Second Woman "Second Woman"

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Artist: Second Woman
Album: "Second Woman"
Label: Spectrum Spools
Year: 2016

Tracklist
01. 100407jd7 (4:07)
02. 200601je6 (6:01)
03. 300528mj1 (5:28)
04. 400425cc2 (4:25)
05. 500609sp3 (6:09)
06. 600249li9 (2:44)
07. 700358bc5 (3:58)
08. 800438ul8 (4:38)
09. 900438an4 (4:38)


telefon tel avivのジョシュア・ユースティスとBelongのターク・ディートリッヒによる新プロジェクトSecond Womanが、先日Spectrum Spoolsより発表したセルフタイトルのデビュー・アルバムは、リズムや音響・ノイズが自由自在に伸縮することにより、グルーヴが絶えず生成・崩壊を繰り返す、アブストラクトなビート・アルバムとなりました。

2009年にttvでの相棒チャールズ・クーパーが亡くなって以降、ジョシュアは自身のサイド・プロジェクトSons of MagdaleneやThe Black Queenで活動する他、Nine Inch Nailsや、Toolのメイナードのサイド・プロジェクトPusciferといったUSのオルタナティヴ・ロック・バンドに参加するなど、精力的に活動を続けてきました。
今回、彼が相棒に選んだのはフェネスや、ティム・ヘッカー以降のシューゲイザー/エレクトロニカな音を鳴らすユニットBelongのターク・ディートリッヒです。

アルバムは、作品全体を象徴するようなトラック'100407jd7'からスタートします。
ミニマルに繰り返されるパルス音が加速/減速を繰り返すこの曲を始めとして、本作の多くの楽曲(特に前半に顕著)では一定のBPMを感じることが困難です。
また、非常に多くの音がレイヤーされ、多層化していますが、それぞれのリズムの関係性もかなりギリギリ(という表現が合っているかどうか分かりませんが)な部分が散見でき、場合によってはリズムそのものが崩壊しているように聴こえる部分も散見できます。

しかしながら、そこにはやはり一定のグルーヴが存在しています。
その、分かりやすいサンプルとなるのは2曲目の'200601je6'です。

トンガッた電子ノイズのような打音から始まるこの楽曲は、様々なリズムトラックを組み合わせてビートを形成していますが、音の種類が雑多なためか、拍子があまりに細かすぎるためか、最初は物凄くフリーキーでアヴァンギャルドなビートに誤解してしまうことでしょう。
しかし、楽曲の途中で現れたり消えたりする、一定のパルスを生じるスネア/リムショットのような音が聴こえている間は、ビートがまとまりを見せ、一つの大きなグルーヴ/流れを形作っていることが理解できると思います。
そしてこのこと(一見するとカオスに見える楽曲が、その実一つの大きな流れを生成していること)は、この曲におけるスネア音のようなガイドラインの有無に関係なく、本作の全ての楽曲に言えることなのです。

そしてそこには、2人がそれぞれのユニットで以前から見せていたような、叙情的な和声推移を見せる音響が控えめに重ねられ、まるで往年のIDMのように複雑で、それでいてエモーショナルなテクノ・ミュージックとして成立しています。
ただ、以前のIDMに感じたような、ややもすれば頭でっかちな感覚はあまり覚えません。
音のテクスチュアによる印象のせいか、(構造的な部分は別にしても)サウンドから感じるイメージ自体は不思議とフロア向けなのです。

どことなくHIPHOPなどからの影響も感じるのですが、IDMな構造やフロア志向にも思えるサウンドと合わせて考えると、非常に近いのはautechreではないかと思いました。
それも、"LP5"でテクノ・ミュージックを一旦完成させ、"Confield"で次なる実験へ向かう前のautechreの姿が、本ユニットにはダブるような気がするのです。
個人的には、先述の2曲目の他、5曲目や7曲目にそんな空気を感じています。

正直なところ、autechreについては近作はイマイチのめり込めず、ついつい"Confield"以前の作品を聴いてしまいがちなのですが、このSecond Womanには、autechreが見せてくれるはずだったもう一つの可能性を期待したいと思います。


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