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Jasper Høiby "Fellow Creatures"

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Artist: Jasper Høiby
Album: "Fellow Creatures"
Label: Edition Records
Year: 2016

Tracklist
01. Folk Song (6:09)
02. Fellow Creatures (7:29)
03. World of Contradictions (3:56)
04. Little Song For Mankind (6:51)
05. Song For The Bees (4:47)
06. Tangible (6:30)
07. Collective Spaces (3:03)
08. Suddenly, Everyone (7:33)
09. Before (3:15)
10. Plastic Island (5:33)


今年度の私的年間ベスト候補筆頭であるPhronesisのリーダー兼ベーシストであるジャスパー・ホイビーのソロデビュー作がEdition Recordsよりリリースされました。
Phronesisではピアノのイヴォ・ニーム、ドラムのアントン・イーガーと、まるで殴りあいでもしているかのように苛烈に即興演奏/インタープレイの応酬を聴かせていました。
そもそもPhronesisは、始まりこそホイビー主導のプロジェクトであった(初期の作曲は全てホイビーが担当)ようですが、作数/活動を重ねるうちに徐々に3人の立場が対等であることを軸とした、民主的なものへと変化していったようです。
徐々にニームやイーガーの作曲が増え、5th"Life to Everything"及び6th"Parallax"ではついに、3人が平等に同数の楽曲を提供しています。
楽曲も恐らくは、作曲者としてクレジットされているメンバーが楽曲の骨子を持ってきて、それを演奏していく中で即興的に肉付けされていった部分が大きかったのでしょう。

一転して今作はソロ作ということもあり、全ての楽曲がホイビーのペンによるものです。
メンバーはトランペットにローラ・ジャード(Laura Jurd)、サックスにマーク・ロックハート(Mark Lockheart)、ピアノにウィル・バリー(Will Barry)、ドラムスにコリー・ディック(Corrie Dick)を迎えた2管クインテットの形式で、Phronesisとはまた違った魅力のある作品に仕上がっていると思います。

Phronesisでは、メンバー3人による遠慮の全く感じられない(笑)即興演奏の応酬がそのまま情報量の多量さにつながり、一瞬足りとも聴くことを疎かにできない、抜き差しならない緊張感につながっていました。
対する今作は、参加メンバーこそ多いもののそれぞれの楽音はすっきりと整理されています。
ホイビーによる相変わらずファット&グルーヴィーなベースを中心として、コリー・ディックの金物による装飾多めのドラミングが軽やかで推進力のあるグルーヴを形成し、そこにウィル・バリーが分散和音/なめらかなスラーでうっとりするような雰囲気を加え、マーク・ロックハートがゴリゴリにブルージィなサックスで応え、ローラ・ジャードが女性らしい飛翔するようなトランペットで高らかに歌い上げる…という各メンバーの一々の所作が余すところなく聴き取れます。
バンドは本作の録音のために結成されたと推測されますが、まるで長年演奏を共にしてきたかのように互いの手の内を知り尽くしながら、それでいて初めてのセッションのように新鮮な刺激を与え合っているかのように押し引きを繰り返し、楽曲に命を吹き込んでおり、演奏には端正な魅力が溢れています。

また、ホイビーの作曲には、クラシカルで神秘的な響きや、ゆったりとフレーズを(装飾を加えつつ)反復しながらクライマックスに向けてカタルシスを積み上げていく(クレッシェンドしていく)かのような構造を聴き取ることのできる、非常にオーセンティック/伝統的な素養を感じます。
しかし、アルバムの冒頭を飾るベースソロなどにも聴き取れるように、彼の演奏/作曲の中には同時にブルーズやトラッド的な要素もまた存在しています。
ブルーズのダーティな、あるいは卑俗な部分とトラッドの物語性、そして王立音楽院出身という経歴にも関係すると思しき由緒正しい品の良さとが同居する様はまるでジャズ・ロック/プログレッシヴ・ロックのようですらあります。

今作はホイビーにとって1人のベーシスト/コンポーザー/バンドリーダー…すなわち音楽家としての充実したデビュー作となったと言えるでしょう。
飽きることなく聴き続けることができそうで、とても嬉しく思っています。


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