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The Best 10 Discs of Jul - Sep. 2016

まだ未レビュー作も結構あるんですけど、流石に四半期ベストが遅くなりすぎるとちょっとおもしろくないかな、と思ったので先に更新しまする。
ちょっと最近リアルでバタついてて更新頻度落ちてますが、音楽は聴いてますのでご安心を。(気がつけば"Zauberberg"ばっか聴いちゃってますけど 笑)

10位 TAMTAM "NEWPOESY" (P-Vine)
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冒頭のドラムですでに名作な雰囲気が香る作品ですし、その通り名作だと思います。
アーシー/スモーキーな空気を醸しつつ、'星雲ヒッチハイク'や'自転車ジェット'ではセンチな雰囲気も香らせる、まさに日本のダブ/POPバンドとしてまず最初にあげられるような作品になっていくんじゃないかな、なんて期待してみたり(笑)

09位 宇多田ヒカル "Fantôme" (Universal Music)
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6年ぶりの新作ということで、リアルタイムでは初めて彼女の作品にまともに触れましたが、アーティストとしての、そして一人の人間としての彼女がかなりストレートに表現された、まごうことなきSSWの作品に仕上がったと思います。
とにかく最後の'桜流し'が圧巻ですが、個人的にはやはり'ともだち'、'荒野の狼'あたりが好み。

08位 Hamasyan, Henriksen, Aarset & Bang "Atomosphères" (ECM)
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ヨーロッパのジャズ・ミュージシャンがアンビエントをやったら、というifに見事に応えてくれた印象ですし、いかにもECMらしい作品でもあったと思います。
個人的には"Zauberberg"系というか、あちらがドイツの高原というか山であれば、こちらは北欧/東欧の霧の深い山奥かな、という感じ?

07位 D/P/I "Composer" (Shelter Press)
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初D/P/Iにしてこの名義では最終作ということで、すれ違い感すさまじいですが(汗)、とても良かったです。
プログラミングを利用した作曲で、人の意図が(ごくわずかにしか)介在しないことで生まれるドライな雰囲気が電子ノイズの攻撃的なテクスチュアとよくマッチしていました。

06位 Jasper Høiby "Fellow Creatures" (Edition Records)
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第二四半期のベストにも選んだPhronesisの新作ではメンバーが均等に曲を持ち寄っていましたが、満を持してのソロデビューということで彼のコンポジションを存分に楽しめる作品だったと思います。
ヨーロピアン・ジャズというかほのかに香るトラッド臭がとてもいい感じで、真っ当に「ジャズ」として良作だと思います。

05位 坂本慎太郎 "できれば愛を(Love If Possible)" (Zelone Records)
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スライになぞらえれば前作が"There's Riot Goin' on(暴動)"で今作は"Fresh!"かな、という印象。
派手さはなくとも、しっかりと練り上げられていて、ソロでの音楽的な成熟も感じさせる好盤でした。

04位 Steve Lehman "Sélébéyone" (Pi Recordings)
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初リーマンでしたがとにかくかっこよすぎました。
何よりグラスパートリオでは手を抜いてたんじゃないか(失礼)ってぐらいダミオン・リードのドラムはやばいし、それによりリーマン/マチェクのドルフィーライクなサックスもよりカッティングエッジな響きに昇華されてると思います。

03位 Joanna Wallfisch "Gardens in My Mind" (Sunnyside Records)
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グラミーのベスト・フォーク・アルバム部門にノミネートされたとのことで、もし受賞なんてはこびになれば一気にブレイクするんでしょうか?
何にせよ、ダン・テファーと作り上げたデビュー作にストリングス・アレンジを加え、ジャジーなメロディ/ハーモニーをクラシカルなテクスチュアで彩った、SSWとしての力作です。
ティム・バックリィやジョニ・ミッチェルあたりのカヴァーにちょっとルーツっぽい部分を感じるのも好感触でした(笑)

02位Thomas Brinkmann "A 1000 KEYS", "A Certain Degree of Stasis" (editions Mego, frozen reeds)
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ちょっぴり反則気味の2作ランクイン。
ゴリゴリのミニマルとドローンという相反する、しかし底の部分でつながっている作風によりさすがの貫禄も感じさせつつ、同時に攻めてもいるという点で今非常に旬なミュージシャンと言ってもいいのかもしれません。

01位 Natasha Llerena "Canto Sem Pressa" (Self-Product)
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もう素晴らしすぎるプラジリアン・ポップス作。
20代半ばの新人とのことですが、アフロ志向のリズム、アルゼンチン~ブラジル的なハーモニーとがしなやかに絡み合い、本人の美貌とも相まって(笑)美しい色気を感じさせる作品として仕上がっています。


リスト見ながら考えてぱっと思いついた感じで並べてますが、正直まだあと3ヶ月ありますのでこの後どうなるか分かりません。
年明けには第四四半期(10~12月)、下半期(7~12月)、年間の3つを発表しますので、色々とお楽しみに!

