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Finnegan Shanahan "The Two Halves"

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Artist: Finnegan Shanahan
Album: The Two Halves
Label: New Amsterdam
Year: 2016

Tracklist
01. The Platelayers (6:39)
02. The Great Sunstroke (4:39)
03. The Exile (5:01)
04. The Giant Sleep (5:14)
05. The Two Halves (4:41)
06. The Azimuth (7:58)


当blogでは以前ダニエル・ウォールの"Holographic"のレビューにおいて、現在インディー・クラシックと呼ばれて賑わいを見せている界隈の音楽の特徴が「構造(コンストラクチュア)」を志向している(あるいは、そういった部分に作曲の根本的な動機がある)ところにある、という旨のことを書きました。

改めてインディー・クラシックを、ということで遅ればせながら同じくNew Amsterdamから2月に発表された、フィンネガン・シャナハンのデビュー作"The Two Halves"を聴いたのですが、これがまた素晴らしく良くて驚いています。

さて、今作を一言で表すとするなら、とてもポップな作品であると言えるでしょう。
シャナハンの他には指揮者も含めて14人の楽団コンテンポラニアス(Contemporaneous、シャナハンも創立に関わっているとのこと)が演奏を担当していますが、多くの楽曲がシャナハンとジェイク・チャップマン(エレキギター)、パット・スウォーボーダ(ベース)、マット・エヴァンス(ドラムス)という最小単位のバンドを核として、そこにオーケストラルな様々な楽器の描くラインを絡ませるというような手法をとっています。

各楽器には時にミニマルに反復して軋むように、あるいは駆動系のように前進する他、主にストリングスがサスティンによってうっとりするような空気を醸したり、あるいはブラスがヴァンプにより聴き手を鼓舞するような力強いアタックを聴かせたりします。
中心となるバンドの音は非常にシンプルでソリッドですが、ドラムにはかなり細かい譜割りで叩いているような感触もあり、リズム/ビート的にもなかなか興味深い点があるように思いました。
また、エレクトロニクス/サンプリング担当メンバーも1名おり、オーケストラルなテクスチュアだけでなく、電子音楽っぽい実験的なテクスチュアを匂わす場面も散見できます。

それらの音は非常によく整理されたうえでポリフォニックに重ねられ、豊穣な音楽世界を形成しています。
全体的には60~70年代のソフトロックや、あるいはチェンバー・ロック的な空気を強く感じますが、あちらがいわばフォーク・ロック/サイケデリック・ロックを起点として室内楽的な要素を装飾として用いたのに対し、シャナハンの音楽はよりこなれていて自然です。
それでいて、大所帯の楽団の演奏が複雑に絡み合うことで生まれる緊張感もあり、緩急どのシーンにおいても理路整然とした、明快な雰囲気が感ぜられます。

いわゆるポップソング的な、ヴァース/コーラス/ブリッジという単純な繰り返しは避けつつも、決して風呂敷を広げすぎず、どんなに長くても8分以内には楽曲を終わらせるという部分には22歳の若者らしからぬ熟練したものを覚えますが、そのあたりは恐らく彼のアカデミックな知識や志向といったベースの部分が強固であることの証明に他なりません。

今回は30分強のEP的な作品ですが、十分すぎるほどに聴き応えのあるものに仕上がっていると思います。
ぜひとも、フルレングスでコンセプチュアルな作品を作ってみてもらいたいものです。


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