Federico Durand "A Través Del Espejo"

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Artist: Federico Durand
Album "A Través Del Espejo"
Label: 12K
Year: 2016

Tracklist
01. Mirador en la montaña (Viewpoint in the mountain) (1:44)
02. Teatro de sombras (Shadow play) (4:41)
03. El jardín encantado (The enchanted garden) (3:52)
04. Linternas junto a la laguna (Lanterns beside the lake) (6:42)
05. Diorama (Diorama) (4:28)
06. El grillo de nácar (The cricket of nacre) (3:00)
07. Canción de la Vía Láctea (Milky Way song) (3:53)
08. Hora de dormir (Time to sleep) (3:49)
09. Recuerdos en Super 8 (Memories on Super 8) (4:37)
10. A través del espejo (Through the mirror) (5:06)


アルゼンチンのサウンド・アーティスト フェデリコ・デュラン(と読むのか?)が12Kより発表した新作。
私はこの作品で初めて彼の作品を耳にしましたが、東京のレーベルSpekkなどから何作か発表したこともあるようです。

今回12Kからの処女作、ということですが、2014年にはレーベルオーナーのテイラー・デュプリーや、ステファン・マシュー、iLLuHaなどの12Kアーティスト達と共演した経験もあるようで、徐々にこのレーベルから作品をリリースする準備をしていたであろうことが窺えます。

一聴してみて気が付くと思いますが、本作はいたってメロウな質感のアンビエント作品に仕上がっています。
キラキラと輝くような金属音や、ゆったりとした音響、フィールドレコーディング素材などが繊細に重ねられ、とても牧歌的な心地よさを感じさせてくれる、まさしく「12K的」な作品と言えるでしょう。

本作にてデュランはシンセサイザーやピアノなどの鍵盤楽器のほか、ギリシャ発祥の撥弦楽器ライアーやオルゴール(ミュージック・ボックス)、様々なオブジェクトを用いています。(ライアーも黒鉛筆で演奏したようです。'hammered with a black pencil')
多少の電子楽器は含みつつも、多くはアコースティックな楽器であったり、木やテープ、グラスにナイフといった、言ってしまえば「オーガニック」なものが用いられています。

また、この手の音楽においては、そういった録音に使われる素材ももちろんですが、ポストプロダクションで使われる機材もまた同様に重要です。
彼はその部分について、今作ではアナログエフェクターを用いて行い、ラップトップは一切使用していません。
今回用いられたのはオールドファッションなロック・ミュージックや、ジャマイカンダブなどで使用された名機Roland Space Echo RE-201やエレハモ社製のルーパーEhx 2880などです。

さらに、そこに加えて使用されたのはMDやソニー製のカセットプレイヤー(TCM-200DV)です。
iLLuHaの伊達伯欣の手記によれば、彼はブランクのTDK社製カセットテープから流れる音をライヴの素材(背景)として使っているそうです。
同手記には、彼がこの製品に対して強い愛着を感じているらしいことも記されていますが、本来であれば無音であるはずのテープから流れる、ざわざわとした揺らぎや暖かく仄かなノイズなどが皮膜のようにレイヤーされることで、作品全体に独特なノスタルジアを生ぜしめているように感じました。

先述のアナログエフェクターへのこだわりもそうですが、こういった彼のフェティッシュな美意識が、実際に音となって反映されることで我々の意識をハードな現実から隔絶する壁/膜のような役割を果たし、オーガニックな素材により録音された音や話し声が織りなすドリーミーな世界に我々を没入させてくれるのかもしれません。
個人的には、この壁/膜のようなノイズが、マーカス・フィッシャーが2010年に同じく12Kより発表した"Monocoastal"と共通した空気/サウダーヂ感を彼の作品にもたらしているように思います。

12Kファンや、"Monocoastal"が好きな方には大推薦盤です。
2016年の12Kも期待大ですね!