The Best 20 Discs of 2016 [H1]

2016H1best.jpg



さて、上半期ベストです。
今年は新譜中心のリスニングをしていくと1月に決めて以来、(自分で言うのもなんですが)今までにない精力的なペースで新譜を聴き、レビューしていっていますが、こうやって改めて考えてみると本当にどれも良い作品ばかりで順位を決めるのが非常につらい(困難という意味でも、心情的な意味でも)です。

まぁしかし、そういう(やはり自分で言うのもなんですが)グッと気持ちの入ったリスニングができているからこそ、こうやってあえて順位付けして出すことには意味があるのかな、とも感じています。
全てレビュー済ですし、四半期ベストの際に一言も付け加えていますので、リスト的に羅列します。
まずは20~11位です。

20位 Fedrico Durand "A Través Del Espejo"
19位 Finnegan Shanahan "The Two Halves"
18位 Various Artists "Day of the Dead"
17位 Simon Scott "Floodlines"
16位 Tortoise "The Catastrophist"
15位 Solo Andata "In the Lens"
14位 水曜日のカンパネラ "UMA"
13位 Raime "Tooth"
12位 Eyolf Dale "Wolf Valley"
11位 Second Woman "Second Woman"

なんのかんの言ってもやはり第2四半期の新譜が強いですね。新しく、最近聴いたがゆえに印象が強い。
それでも微妙に10日前の第2四半期ベストと趣が変わったのは自分でも面白いです。
新しくランクインしたのは19位のフィンネガン・シャナハン、18位のデッドのコンピ、14位の水曜日のカンパネラ、12位のアイオルフ・デイルです。
シャナハンは素晴らしい構築美でこれからを期待させる作風でしたし、歌ものとしても非常に聴きやすくポップで、まさに良質な作品だったと思います。
カンパネラは妻子が気に入ってまして、かなりリピートしてるもので洗脳されてる部分もあるかな(笑)でも冒頭2曲がかっこ良すぎるので文句なしです。
この2作はどちらもEPサイズですが、それに関わらず満足度の高い作品でした。
デッドのコンピは、シド・バレットの誕生日以降サイケなものへの指向が自分の中で復活してきているのでランクインです。ディスク5枚5時間半という収録時間と、あまりに有象無象というか無茶苦茶なとっちらかった雰囲気がいかにもデッド(=アメリカ、と言い切りましょうか 笑)らしいなと改めて思います。
そしてアイオルフ・デイルはもう単純に出来がいいな、と改めて思ったもので。もし今年のベストレーベルを決めろ、と言われたら、現時点では間違いなくEdition Recordsでしょうね。

続いて10~01位。

10位 Raging Fyah "Everlasting"
09位 Daniel Wohl "Holographic"
08位 Andy Stott "Too Many Voices"
07位 Basic Rhythm "Raw Trax"
06位 Mmoths "Luneworks"
05位 Lucinda Williams "The Ghosts of Highway 20"
04位 Claire M Singer "Solas"
03位 tricot "KABUKU EP"
02位 Kassel Jaeger, Stephan Mathieu & Akira Rabelais "Zauberberg"
01位 Phronesis "Parallax"

何度も申してますけどやはり1位はPhronesis。
これを切欠に今までのアルバムも一通り聴きましたが、今作は彼らのキャリアの中でも特にパワフルで説得力のある傑作だと感じました。とにかく、三者三様のコンポジション・演奏・録音の全てにおいて素晴らしいです。
そして微妙に順位を上げたMmothsですが、ふとした時に繰り返し聴いてまして、その耽美的な世界の虜になっていっています。こういうふうに後から気に入ってくる作品というのは、これから人生でも長く付き合うことになる率が高いので楽しみです。
全体的には電子音楽/実験音楽が多いような気もしますが、異彩を放つのはやはり10位のRaging Fyahでしょうか。現代のルーツ・レゲエ・バンドらしい、ポップで熱い名作だと思います。
他には04位のクレア・M・シンガー。とにかくディープな美しさが心を打ちます。気温が下がってくるととても良く響きそうなので、冬に期待しています(笑)

