iri "Shade"

Artist: iri
Album: Shade
Label: Colourful Records
Tracklist
01. Shade produced by大沢伸一
02. Only One arranged by Yaffle(Tokyo Recordings)
03. Wonderland arranged by ESME MORI(Pistachio Studio)
04. Common arranged by STUTS
05. cake arranged by grooveman Spot
06. Flashlight produced by tofubeats
07. 飛行 arranged by Kan Sano
08. Sway arranged by Shingo.S
09. Peak arranged by ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)
10. Keep on trying arranged by ESME MORI(Pistachio Studio)
11. mirror arranged by 三浦淳悟(PETROLZ)、Kan Sano,澤村一平 & 隅垣元佐(SANABAGUN.)
お久しぶりです。
なんとなくこれは書いときたいなぁ、という作品があったので本当に久々にレビュー。
年明けぐらいにSofar Tokyoでの弾き語りライヴ動画を見て以来気になっていたiri(イリ)がタイミングよくドロップしてくれた新作"Shade"が素晴らしすぎてここ一週間くらい悶絶しております。
若干25歳の彼女ではありますが、実は本作が3作目ということで、すでに結構キャリアを重ねたミュージシャンでした。
歌声も、年齢や相応の可愛らしい見た目からは想像がつかないような、ちょっぴりハスキーかつふくよかな質感を伴ったもので、非常に説得力があります。
まるで歌うために生れてきたかのようで、まさにギフテッドな声といっても過言でないと思います。
そんな彼女をサポートするのはMONDO GROSSOの大沢伸一をはじめとして、水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミ、tofubeats、STUTSらに加え、YaffleやESME MORIといった新進気鋭のトラックメイカー、そしてどういうコネクションなのか謎の(笑)三浦淳悟(PETROLZ)と、まるで2010年代のJ-POPの総まとめのようなメンバーです。
全体的にはHIPHOP的なビートが牽引していますし、iri自身も少しラップしていますが、やはりこのアルバムに大きな一本の芯を通しているのは彼女の歌声です。
そしてそれは先ほどの豪華なメンバーが脇を固め、全力でサポートしているのも納得できるほどに美しく、ディープな質感をはらんでいます。
また、彼女はその天性の歌声だけでなく、リズム感にも特筆すべきものがあるように感じます。
ただビートに乗って人形のように歌を垂れ流すのでなく、ビートや楽音の隙間に巧みに言葉を配することで、自身の素晴らしい歌声と、ウェルメイドなトラックとのバランスをとり、決して少なくない情報量をすんなりと聴かせてくれるのです。
そもそものトラックがHIPHOP的なのもありますし、プロフィールなどみてもそもそもブラックミュージックをルーツの一つとしている部分もあるのですが、それを差し引いて考えてもかなり非凡なものがあるように感じます。
そのせいもあってか、音数がそぎ落とされているというわけでもないのに、全体的に非常にシンプルでパーソナルな印象を受ける作品に仕上がっています。
ちょっぴり、初期の宇多田ヒカルも思い出すような印象を受けますね。
Spotifyで過去作も聴きましたがそれらも素晴らしく、近いうちに全部買ってしまう予感がひしひしとしています(笑)
今年のJ-POPはまずこれ聴いとかなきゃ語れませんよ!
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