Ryuichi Sakamoto / iLLuHa / Taylor Deupree "Perpetual"

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Artist: Ryuichi Sakamoto / iLLuHa / Taylor Deupree
Album: "Perpetual"
Label: 12K
Year: 2015

Tracklist
01. Movement, 1 (17:24)
02. Movement, 2 (19:28)
03. Movement, 3 (12:51)


坂本龍一、iLLuHa、テイラー・デュプリーという3組4者により、2013年7月末に山口情報芸術センターの設立10週年記念イベントで行われたライブ演奏を収めた作品が、デュプリーが主宰するエクスペリメンタル・ミュージックのレーベル12Kより発表されました。
ジャケットも山口情報芸術センターの外観から着想を得たものになっていますね。

ちょうどこの演奏の前には、坂本とデュプリーの初の共作である"Disappearance"が発表されていました。
そこにiLLuHaが加わった形になるのですが、どうしてなかなか、この面子を見れば(想像以上に)想像できる通りの作品になったように思います。

クレジットを見るとそれぞれの担当は坂本がピアノ/プリペアド・ピアノ/パーカッション、コリィ・フラーがギター/ピアネット(Hohner社製の電子ピアノ)/エレクトロニクス、伊達伯欣がパンプ・オルガン/エレクトロニクス/ノイズ(フィーレコとかかな?)、そしてデュプリーがモジュラー・シンセということで、演奏そのものは即興で行われたようです。

アルバム通して1つの楽曲という扱いで、一応3つの楽章という扱いになっています。
モジュラーシンセやエレクトロニクスによると思われる暖かな低音パルスがほぼ全楽章通して楽曲を牽引し、ピアノやギター、パーカッション、フィールドレコーディング、ドローンなどの様々な音が入れ替わり立ち替わり現れては消えていくというような具合ですね。
即興といえば、ちょうどiLLuHaが昨年発表した"Akari"が思い浮かびますが、音の濃淡そのもので見せる部分が共通してはいるものの、"Akari"のモノトーンな質感とは裏腹にこちらは色彩豊かです。

ゆったりと変化していく/加えられていく音は、時間の経過とともにその表情を変え続けます。
張り詰めたような緊張感を見せる瞬間もあれば、音に包み込まれるように安心できる瞬間もありますし、冬のような冷たさも、春のような暖かさもあります。
そのような「変化」を聴取するにつけ、この作品は楽曲というよりはインスタレーション的な側面の強いものであることが分かりますし、まるでその「変化」を固唾を呑んで見守る観客たちの姿が、演奏の向こうにある静寂の中に見えてくるような錯覚さえ覚えます。(実際、坂本はこの10周年記念イベントに『フォレスト・シンフォニー』というインスタレーション作品を提供していたみたいですし)

この手のジャンルとしては珍しく(?)ライヴの空気感/臨場感が巧みにパッケージングされた作品だと思います。
今作のタイトルが「perpetual」(永続する/永久の)とされた理由は別のところにあるようですが、案外、これを作品化することでこの日のこの空間は永久になったのかな~、なんてちょっとセンチなことを考えさせられました(笑)
非常に12Kらしい質感を持った作品でもありますので、12Kフォロワーは是非に聴いてみてください。






PerpetualPerpetual
(2015/01/20)
Ryuichi Sakamoto、Taylor Deupree 他

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iLLuHa "Akari"

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Artist: iLLuHa
Album: "Akari"
Label: 12K
Year: 2014

Tracklist
01. Diagrams of The Physical Interpretation of Resonance (17:12)
02. Vertical Staves of Line Drawings and Pointillism (12:11)
03. The Relationship of Gravity to The Persistence of Sound (12:45)
04. Structures Based on The Plasticity of Sphere Surface Tension (7:39)
05. Requiem for Relative Hyperbolas of Amplified and Decaying Waveforms (8:56)


伊達トモヨシとコリィ・フラーという日本在住の2人によるアンビエント・ユニットiLLuHaの音楽には、常に硬質な音響が寄り添っています。
それはメタリックな冷ややかさを持ちながら楽曲の空気を強く決定しますが、決して無機質なものでなく、音そのものの持つ冷ややかさとは正反対の、滲むような温かさを空気中に浸透させます。