さて、こんな感じで上半期ベストとさせていただきますが、下半期・また年間ベストはどうなることでしょうかね。
今から楽しみです。

The Best 10 Discs of Apr - Jun. 2016

今年も半分が終わってしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
音楽好きにとって半期ごとの大イベント、上半期ベストを考える時期になって参りましたが、そっちはもう少し時間がかかりそうなので、取り急ぎ第2四半期(4~6月)のベスト10を発表いたします。

10位 Various Artists "The Colorado: Music from the Motion Picture" (New Amsterdam/VIA Records)
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合唱(声)と生演奏と電子音、という現代の音楽としては当たり前の要素が手を変え品を変え入り交じる様がこんなに面白いとは、というか歌の力にはまだまだ可能性があると思わされる作品でした。
New Amsterdamには下半期も期待大です。

09位 Raime "Tooth" (Blackest Ever Black)
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よくよく考えてみれば2ndにしてはすごいいぶし銀なサウンドで勝負してきたと思うのですが、それもある意味「らしい」と思わせる飄々さがあるのがすごいと思います。
そんな人を喰ったようなところにもなんとなくポストパンクを感じますね。

08位 Simon Scott "Floodlines" (Touch)
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正直これもっと上位に来ると確信してたんですが、リスト見てたらこの順位に…それぐらいこの四半期はやばかった。とにかくやばかった。
ここまで壮大で感動的なドローンもないと思いますし、こんな作風でありながらも、ラディカルさで振り切っているオルークの"disengage"を彷彿とさせるんだからなんかもうどんだけ名作だよ、って感じです。

07位 Solo Andata "In the Lens" (12K)
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安定の、というかなんというか。
最終曲には相変わらず心を持って行かれますし、即興中心の意味性を排除したような音が疲れた時にちょうどいいです。

06位 Raging Fyah "Everlasting" (VP Records/Dub Rockers)
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超絶名作なんですけど、これがこの順位ってのがこの四半期の(以下略)
真摯である、コンシャスであるということがこれほど映えるジャンルはレゲエ以外にないでしょうね。あと、レゲエはやっぱ歌が超大事。

05位 Second Woman "Second Woman" (Spectrum Spools)
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聴けば聴くほど麻薬のように効いてくる作品ですね。
世評ではマーク・フェルと類似しているとの指摘が多かったようですが、未だマーク・フェルを未聴の私はautechreしか思い浮かびませんでした…
いや、でもautechreだよ、やっぱ。

04位 Andy Stott "Too Many Voices" (Modern Love)
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リアルタイムで聴くのは初めてだったアンディ・ストットの新作ですが、昨今のUKクラブミュージックのブルーズ志向が強く感じられる作品だったと思います。
本作はとても良かったのですが、この方向性での大傑作、みたいなものはまだ出てきてないと思うので誰が出すか気になるところです。個人的にはストット以外ならやっぱジェイムス・ブレイクしかいないと思うんですけどね。(ブレイクの3rdは残念ながら選外)

03位 Claire M Singer "Solas" (Touch)
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一足飛びにランクイン。とにかく美しすぎるポストクラシカル作品。
美しいといってもイージーなテクスチュアに流されるのでなく、軋むような音色も用いてハーモニーの怜悧な美しさをこれでもかと強調する感じがとにかく好み。

02位 tricot "KABUKU EP" (BAKURETSU RECORDS)
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とにかく今の邦ロックでは彼女達の右に出るバンドはいないんじゃないでしょうか。
ソングライティングと変拍子が"A N D"以上に噛み合ってるわ、中嶋イッキュウは歌が無茶苦茶うまくなってきてるわでEPながら2位という高順位です。
色んな意味にとれる歌詞にも毎回鳥肌たちますが、個人的には「プラスチック」の歌詞がやばい。

