The Most 10 Discs of 2016

さて新譜/再発モノときてラストは旧譜ベストということで、2016年の総まとめも漸く終了です。
新譜中心のリスニングだったこともあり、あまり旧譜は聴けていないのですが、5枚ずつコメントを入れて発表させていただきます。(( )内は発表年または発売年)
David Bowie "Scary Monsters" (1980)
Pierre Boulez "Le Domaine Musical 1956-1967" (2015)
Prince "Lovesexy" (1988)
Tony Conrad with Faust "Outside the Dream Syndicate" (1972)
冨田勲 "月の光 Ultimate Edition" (1974/2012)
昨年は様々なミュージシャンが亡くなった関係もあり、それらミュージシャンの作品を聴くことが多かったように思います。
ボウイやプリンス(殿下)はここ数年離れていたのですが、ディスコグラフィを聴き返す切欠が彼らの死であったということに申し訳無さを感じつつ、やはり素晴らしい、良質な作品を何枚も残したレジェンドであったと改めて実感しました。
ボウイについては新作"★"も素晴らしかったですし、改めて聴いた中では"Hunky Dory"などにも心惹かれましたが、やはり個人的な偏愛盤を、ということで1980年作の"Scary Monsters"を。特に、'Ashes to Ashes'は自分のキャリアをメタ的に、アートに昇華してしまうという彼の技法の最たる名曲であり、彼が自分の死を(不確定要素はあったとしても)アートとしてしまったことに通底するのではないかと思います。
殿下の方は新作を聴けなかった(罰当たり)のですが、改めて聴き直した中ではやはり"Lovesexy"が最高傑作かな、という結論にいたりましたので選ばさせていただきました。
さらに、2016年の訃報で改めて初期のドメーヌ・ミュージカル時代のBOXに触れることができたブーレーズ、元素記号表レーベルのデラックス・エディションを持っていたので購入は見送りましたが、改めて再発のなされたトニー・コンラッド、そして聴こう聴こうと思いながら聴けていなかった冨田勲など、改めて、素晴らしい芸術家達が何人も亡くなり、一時代の終わりを感じさせる一年であったと思います。
ここに作品を挙げていない方も含め、改めてご冥福をお祈りいたします。
Grateful Dead "Blues for Allah" (1975)
菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール "戦前と戦後"(2014)
KOHH "Dirt" (2015)
水曜日のカンパネラ "ジパング" (2015)
THA BLUE HERB "Stilling, Still Dreaming" (1999)
そして、昨年になってようやく手を出した作品も数多くありました。
年始辺りから日本のHIPHOPにちょろちょろ手を出しており、キングギドラなど王道なところから抑えていっておりましたが、THA BLUE HERBのヒリヒリとした緊張感にはまずやられましたし、好評は聴いておりましたが宇多田ヒカルの新譜への参加もあってやっと聴いたKOHHも、リアルな閉塞感や諦念がパッケージされた鬼気迫る作品だったと思います。
そんな中、HIPHOP枠に入れていいかどうか分かりませんが水曜日のカンパネラにもハマり、ギャグすれすれ(というかギャグ)の言葉と以外にシリアスなトラックのギャップを楽しみました。
他には、2016年の新譜として出たコンピ"Day of the Dead"に触発されて改めて未聴作品にアプローチしたThe Grateful Deadや、ふと聴いた菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラールなども素晴らしい作品でした。
こうやって見ると邦ミュージシャンが多いですね。
やはり個人的に未開のジャンルだった邦HIPHOPに手を出したのは大きかったのかもしれません。
今年の旧譜はどうなるか、と思いますが、年始から突如カンタベリー・ミュージック(というかソフツ)がキテるのでそっち関係から掘り下げることになる…のかな?
何にせよ、素晴らしい旧譜との出会いも、新譜同様期待したいと思います。
改めまして、本年もよろしくお願い致します!
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