2011年のデビュー・アルバム"Shizuku"(同じく12Kより。こちらも名作)は、録音~エディットに4年もの歳月をかけたこともあり、明確なコンポジションを感じさせる作品でありました。
硬質な音響の上を漂うピアノやギター、フィールドレコーディングなどの様々な音を非常に大切に、繊細に取り扱いながら、これ以上もなく美しい位置に配置した前作は教会での録音ということもあってかポストクラシカルにも通底するような湿り気のある(しかしドライ=感情に深入りしすぎない)叙情性を持っていました。

それから3年、2013年のライヴ・エディット作品"Interstices"を挟んで発表された今作"Akari"は、前作とは対照的に、とりとめのない音の群れが空気中に滲んでいくような、なんとも密やかなアンビエンスを感じさせる作品に仕上がっています。

明確なコンポジションがあった前作とは反対に、今作での演奏はむしろ即興性の強いものであることは聴いてすぐに分かると思います。
前作同様、多種多様な作品やフィールドレコーディングから各楽曲は構成されていますが、前作のように2人の作曲者としての意思を感じさせる瞬間は殆どなく、音は常に他の音と無関係に存在するかのように鳴らされています。
この音の群れを聴いて、個人的にぼんやりと思い浮かべたのはオーレン・アンバーチの"Grapes from the Estate"デヴィッド・グラブス、あるいはBlue Note脱退直前のウェイン・ショーターの作品でした。

これらの作品に共通するのは、音と音の「間」を重視した作風というところではないかと思います。
音が生じ、減衰していく間の残響と無音との境界こそが美しいといいますか、その「境界」の中に美的なニュアンスが滲んでいるような感覚があるのです。
こういった音楽の場合、メロディや和声よりもむしろ、音の濃淡こそが魅力を放つのであり、その様はまさに水墨画的と言うことができます。(思えばジャケットもそれっぽい)

多くの楽器を使っていながら楽曲の色彩は常に(水墨画のように)モノトーンでありますが、では少ない楽器でこの空気感が表現できるかというと難しいでしょう。
やはり多種多様な音が関係性を結ばない(あるいは結んだとしても極めて希薄である)ことから、音そのものの濃淡のニュアンスが生まれているのではないかと思います。
このような音楽性は2人が日本育ちであることに起因する部分も少なからずあるのだとは思いますが、単純な生まれ育ちの問題だけでなく、彼らの「音を大切に扱う」姿勢がこのような作風に結実した、と思いたいですね。

春先の発表ではありましたが、むしろ今からの時期に似合いそうな作品です。






AkariAkari
(2014/03/18)
Illuha

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Ulises Conti "Los Griegos Creían Que Las Estrellas Eran Pequeños Agujeros Por Donde Los Dioses Escuchaban A Los Hombres"

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Artist: Ulises Conti
Album: "Los Griegos Creían Que Las Estrellas Eran Pequeños Agujeros Por Donde Los Dioses Escuchaban A Los Hombres"
Label: flau
Year: 2014

Tracklist
01. A (0:53)
02. B (3:01)
03. C (3:15)
04. D (3:34)
05. E (2:34)
06. F (3:24)
07. G (2:49)
08. H (1:52)
09. I (2:00)
10. J (2:29)
11. K (4:07)
12. L (4:09)
13. M (2:26)
14. N (3:23)
15. Ñ (1:40)
16. O (2:10)
17. P (1:26)
18. Q (2:36)
19. R (1:30)
20. S (4:02)
21. T (3:16)
22. U (3:00)
23. V (1:51)
24. W (2:47)
25. X (2:04)
26. Y (0:33)
27. Z (1:33)