01位 Phronesis "Parallax" (Edition Records)
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よっぽどのものが出てこない限り、これの年間1位は動かないだろうな、とすでに2か月ほど思い続けているわけですが、いや、何度聴いても素晴らしい。
美しいハーモニー/メロディ、しなやかでいてソリッドな演奏/インタープレイ、そして臨場感溢れる録音と、正に音楽の心技体が全部揃ってると言いたくなる名作。


この四半期はホント名作だらけでしたし、選外になったのにもジェイムス・ブレイクやRadiohead、水曜日のカンパネラにPITA、ティム・ヘッカーと充実作が盛りだくさんすぎて(色んな意味で)死にそうでした。
今のところ買った作品は全部レビューしてるのでこの勢いで年末まで頑張りたいところです。
とりあえず先日手に入れたグラスパー新譜のレビューを急ぎますのでよろしくお願いします。

The Best 10 Discs of Jan - Mar. 2016

実は今年に入ってから、自分でも未だかつてないほど新譜中心のリスニングをしています。
今まで年間ベストなど発表させていただいておりましたが、いかんせん聴いている新譜の絶対的な量が少ないこともあって、選出に苦労はしつつも物足りないところもあったのは事実でして、今年はがっつり新譜を聴いてみよう、ということで今のところ再発を除いて旧譜は買っておりません。

それに加え、聴いた新譜は必ずレビューするよう心がけており、言葉をひねり出すのに苦労することもあったりしますが、自分の感じたことをアウトプットすることの楽しみを存分に味わっています。
そんななかで、今まで半年毎に発表していたベスト・アルバムを、今年は四半期ごとに発表してみたいと思います。

では早速ですが10枚を簡単なコメントと共に。
なお、レビューへのリンクを貼ってますので、ぜひお読みください。

10位 Paul Jebanasam "Continuum" (Subtext Recordings)
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BBCアース的なノイズ/インダストリアル作品。
雄大で、陽性の空気をはらんだ雰囲気は、どこかFenneszの"Endless Summer"的ですらあると思います。

9位 Mmoths "Luneworks" (Because Music)
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話題のルーキーのアルバムデビュー作。
スランプにを克服するために自分と向き合いうことで生まれた、私小説的なところもある作品です。

8位 Nik Bärtsch's Mobile "Continuum" (ECM)
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厳格なミニマリズム、そしてグルーヴ。
何度も聴いてて思いましたが、コントラバス・クラリネットの音がすごく良いです。

7位 Federico Durand "Través del Espejo" (12K)
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テープへの愛情を滲ませたアンビエント作品。
ご本人の誠実な人柄が現れたかのような、優しい音には年頭随分癒やされました。

6位 Tortoise "The Catastrophist" (Thrill Jockey)
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オリジネイターの貫禄。
トータス・サウンドの総決算ともいえる充実した作品だったと思います。

5位 Kendrick Lamar "Untitled Unmastered." (Aftermath/Interscope)
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ざらついた質感のデモ集。
デモ集だからこその良さが存分に発揮されてます。

4位 Daniel Wohl "Holographic" (New Amsterdam)
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いわゆる「インディー・クラシック」に触れ、理解を進めることができてよかったと思います。
テクスチュアとコンストラクチュアについては色々な音楽家達が片方に偏重しながら互いが互いを超克していくのかなぁ、なんて思ったり。

3位 Lucinda Williams "Ghosts of Highway 20" (Highway 20)
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乾いた空気、雄大な、何もない光景。
虚しいのか懐かしいのか、全てがないまぜになった、正にブルーズな作品。

2位 Basic Rhythm "Raw Trax" (Type)
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デトロイト・テクノの復活。
これを聴いて改めて本名義Imaginary Forcesに触れると、そちらにもストリート的なギラギラした緊張感がみなぎっているように感じました。
アンソニー・J・ハートさんとtwitter上で行った会話録もぜひ御覧ください。

1位 Kassel Jaeger, Stephan Mathieu & Akira Rabelais "Zauberberg" (Shelter Press)
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曖昧で、夢見心地な天国と地獄。
世間から離れ、自己の思考に耽溺することと、それを可能にする風景を見事に写しとった名作。
原作はとりあえず上巻を読み終わり、これから下巻です。


正直いつも以上に決めかねるところはあるのですが、改めて考えるとこういう順位になるかなぁ、と思います。
3か月でこれだけ魅力的な作品が出揃うんですから、年間ベストの選定作業がいつも以上にえらいことになりそう…(汗)

