Raging Fyah "Everlasting"

Artist: Raging Fyah
Album: "Everlasting"
Label: VP Records/Dub Rockers
Year: 2016
Tracklist
01. Everlasting (4:02)
02. Justice (3:55)
03. Live Your Life [feat. J Boog & Busy Signal] (3:33)
04. Dash Wata (3:53)
05. Ready For Love (3:22)
06. Humble [feat. Jesse Royal] (4:15)
07. RaggaMuffin (3:31)
08. Try Again (3:58)
09. Get Up (4:40)
10. Would You Love Me [feat. Busy Signal] (3:47)
11. Happiness (4:13)
12. Wondering (4:32)
13. Getting Dread (4:11)
良い音楽を、アルバムを作るために必要なのは「新しさ」などではなく、何よりも「真摯な態度」ではないのか、と時に思います。
そういう意味では、ジャマイカ発の現代ルーツ・レゲエ・バンドRaging Fyahの第3作目にして、世界デビュー作となる"Everlasting"は正にジャマイカやレゲエに対する愛に溢れた真摯な名作と言うことができるでしょう。
現代レゲエを聴いてみようと色々探している中でふとアンテナに引っかかり、ようやく最近手に入ったのですが(入荷にかなり時間がかかりました…)、何が素晴らしいってとにかく全曲名曲なのですよ、これが。
若々しく溌溂とした歌声、ストイックにリディムを刻むドラム、ふくよかな低音で楽曲を底支えするサブマリンベース、サイケデリックなギター、ちょっぴり夢見心地なシンセサイザー、そしてたぎるように熱く男臭いブラス…といったレゲエを素晴らしいものとする要素が全部入りですし、楽曲の方も練りに練られていており、全ての楽曲で印象的なフックが配され、一緒に合唱したくなるようなソウルフルな雰囲気がアルバム全編を覆っています。
また、ルーツ・レゲエというとどうしても強いメッセージ性や、重心の低いヘヴィな楽曲というイメージがあると思いますが、対する彼らの音楽は、確かにメインに志向しているものこそルーツなのだと思われるものの、プロダクションやアレンジメントなどには現代的なものを感じることが多く、アルバム全体通してみると案外軽やかな印象を受けます。
ダブ処理も、あくまで添え物として楽曲の芯の部分(歌唱や演奏)を邪魔しないように、しかしながら非常に効果的に加えられています。
繰り返し言うとおり全曲名曲ですが、個人的に気に入っているのはこれ以上にないほどに熱い導入である1曲目や、カリビアンな空気が軽やかな3曲目、夢見心地なシンセサイザーがリードする名バラードの5曲目、超戦闘的なミリタントビートに牽引される6曲目、アルバム中最もダブ色/ダンスホール色(?)の強い7曲目、再度ミリタントビートな8曲目、アルバム終盤に入ったところでストリングスによる導入が目を覚まさせる9曲目、男臭いロックバラードな10曲目、タイトル通り(?)どこかもやのような浮遊感を感じる12曲目、ちょっぴり不穏な導入から勇猛果敢な雰囲気へと転じていくラスト13曲目など…って殆どですね(笑)
もちろん、ここに挙げてない曲も良い曲ばかりです。
視聴などが少なく、アルバム通しての魅力が伝わりづらい部分はあると思うので、少しでも気になるならぜひ購入して、通して聴いてもらいたいと思います。
損はさせません、絶対!
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