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Gilberto Gil "Quanta"

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Artist: Gilberto Gil
Album: "Quanta"
Label: Mesa/Bluemoon Recordings
Year: 1997

Tracklist
01. Quanta (4:23)
02. Ciência e Arte (3:07)
03. Estrela (4:25)
04. Dança de Shiva (3:45)
05. Vendedor de Caranguejo (4:05)
06. Chiquinho Azevedo (3:37)
07. Pílula de Alho (3:39)
08. Opachorô (3:33)
09. Graça Divina (3:45)
10. Pela Internet (4:14)
11. Guerra Santa (4:00)
12. Átimo de Pó (3:09)
13. Fogo Líquido (3:12)
14. Pop wu Wei (3:10)
15. O Lugar do Nosso Amor (3:30)
16. De Ouro e Marfim (2:35)
17. Sala do Som (3:25)
18. Um Abraçco no João (1:53)
19. O Mar e o Lago (3:00)
20. La Lune de Gorée (3:43)


ブラジルを代表するミュージシャンであり、なおかつ一時期は同国の文化大臣(!)まで務めたこともあるジルベルト・ジルの1997年作品。
カエターノ・ヴェローゾと並び、ブラジルで1960年代後半において展開されたカウンター・カルチャー的な芸術運動トロピカリア(トロピカリズモ)の立役者/牽引者として音楽シーンを盛り上げました。
軍事政権による弾圧を逃れるため一時亡命するなど、とても凄まじい人生を送ってはおりますが、2012年現在70歳でいまだ現役のようです。

大学に在学中に聴いたジョアン・ジルベルトの音楽に衝撃を受けたという彼の作品は、濃密なリズムと美しいハーモニーに満ちています。
彼の声とギターを中心として展開されるポリリズミックなグルーヴとポリフォニックなハーモニーは、その複雑さと裏腹に、音楽の悦びを聴き手に強烈に叩きつけます。

まずもってリズム/グルーヴの素晴らしさに触れないわけにはいかないでしょう。
彼のギター自身が描く滑らかな旋律は、それ単体でも十分にグルーヴィーですが、そこにさらにドラムスのどっしりとしたパルスと、パーカッションにより添えられるポリリズミックな華やかさ、そしてベースのふくよかなラインとが加わると、そこはまるで緩やかなリズム/グルーヴの桃源郷であり、恍惚を禁じえません。
また、要所要所で挿入される管楽器などの力強いアタックが全体を最小限の動きで引き締めているため、アルバムを通して全くダレることなく、20曲というかなり多く収録された楽曲を楽しむことができます。
リズムの様式としてもバイーア(サンバ)やアフロ音楽、ラテン、レゲエなど様々なものがありますが、それがさも当然であるかのようにつながり、混じりあっています。

そしてメロディ/ハーモニー。
彼自身の歌うメロディは元来の美しさもさることながら、彼自身の酔っぱらいのように陽気で優しい歌声により力強さとともにとても豊かな印象も与えます。メロディの美しさのみに耽溺するような嫌味な感じも全くありません。ただ美しく豊かなのです。
そしてそれを彩るギター、ベース、フルート、キーボートなどの旋律はそれぞれが別々のように響きながらも共鳴し、一つの大きなうねりを作り上げています。

メロディ・ハーモニー・リズム・グルーヴ、どの側面から見ても(聴いても)非常に充実した作品で、彼のディスコグラフィの中でも特に傑作と評されるべき作品だと思います。
豊かで美しく、しなやかで力強い、文句なしの名作です。

…一つ問題があるのは、正規ブラジル盤の2CDエディションから5曲オミットされていることでしょうか。
探せど探せど見つからないブラジル盤。ああ聴いてみたい…(泣)






QuantaQuanta
(1997/08/19)
Gilberto Gil

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Marcos Valle "Samba '68"

Samba68-thumb.jpg


Artist: Marcos Valle
Album: "Samba '68"
Label: Verve
Year: 1968

Tracklist
01. The Answer (2:39)
02. Crickets Sing For Anamaria (2:08)
03. So Nice (Summer Samba) (2:26)
04. Chup Chup, I Got Away (2:14)
05. If You Went Away (2:51)
06. Pepino Beach (1:50)
07. She Told Me, She Told Me (2:41)
08. It's Time To Sing (2:50)
09. Batucada (1:58)
10. The Face I Love (1:56)
11. Safely In Your Arms (3:06)


ブラジルのSSWマルコス・ヴァーリが68年に発表した4thアルバム。
62年以降のボサノヴァ国際化の流れにのり、アメリカでヒットした作品です。

ボサノヴァというものは基本的にサンバのヴァリエーションの1つであると思います。
なぜなら、あのジョアン・ジルベルトが(トイレに篭って 笑)編み出したと言われるボサノヴァ特有のギター奏法バチーダは、そもそもサンバのリズム(バイーア)が持つグルーヴをギター一本で再現するためのものであったからです。

そこにウィスパーヴォイスや、初期であれば控えめで麗しいオーケストレーションが加えられ、ポルトガル語圏特有の郷愁感覚サウダーヂを強調したものがボサノヴァとして類型化するに至ったのです。
ボサノヴァはその表面だけをなぞれば上品で、また切ないメロディが心地よいイージーリスニングな音楽としても受け入れることができますが、やはり根本にあるのは「ボサノヴァの法王」とも言われるジョアン・ジルベルトがそのギターで体現しようとしたバイーアのグルーヴなのです。