今現在「アンビエント」と呼ばれる音楽の中に、まさしくブライアン・イーノが提唱した通りの「アンビエント・ミュージック」は、はたしてどれくらいあるのでしょうか。

イーノの提唱した「アンビエント・ミュージック」の定義は「無視することも、聴くこともできる音楽」というものです。
「聴かせる=意識させる」というのは音楽作品を作る上で非常に簡単である、というよりも、作曲/音楽制作という行為は当然それを主たる目的としていますので、それを達成して当たり前のことと言えますが、「無視させる=意識させない」となるとどうでしょう。
先ほど「聴かせる」ことを音楽を作る主たる目的としたわけですが、それを達成しないことが目的、となると話は違ってきます。作曲行為、すなわち音を(人間の作った)何らかの規則に従って配置する行為により生まれる音の連なり(=音楽)というものは、「自然ではない」という意味で本質的に「不自然」なのですから。

逆に言えば、もし「意識させない」ことが達成されたとして、それは果たして音楽なのでしょうか。
もちろんアンビエントの定義上は「聴くこともできる」という条件付けがなされていますので、このような問題は忌避されています。しかしまず達成されなくてはならないのは「意識させない」ことであり、これは「印象を与えない」という言葉に置き換えることができます。
音そのものはどこまでニュアンスを排除しようとも、何らかの規則にそって配置される以上、聴き手がなんらかの印象/ニュアンスを汲み取る余地を排除することはできません。そのため、他の部分で与える印象を排除する目的で、楽曲のタイトルが非常に無味乾燥な記号的なものである場合が往々にしてみられるのだと思います。

その例に倣ってみれば、ウリセス・コンティの新作に見られる適当とも言えるタイトルの付け方にも納得がいくと思います。
A~Zまでの27のアルファベット(Ñを含む)がそれぞれ冠された楽曲は、短いもので30秒程度から長いものでも4分超とコンパクトに抑えられ、そこで見られる使用楽器やスタイルも様々です。
例としては、2012年のローラ・アリアスとのデュオ作でも見られた、揺れる音響を特徴としたものや、まるでデヴィッド・グラブスのピアノ作品にも通じるような、ピアノの残響に意識を向かわせるもの、フィールドレコーディングを効果的に取り入れたもの、あるいはドローンなどのスタイルが挙げられますが、それらのいずれもがあまりに淡々としていて終結感に乏しいことは一聴して気づくでしょう。
その終結感のなさは物凄いものがあって、アルバム一枚通して聴いていても、「気がついたら終わっていて、終わっていることにすら気づいてなかった」ことが多々あるのです。

音そのものを終結感の乏しいものとすることで音そのものが与える印象を限界までそぎ落とし、27の楽曲にアルファベットをあてがうことで、音以外が生み出す印象を排除することにより、非常に理想的な「アンビエント作品」として成立している作品だと言えそうです。
思えば、アルバムタイトルは「ギリシャ人は、星は神が人々の話を聞く為の小さな穴だと信じていた」という一見、意味性(=印象)が強くありそうに思えるものとなっています。このタイトルから、27の楽曲一つ一つが「神が聴いた人々の声」を表している、と取ることもできそうですが、アルファベットだけを冠した楽曲名や、ヴォーカルなし(数曲はアカペラ的なコーラスがありますけど)の楽曲とアルバムタイトルとの間にそのような関連性を見出すのは実質的には難しく、こじつけになってしまいそうです。

ただ、このアルバムタイトルが醸すセンチメンタリズムが、アルバムに独特のカラーを添えているのも事実。
しかし、アルバム/楽曲の「アンビエント・ミュージック」としての機能を邪魔しない程度に抑えられている、結構絶妙なタイトルだと思うのですが、いかがでしょうか?

アルバムを通してぼーっと聴くもよし、気に入った楽曲を延々リピートして長大なアンビエントとして楽しむもよし、ランダム再生で適当に流すもよし…と、イーノの提唱した定義とよく合致した、非常によくできたアンビエント小品集です。





HMV: Los Griegos Creian Que Las Estrellas Eran Pequenos Agujeros Por

点と線 "ten to sen"

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Artist: 点と線
Album: "ten to sen"
Label: EASEL
Year: 2009

Tracklist
01. scene-2 -it might not be never.- (5:53)
02. plus-minus (5:12)
03. equal (5:27)
04. ame (2:28)
05. scene-1 -it was.- (6:16)
06. yume (2:58)
07. kami (5:22)
08. yoru (6:45)


