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Dinosaur "Together, As One"

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Artist: Dinosaur
Album: "Together, As One"
Label: Edition Records
Year: 2016

Tracklist
01. Awakening (8:33)
02. Robin (6:50)
03. Living, Breathing (6:37)
04. Underdog (2:50)
05. Steadily Sinking (1:49)
06. Extinct (9:29)
07. Primordial (7:46)
08. Interlude (2:56)


UKの女性トランペッター ローラ・ジャードを中心とするエレクトリック・ジャズ・カルテットDinosaurがEdition Recordsよりデビュー作"Together, As One"をリリースしました。
同レーベルで今年私が手に入れたもの(Phronesis、ジャスパー・ホイビー、アイオルフ・デイル、エリオット・ギャルヴィン)はいずれもアコースティック・ジャズという、オーソドックスな形式でもってジャズを拡張していくような音楽性だったように思いますが、打って変わってこちらはエレクトリック・セットで、プログレッシヴ・ロックやファンク、ミニマル・ミュージックやそしてマイルス・デイヴィスなどの影響も見せながらクロスオーヴァーで、単純に「ジャズ」の一言で済ませることのできない音楽を構築しているように思います。

メンバーはローラとともにジャスパー・ホイビーの"Fellow Creatures"に参加したドラマー コリィ・ディックに、同じく同レーベルよりトンガッた新作"Punch"をリリースしたピアニスト エリオット・ギャルヴィン(今作ではキーボーディストとして参加)、そしてローラやコリィのリーダー作に参加経験のあるベーシスト コナー・チャップリンという3名で、現在のEdition Records関連のドリームチームのような雰囲気も漂っています。

さて、先行曲である3曲目は、ローラによると思しきスペイシーなシーケンス・フレーズの反復の上で徐々に熱量を上げながら演奏を展開していく、お手本のようなジャズ・ロック/フュージョンな一曲でありました。
先にこちらを聴いていたのでアルバム全体もそのような感じかと予想していたのですが、実際に聴いてみるとむしろこの曲はどちらかというと全体ではちょっと特殊な雰囲気の楽曲であることに気付かされます。

まず、アルバムの空気は1曲目の'Awakening'ですぐに理解されるでしょう。
どっしりと楽曲の骨子を支える瞑想的なベース、とても奥ゆかしく、しかし大胆に楽曲の拍子に細工を施すようなフィルを入れながら、ベースとの共同作業で土台となるビートを形成することも忘れないドラム、ソロ作品でのパンキッシュなプレイからは想像もできない、アトモスフェリックでスペイシーな音場を創りだすキーボード、そして、その上をマイルスよろしくな呪術性を孕みながら漂うトランペットが、即興的にアプローチしながら楽曲に奥行きを与えていきます。

しかしながら技巧的な部分が先行しているかというとそうではありません。
先行曲で聴かれたようなアグレッシヴなインタープレイは小品などでユーモラスに披露されることはあれど全体としては少なく、大曲の殆どではモーダルな曲想を大切にするかのように抑制の効いた演奏を聴かせます。

その演奏から生まれてくるのは、先ほどジャードのプレイに対しても引き合いに出した(エレクトリック・)マイルスのような呪術的な空気です。
実際、海外サイトのレビューを見てみると"In A Silent Way"や"Bitches Brew"などエレクトリック期のマイルスの作品を引用して本作を論じたものも多いのですが、実際、生誕90周年(及び死後25年)ということでにわかに沸き立つマイルス周辺に礼儀正しく花を添えるような作品であるようにも思えます。

ただ、単にマイルスのコピーかというとそうでもなく、特にエリオット・ギャルヴィンのキーボードによりスペイシーなスケールの大きさが加えられているのは中々面白いと思います。
このおかげで全体的に通してみるとまるでSoft Machine後期のような、プログレッシヴ・ロック/フュージョン/カンタベリー的な空気も纏っているのですが、先ほども述べた技巧主義的な要素を排した演奏も相まって、本作はとても軽やかでクールな印象を受ける作品に仕上がっているのです。
この堂々としたクロスオーヴァーっぷりは非常に現代ジャズらしく、そちら方面のリスナーにも聴いていただきたいのは当然のこととして、マイルス・ファンやプログレ(特にカンタベリー周辺)のファンなども視野に入れた懐の深い作品だと思います。


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