さて、そこでマルコス・ヴァーリの今作ですが、結論から言いますと喩えようもないほどに素晴らしい作品であります。
アナマリアを迎え、男女混声ヴォーカルにより歌われる麗しいメロディが強く心をうちます。
オーケストレーションやジャジーなピアノなど、ボサノヴァにしては少々装飾が多い気がしますが、メロディと相まって非常に豊かな印象を与えるのに成功しており、むしろこれくらいのアレンジがベストと言えるでしょう。
これらの美しい諸要素とバチーダでコードを奏でるギターを中心とした、嫋やかなサンバ・グルーヴとが精巧なタペストリーのように織り合わせられ、豊潤なブラジリアン・ポップスとして成立しています。それそれのバランスが非常によくとれており、非の打ち所のない作品と言っても過言ではありません。

「一番好きなボサノヴァ・アルバムは?」と聞かれたらジョアン・ジルベルトの作品を選ぶでしょうが、「一番好きなブラジリアン・ポップスは?」という問には間違いなくコレを挙げるでしょう。
ソフトでありながら芯のとおった、素晴らしい作品です。






サンバ’68サンバ’68
(2010/05/12)
マルコス・ヴァーリ、アナマリア・ヴァーリ 他

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Caetano Veloso & Gal Costa "Domingo"

Domingo - Capa 1967 2b

Artist: Caetano Veloso & Gal Costa
Album: "Domingo"
Label: Polygram
Year: 1967

Tracklist
01. Coração vagabundo (2:25)
02. Onde eu nasci passa um rio (Where I Was Born There Passes a River) (1:59)
03. Avarandado (On the Veranda) (2:45)
04. Um dia (One Day) (3:11)
05. Domingo (Sunday) (1:25)
06. Nenhuma dor (No Pain) (1:33)
07. Candeias (Candle Lights) (3:11)
08. Remelexo (Shake) (1:54)
09. Minha senhora (My Lady) (4:14)
10. Quem me dera (If Only I Had) (3:24)
11. Maria Joana (1:42)
12. Zabelê (A Name) (2:49)

1960年代後半、ブラジルではカエターノ・ヴェローゾらによる音楽ムーヴメントを起爆剤として芸術全般において既存のものに対抗するカウンター・カルチャーが広がっていきます。これらはトロピカリア、あるいはトロピカリズモと呼ばれるのですが、これはその前夜とも言える1967年にカエターノ・ヴェローゾとガル・コスタが録音していたアルバムです。

よく「ボサノヴァの名盤」の一つに挙げられるのですが、聴いてみるとボサノヴァの特徴であるバチーダというギター奏法が使われていない曲が結構あることに気づきます。個人的にはボサノヴァというよりはブラジリアン・ポップスと言ったほうが適当ではないか、とも思います。ただし、ボサノヴァと同じく「サウダーヂ」は全編通して濃密に感じられ、ちょっと切ない雰囲気です。

カエターノとガルの歌を中心に少しのギターとオーケストレーションを加えた、ジョアン・ジルベルトの初期作品にも通じる上品さと、パーソナルな密やかさを有した作品です。タイトル通り、日曜日の朝に一人でひっそり聴いたりするのがよいかもしれません。ちょっと疲れているときなんかにも効果抜群だと思います。



ドミンゴドミンゴ
(2002/06/21)
カエターノ・ヴェローゾ&ガル・コスタ

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João Gilberto "João Voz E Violão"

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Artist: João Gilberto
Album: "João Voz E Violão"
Label: Polygram
Year: 2000

Tracklist
1.Desde Que O Samba É Samba (3:55)
2.Voçê Vai Ver (2:56)
3.Eclipse (3:04)
4.Não Vou Para Casa (2:56)
5.Desafinado (3:28)
6.Eu Vim Da Bahia (2:34)
7.Coração Vagabundo (2:09)
8.Da Cor Do Pecado (2:29)
9.Segredo (3:15)
10.Chega de Saudade (3:24)

冬真っ只中ではありますが、今回はボサノヴァを紹介したいと思います。
ボサノヴァの神様、ジョアン・ジルベルトの2000年作です。

デビュー作"Chega de Saudade"でのオーケストレーションやスタン・ゲッツとの共演作"Getz/Gilberto"でのジャジーな音の豊かさからは離れ、アルバムタイトルが示すとおりジョアンの声(voz)とヴィオラォン(violão/ギター)のみのシンプルな構成の作品になっています。
プロデュースはブラジリアン・ポップス界の伊達男カエターノ・ヴェローゾで、七曲目は彼の曲も取り上げられています。

マイルス・デイヴィスに「ジョアン・ジルベルトは電話帳を読んでも美しく聴かせることができる」と評されたその声はデビューから40年以上経ってなお深みを増しています。それはギターも同じで、ジョアンの思うままのテンポで時にはシンコペーションしたり遅れながら紡がれる歌との絶妙な交錯が軽快なリズムとともに、どこか思慮深い「憂い」を湛えているかのような響きを生み出します。
それはもしかすると英語では"blues"という訳語を与えられた"saudade"(サウダーヂ)の感覚そのものなのかもしれません。
カエターノ・ヴェローゾもその辺りをよく理解していたのでしょう。まるでジョアンが耳元でギターを弾き、歌っているかのようなミックスは実に生々しくその感覚を浮かび上がらせます。

最後の'Chega de Saudade'がそのことを物語っているように感じます。彼とアントニオ・カルロス・ジョビンとの共同作業の第一作であり、「ボサノヴァ」という語の源となったこの曲を20世紀の終わりの作品のラストとして持ってきたのは、何か彼なりの思いがあってのことなのかもしれませんね。
聴けば聴くほど、ボサノヴァというよりもジョアン・ジルベルトという人の「深さ」が感じられる作品と言えるでしょう。名盤です。



ジョアン 声とギタージョアン 声とギター
(2003/09/03)
ジョアン・ジルベルト

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