The MOST 10 Discs (& Few Incidents) of 2015

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さて、2015年のベスト関係も今回でお終い、ということで旧譜ベストです。
あと、昨年心に残った音楽関係の出来事を数点ご紹介させていただきます。

旧譜ベストについては年内のどこかのタイミングでよく聴いたor強烈に心に残ったものを選出しています。
選盤の性質上順位付けが難しいので順不同です。便宜上番号は振りますが、順位ではありませんのであしからず。
なお、旧譜ベストということで()内には発表年を記しております。

01. Moritz von Oswald Trio "Live in New York"(2010)
02. Ricardo Villalobos "Thé Au Harem D'Archimede"(2004)
03. Zazen Boys "すとーりーず"(2012)
04. ペトロールズ "capture 419"(2012)
05. The Roots "Things Fall Apart"(1999)
06. Jason Moran "Soundtarck to Human Motion"(1999)
07. Paul Motian "Lost in a Dream"(2010)
08. The Pretty Things "S.F. Sorrow"(1968)
09. The Hollies "Butterfly"(1967)
10. David Bowie "Diamond Dogs"(1974)


こうやって並べてみると、昨年の大まかなリスニング傾向がつかめるようで面白いです。

01及び02はミニマルダブ関連という括りでしょうか。
MvOTの新作がかなり良かったもので、まだ手に入れていなかった過去作を一通りコンプリートしました。
特に良かったのは、2010年に発表したライヴ・アルバムです。アナログのみで発表(とはいえ、ボーナスディスクとしてCDがついてたので実質的にはCDでも手に入りますが)ということで、初期から話題だったこのトリオの作品としてはイマイチ知名度が低い印象ですが、ライヴということもあり、電子音やリズム、そしてダブ処理などをインタープレイ的に行うことを目的としたグループの魅力が最も端的に現れているのではないかと感じました。ライヴ行ってみたいなー!
また、新作のミキシングを担当したリカルド・ヴィラロボスについては、今まで聴く機会に恵まれませんでしたが、たまたま友人の結婚式で久々に訪れた広島にて名作と名高い2ndを発見。確保しました。Basic Channelや、エルネストゥス/オズワルドの以後の活動とは違う、南米的な(?)呪術性が反映された作風は中々に興味深く、刺激的でありました。

03及び04は邦楽ロック関係です。
tricot、アーバンギャルド、フレデリックと近年の邦楽ロック勢の良さに2014年後半くらいから胸打たれてまして、春~初夏頃にかけて改めて邦楽ロックを聴き直したり掘り直したりしました。
中でもグッと来たのは向井秀徳率いるZazen Boys目下の新作"すとーりーず"と、椎名林檎率いる東京事変にてギタリストを務めた長岡亮介率いるペトロールズのライヴ・(コンセプト・)アルバム"capture 419"でした。
どちらもグルーヴ/アンサンブルに主眼を置いた内容で、演奏の楽しさが聴いているだけでも伝わってくるような好盤です。特に、ザゼンは今回改めて再発見しまして、個人的に彼らのディスコの中で最も好きな3rdアルバムをレビューしたりもしましたので、ぜひご覧いただければと思います。

ちょっと一枚だけ特殊なのは05のThe Roots。
twitterでフォローしている方が聴いていらっしゃった呟きを見て、なんの気なしに聴き返したのですが、改めて聴いてみると思うところもあったりして再レビューさせていただきました。
ソウルクエリアンズの、HIPHOP~ソウル~R&Bの垣根を取っ払うような活動という部分だけでなく、コンセプチュアル・アートとしてのトータルな作品作りがなされている、という点が今回引っかかりました。2010年以降ぐらいの作品も聴けてないので、また改めてアプローチしていきたいと思います。

06及び07はジャズ(というかジェイソン・モラン)関係。
2015年はモランのディスコグラフィを漸くコンプリートでき、彼の活動を(リーダー作に限っては)概観することができるようになりました。
偏愛盤はやはり"Black Stars"なのですが、今回はパーマネントリオであるThe Bandowagon結成前の1stが耳に残ったように思います。グレッグ・オズビー(Sax)やステフォン・ハリス(Vib)などのM-BASE人脈の力を借りつつ新時代のピアニストとしての第一歩を踏み出した記念すべき作品で、聴き応え抜群です。年内にしたかったのですができませんでしたので、2016年中には必ずレビューしたいですね。
なお、モランの参加作品も色々と聴いてみました。オズビーの"Banned in New York"やハリスの"Black Action Park"、そしてモランとその2人にマーク・シム(Sax)を加えたカルテット+後にモランとThe Bandwagonを結成するタラス・マティーン(Ba)及びナシート・ウェイツ(Dr)という6名によるBlue Note名曲の再演アルバムなど様々な盤に手を出しましたが、やはり最も心に残ったのはレビューもしたモチアンの2010年作。モチアンのアブストラクトな楽曲に馴染む、美しい無調(風?)フレーズに彼のリリシズムがはっきりと見て取れる名演だと思います。

