどで楽曲を聴いてみましたが、ライヴでぐっと良くなるバンドのような気がします。

そして本丸のtricot。
まずはうろ覚えですがセットリストです。

TOKYO VAMPIRE HOTEL
Wabi-Sabi
DeDeDe
よそいき
pork side
ポークジンジャー
18,19

<リクエストコーナー>
CGPP
slow line

南無
節約家

99.974℃
(本編ラスト数曲うろ覚え)

<アンコール>
MUNASAWAGI
メロンソーダ


当然のこととして新作"3"からの選曲が多く、非常にアガるセットリストでしたが、なにより3人のキュートさに心を奪われっぱなしでして、フロントマン中嶋イッキュウの愛らしさとエモーショナルな歌声はもちろんのこと、リードギターのキダ・モティフォさんの多彩なギタープレイとはにかみっぷり、逆にベースのヒロミ・ヒロヒロさんの寡黙な雰囲気に似合わぬ暴れっぷり(客席まで降りてきてくれた、というか妻がちょっと触ってた 笑)、そしてコーラスの絶妙さに終始感動しておりました。

途中のMCでは高松民のノリの悪さが爆発したのか(汗)tricotの面々にも少々の戸惑いが見られましたが(すいません)、キダさんが変なキャラを開眼(?)したおかげで和気藹々とした空気で終われたように思います。

いやとにかく、CDでも理解していたつもりでしたが、生で見ると音の説得力が段違いで、これは見ておかないと損するバンドだな、と確信しましたし、そもそもtricot聴いたことない人は今からアルバム3枚全部買って一ヶ月聴き込め。(命令)

欲を言えば、新作からはSSWっぽい作風で言葉が刺さる'スキマ'、旧作からは'おちゃんせんすぅす'や'食卓'、'プラスチック'あたりを聴きたかったので、次また高松に来てくれるときも観に行きたいと思います。

とにかく、今の邦ロックで間違いなく最高のバンドですtricotは。
今回のツアー、四国は昨日で終わりですが(高知、徳島、愛媛はすでに回った)、まだ27都道府県が残っております。
今からでも遅くないのでチケット取ってアルバム聴き込んでみてはいかがでしょうか、というかアルバム3枚(+"KABUKU EP")とチケット代で合計15,000円程度ですし、それで一生付き合えるバンドに出会えるんですから安いもんです。
是非まだ聴いたことないと言う方はコレを期に行ってみてください!

2017年7月の新譜

Inna De Yard "The Soul of Jamaica" (Chapter Two Records)


PESSIMIST "PESSIMIST" (Blackest Ever Black)


Taylor Deupree & Marcus Fischer "Lowlands" (IIKKI)


Xorodox "Neospection" (editions Mego)


とにもかくにも、FoetusことJ.G.サールウェルのeMegoデビューがアツい月になりそうです。

tricot "3"

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Artist: tricot
Album: "3"
Label: BAKUERTSU RECORDS
Year: 2017

Tracklist
01. TOKYO VAMPIRE HOTEL (2:32)
02. WABI-SABI (3:08)
03. よそいき (3:56)
04. DeDeDe (3:32)
05. スキマ (5:19)
06. pork side (1:01)
07. ポークジンジャー (4:45)
08. エコー (3:49)
09. 18,19 (4:02)
10. 南無 (2:47)
11. MUNASAWAGI (4:12)
12. 節約家 (4:31)
13. メロンソーダ (2:44)

よくぞここまで練り上げた、というのが本当に正直な感想です。

年々海外への進出も増え、最早「日本の誇る」と言っても決して言い過ぎではないガールズ・ロック・バンドtricotの新作"3"はその潔いタイトルからも想像がつくとおり、とにかく今の彼女たちをそのままぶつけたようなソリッドな作品に仕上がりました。

デビュー以降リズムにこだわった複雑な楽曲をその持ち味としてきた彼女達でしたが、1stくらいまでは楽曲の構成の複雑さとメロディの絡みがもう一歩といった感じがありました。
しかし、2015年の前作"A N D"では、GarageBandでの作曲も行ったことに起因するのか楽曲構成はややシンプルに変化したことで、ソングライティングに格段の向上が見え、エモーショナルなメロディと、内省的でありながら衝動的でもある歌詞/言葉とを活き活きと聴き手の心に深く響かせることに成功したように思います。

そしてその冬に配信限定でリリースした'ポークジンジャー'、さらには昨年の"KABUKU EP"と、向上したソングライティングに初期のリズム志向が合流/融合して「複雑なのに自然」な楽曲をいとも容易く(思えるほどに)作り始めた彼女たちが本作は、まさに彼女たちのこれまでの集大成といっても良い力作であり、まごうことなき名作です。

冒頭の'TOKYO VAMPIRE HOTEL'のリスナーを煽るように攻撃的なドラムからスタートし、終曲'メロンソーダ'で唐突に終わりを告げるまでの間、キダ・モティフォがギターを掻き鳴らし、ヒロミ・ヒロヒロがぶっといベースラインを奏で、中嶋イッキュウが狂おしく歌い上げ続ける様子には、彼女達の演奏している姿が浮かんでくるほどの躍動感が感じられ、収録時間の46分は本当にあっという間に過ぎてしまうことでしょう。

そんな中でも、5曲目のようなSSWっぽい作風や、8曲目のサブカル女子っぽい(?)作風、1stの'POOL'に対する前奏曲'pool side'をもじったと思しき6曲目(もちろん'ポークジンジャー'の前奏曲です 笑)、同じく1stのキラーチューン'おちゃんせんすぅす'を彷彿とさせるおふざけナンバーでもある10曲目、青臭さを感じさせる先行曲の13曲目など、ソングライティングはよりディープに、かつ幅広くなってきたと思います。

演奏面ではまずキダ・モティフォのギターサウンドが以前にも増して多彩になったことが耳を惹きます。
"KABUKU EP"に先行で収録されていた12曲目'節約家'の間奏部分にて、ダブ処理されたドラムに合わせ空間的なサウンドを披露していましたが、今作ではそれがさらに進み、シューゲイザーやアンビエント、あるいはニューウェイヴなども視野に入っているかのように様々なサウンドを聴かせてくれます。
ヒロミ・ヒロヒロのベースラインは今まで以上にしなやかななグルーヴを醸し、ファンクなども想起させるようにダンサブルになっております。本作にはなんとなく「夜」っぽいイメージがついて回るのですが、それは間違いなく彼女のベースに起因するところが大きいでしょう。
そして中嶋イッキュウの歌声は今まで以上にストレートで、素直で、一瞬違う人かと思ってしまいましたが、本作の、複雑でありながらどこか肩の力が抜けたような風通しの良さに強く貢献しています。叫びが、声の上ずりが、つぶやきが全て感情的・感動的で素晴らしいロック・ヴォーカルに成長したと感じます。

まさに「進化」し続けている彼女達の現状報告、こちらも真摯な気持ちで聴きこんで七夕の高松ライヴに望む所存です(笑)

2016年6月の新譜

Alt-J "Relaxer"(Infectious Music)


Ambrose Akinmusire "A Rift in Decorum: Live at the Village Vanguard"(Blue Note)
(動画がありませんでした)

Bola "D.E.G"(Skam Records)


Imaginary Forces "Runnin's"(きょうrecords)


Jefre Cantu-Ledesma "On the Echoing Green"(Mexican Summer)


Porter Ricks "Anguilla Electrica"(Tresor)


TMRPOE "Keep Sleeping"(ACR)
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