Lee "Scratch" Perry & The Upsetters "Scratch the Super Ape"

Artist: Lee "Scratch" Perry & The Upsetters
Album: "Scratch the Super Ape"
Label: Upsetter
Year: 1976
Tracklist
01. Dread Lion (4:33)
02. Zion Blood (3:57)
03. Three in One (3:39)
04. Curly Dub (4:12)
05. Patience Dub (4:33)
06. Super Ape (3:50)
07. Croaking Lizard (3:27)
08. Black Vest (4:41)
09. Underground Root (2:57)
10. Dub Along (3:11)
さて、今回はダブの作品を取り上げてみたいと思います。
ダブ(Dub)というのはそもそもレゲエの派生ジャンルであり、また「音楽の編集手法」を指します。
レゲエのシングル盤では、B面にシングル曲のリミックス(基本的にヴォーカルOFFで、Versionと言います)を収録することが多かったそうです。
この"Version"を作る過程で、エンジニアたちの遊び心から生まれたのがこの「ダブ」なのですが、音楽的な特徴を挙げるとするならば、原曲のリズムを強調し、特定の部分だけをループさせるミニマルな楽曲構成と、リヴァーヴやエコーをこれでもかという程に強くかけたサイケデリックな音作りといったところでしょうか。
この「ダブ」。誰が創りだしたかというのは諸説ありますが、有名なのはキング・タビー(この人の作品もいつかレビューしたいですね)と、今回のリー・"スクラッチ"・ペリーの二人です。
これは彼とそのバック・バンドThe Upsettersが1976年に発表した名作アルバムです。
一般にはアイランズ・レコードから"Super Ape"として、曲順・ミックスを変えて流通しています。この作品単品のリイシューはまだのようですが、現在は彼の"Super Ape"シリーズ(この作品と、1978年の"Return of the Super Ape")をセットにした編集盤"Ape-Ology"で聴くことができます。
しかしまぁ、なんとも心地よいサウンドです。
ズブズブのベースラインがループされ、リヴァーヴたっぷりのメタリックなギターとパーカッションがリズムを刻んでいくことで、非常に酩酊的な空気が立ち現れます。
さらにその上にリー・ペリー本人をはじめとする、へろへろなヴォーカルが乗っかれば、聴き手の頭のネジはもう緩みっぱなしです(笑)わりとシスコ・サイケ(The Grateful Dead、Quicksilver Messenger Serviceなど)とか好きな人にオススメできるかもしれません。
先ほど挙げたキング・タビーはこの上にさらにエコーを強く掛けヴォーカルレスの構成にして、ややバッド・トリッピーな音響を作り出していますが(そっちもそっちで大好きなのですが)、リー・ペリーのこれは全体的にはもっと人懐っこいサウンドでダブが初めて、という人にも聴きやすいのではないかと思います。
冬にこんなこと言うのもアレですが、うだるような暑さの夏日に、エアコンも扇風機もかけずに窓を開けっ放しにして聴きたい音ですね(笑)
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