「表現したいことはないけど、出したい音はある」
Spangle call Lilli lineの面々が、最初期のインタヴューで語ったというこの言葉こそ、彼らが音のストラクチャー(構造)ではなくテクスチャー(質感)を志向し活動しているということの、明快かつ力強い宣言でした。
おそらく、"PURPLE"(2008)あたりまでの彼らは、何かを伝えるための最良の形≒構造を求めるのでなく、好きな(質感を持った)音を発したいのだという、衝動にも近しい欲求に素直に活動していたのだと思いますが、その「美学」に貫かれた作品がいずれも素晴らしかったということは、彼らの選択が正しかったということの証明でもありましょう。

そして、その次作であるシングル"dreamer"(2010)以降、彼らは明確に迷走を始めた(と個人的には思っています)のですが、実はその間にあたる2009年に発表された、ヴォーカリスト大坪加奈のソロ及び藤枝憲笹原清明というギタリスト2名による点と線と名付けられたユニットの作品こそが、彼らの音楽のさりげない結論なのではないかと思うのです。(この2作は同時リリースされました)
特に、この点と線について言えば、おそらくギタリスト2名の思い描いた「音」の完成形ではないか、とすら思えます。

この作品を特徴づけるのはまさに「点」と「線」です。
単音(点)と、サスティン(線)の並列(≒旋律)により構築される楽曲は対位法的で、コードによるバッキングは殆ど見られません。
ストリングスやエレクトロニクス、ギターの奏でる旋律、そして音そのものの質感は非常にナイーヴでセンチメンタルで、その点は非常に彼ららしいと思うのですが、この「対位法的な構築」という点については、それまでの彼らのスタンスとはズレたもののようにも感じられます。

彼らは元々美術畑出身で、バンドの作品のブックレットにも自分たちで作成した絵や写真などを用いていました。
それらの作品には「日常」にほんの少しの手を加え「非日常」へと異化させようという、インスタレーション的な志向が見て取れます。
作品そのものの構造的な美でなく、日常的な空間が非日常的なものへと変化することで生じるある種のアンビエンス・雰囲気が漂わせる違和感という美を求める姿勢は、確かに彼らの音に対するスタンスと一致します。

そして、この作品も、「音楽」という形式をとってはいますが、そういった「日常」を「非日常」へと異化させるための『装置』として作られたのではないでしょうか。
4曲目や8曲目で聴かれる、雨の音や汽車の汽笛/走行音などのフィールドレコーディングが、この音楽と重なることでまた違った意味合い/色彩を帯びているように思えるのはそのことを端的に証明しているように思えますし、また、この作品は単体でなく、外界の音と混交したときにこそ美しく響くことに、最近気が付きました。
特に今の時期聴こえる虫の鳴き声や行き交う車/雑踏の音との共存が生み出す美しさには特筆すべきものがあるように思います。
最近、会社から帰宅するときは、車の窓を開けた状態でこの音楽を流しているのですが、薄暮に聴こえてくるだけのただの「雑音」(明確な意図がない、という意味で)が、言い知れない感傷を伴って聴こえてくるのには驚きました。

思えば、対位法的な音の作りを選択したのも、そういったところに理由があるのかもしれません。
サスティン(持続)による音の伸長はあるものの、旋律のみで構築された楽曲は当然として音と音との間に「隙間」を有します。本来であればコードによるバッキングがそこを埋めるのですが、彼らはその隙間に外界の音があてがわれることを狙い、この作品を作ったのではないでしょうか。
もしかすると、フィールドレコーディングの挿入は、そういった「狙い」をリスナーに察知させるための、ちょっとしたヒントなのかもしれません。

以上のような点から言えば、これは正確には「音楽作品」とは少々スタンスが違うように思いますが、逆にそれこそが彼らの考える「音」のあり方なのかもしれません。
「表現したいこと⇔感じたいこと」は聴くものにより姿を変えるのかもしれませんが、それを作り出すのは、やはり彼らの「出したい音」だったのです。






ten to senten to sen
(2009/01/21)
点と線

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