そして08~10はブリティッシュ・ロック関係。
来日もあり、秋口にクリムゾン諸作を聴き直していたのですが、その関係からか、晩秋に久々にボウイにハマりまして、今回は74年のグラム・ロック期最終作"Diamond Dogs"の良さを改めて再発見しました。
退廃的/近未来SFチックな世界観の極地といいますか、ジギーは葬り去られた後ですが、この時点までのボウイの到達点として、あるいはここから以降のソウル路線の萌芽が見られる作品として、中々の重要作だったんですね、これ。'1984'ばっかり偏愛してましたが、楽曲の流れも一度体に染み付いたら癖になりました。
そして、そこからさらにさかのぼって初冬頃には60年代後半UKのサイケポップに久々に大ハマリ。
中でも特に良かったのはThe Pretty Thingsの名作ロックオペラである08です。
この時期のUKビートポップの美味しいところてんこ盛りでありながら、ディスク1枚にさらりと収まってるのって、実は物凄いことじゃないかと思うのです。
また、有名所で聴けてないバンドを、ということで手を出したThe Holliesも良かったですね。特に67年の"Butterfly"はカラフルなポップさが全編わたって楽しめる好盤でした。('Step Inside'の邦題『とびだせ初恋』は苦笑しかなかったですが 笑)

以上、長々と書きましたが旧譜ベストです。
続いて、昨年の想い出に残る出来事はというと…

○ drawing4-5のリーダーmcatm様に(個人ブログでありながら)インタビューPart1, Part2
○ King Crimsonの12年振りの来日公演を観覧レポート

あたりがまず何よりも私の人生の中でもずっと印象に残るであろう出来事でした。
drawing4-5について言えば、2015年の"chimera, not dead"が本当に名作でして、さり気なく昨年一年間の再生数は新譜ベスト1位のtricotについで2位だったりするのです。(Last.fm調べ)
そのアルバムについて、製作者本人様に、一リスナーという身でありながら思うこと、知りたいことを色々聴くことができたというのは非常に幸せで、有り難いことだったと思います。
mcatm様にも多大なご協力をいただき、当blogの中で最も熱量のこもった記事なったと自負しております。
まだ"chimera, not dead"を聴いていない方は是非聴いて、そして是非インタビュー記事の方もご覧いただければ、と思います。

次に外せないのはやはりクリムゾン。
とにかく良かった!素晴らしかった!
行く前は色々心配していましたが、実際見てみるとやはり圧倒されました。
ロック界一のアヴァンギャルドで挑戦的な伝説のバンドをこの目で見れただけでも幸甚です。
こちらも詳しくはレポート記事を御覧ください。

また、今年頭のブーレーズ、ボウイの印象があまりに強すぎる最中ではありますが、昨年も多くの音楽関係者の訃報があったことも改めて記憶しておかなくてはならないかと思います。

Gongのリーダーにして永遠のサイケデリック・アイコンであるデヴィッド・アレン、フリー・ジャズの旗手オーネット・コールマン、マイルスとの共演経験もある日本人ジャズピアニスト菊地雅章、そして、夫フランク・ザッパ亡き後彼の膨大な録音物の整理・販売を管理した妻ゲイル・ザッパと、私がパッと思いつくだけでも4名、もちろん他にも枚挙に暇がないほどの方が亡くなっております。(敬称略)
彼らの残した音楽遺産を後世に伝えていく事こそ、我々リスナーの何よりの仕事であることを最近ひどく痛感しております。
改めて、ご冥福をお祈りするとともに、一リスナーとして、甚だ微力ではありますが、音楽の発展に寄与できれば、と思っております。
ただの個人ブログでしかない当ブログですが、今年もどうかよろしくお願いいたします。
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