Eyolf Dale "Wolf Valley"

eyolfdalewv.jpg


Artist: Eyolf Dale
Album: "Wolf Valley"
Label: Edition Records
Year: 2016

Tracklist
01. Furet (5:13)
02. Fernanda (6:02)
03. Shostachoral (5:54)
04. Ban Joe (7:11)
05. Sideways (6:41)
06. Teglstein (3:23)
07. The Creek (6:27)
08. Silent Ways (6:31)
09. The Walk (4:01)


ノルウェー人ピアニスト アイオルフ・デイルのEdition Recordsよりの初作品(ソロとしては3作目くらい?)は、オクテット(八重奏)による濃密なアンサンブルと、北欧ジャズらしい透き通った美しさが感じられる好盤となりました。
元々は、本作にも参加しているサキソフォニストのアンドレ・ローライトン(かな?André Roligheten)とのデュオAlbatroshでシーンに登場し、Jazzintroを始めとする本国のジャズコンペで優勝し、デビューしています。

2011年にソロ・デビューし、2013年には第2作目を発表していますが、そのどちらもがソロ・ピアノによるもののようで(未聴)、今回はEdition Recordsでのデビューであるとともに、バンドリーダーとしてのデビューでもあるのです。

さて、この八重奏の編成はピアノにベース、ドラム、3管(サックスまたはクラリネット、トランペット、トロンボーン)にヴィブラフォンとヴァイオリンというものです。
スモールコンボとしては最大のものであることからも分かる通り、本作はコンポジション/アレンジメント重視の作品であるように思います。

楽曲の基本構造はテーマ-ソロ回し-リプライズという基本的なものですが、各人のソロにおいても他の楽器がハーモニーをかぶせることで底部を支えるなどしており、全体的にはかなりの部分で厚めのアンサンブルが聴かれるように思います。
それがメロディなどの北欧的な透明感と相まって、非常に豊かな印象を与えてくれますね。

演奏者として注目すべきはやはりリーダーのデイルでしょう。
かなり器用なピアニストで、ジャズらしさはもちろんのこと、必要に応じてブルージィな弛みや現代音楽/クラシカルな冷ややかなタッチを見せることもありますし、2曲目などではヴィブラフォンと協力してミニマルに音を紡ぐシーンも見られます。
Albatroshの方は聴いていないのですが、少人数で強烈なプレイアビリティを発揮するよりは、今作のようにある程度の人数の中で楽曲に必要な役割を果たしていくようなスタイルがかなり合っているように思えました。

ちなみに、メロディセンスも私好みの「甘すぎず辛すぎず」な感じでその点も高評価です(笑)
音を詰め込みすぎず、一音一音をじっくり丁寧に響かせていくことで構造的にだけでなく、質感的(テクスチュア)な部分でも非常に満足のいく作品になっていると思いますし、何よりもそれをしっかりと捉えた録音の素晴らしさも特筆すべきなのではないかと思います。
目下年間ベスト候補のPhronesis"Parallax"もそうでしたが、Edition Recordsは本当に録音が良い作品が多い印象です。
楽器の音、それが響く場の音を鮮明に捉えている印象で、そうであるからこそ演奏の深みや美しさがダイレクトに伝わるような気がします。

デイル自身の演奏にも象徴されるように、強烈で分かりやすいアピールポイントのある作品ではありませんが、とても豊かで深く、透き通った美しさのある力作です。
北欧ジャズ好き、ラージ・アンサンブルとは言わないまでも多人数の編成が好きな方はぜひ聴いてみていただきたいと思います。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

どうも、こちらのブログでは特にジャズやレゲエ、12k作品なんかは買い物選びの参考にさせていただいてます。
というわけで、今回のこのアルバムも考え中なんですが、まだ決心がつきませんねー。
北欧のジャズ、聴いてみたいって気持ちはありますし、「甘すぎず辛すぎず」っていうのもいいですね。
ただ、大編成のジャズにはそんなに慣れていないのがちょっと不安要素です。

ちなみに、年間ベストは今のところDJ Shadowの新譜が一番近いですw

Re: No title

>> ありたん さん

北欧ジャズはいわゆるモダンジャズと違ってクラシカルな要素も強いですし、
苛烈な即興よりもメロディやアレンジメント、あるいはそこから醸される
アンビエンスなどを重視する傾向にあるので聴きやすいと思いますよ。

変に考え込んだようなところがないので、
入りとしてはこの作品は結構良いと思います。

年間ベストはもうほぼPhronesisで決まりなんですが、あと半年でこれを超えるものが
出るかがむしろ楽しみだったりします(笑)
プロフィール

vuoy

Author:vuoy
音楽好きです。
情報に間違いなどありましたらコメント欄で結構ですので気軽に連絡ください。
Last.fm
twitter

【注意事項】
まれに、当blogの記事をオークションの商品説明に引用またはURL貼付されているページを見ることがあります。
当blogの記事はあくまで個人の感想であり、ミュージシャン本人以外の利益に供する目的はありませんので、商用目的での無断引用/URL貼付はご遠慮願います。
どうしてもという場合には、twitterなどでご相談いただければ検討しますので何卒ご理解いただきますようよろしくお願いします。

アクセスカウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
vuoy's Profile Page
Twitter
検索フォーム
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
音楽
193位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋楽
50位
アクセスランキングを見る>>
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR