Radiohead "A Moon Shaped Pool"

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Artist: Radiohead
Album: "A Moon Shaped Pool"
Label: XL
Year: 2016

Tracklist
01. Burn the Witch (3:40)
02. Daydreaming (6:24)
03. Decks Dark (4:41)
04. Desert Island Disk (3:44)
05. Ful Stop (6:07)
06. Glass Eyes (2:52)
07. Identikit (4:26)
08. The Numbers (5:45)
09. Present Tense (5:06)
10. Tinker Tailor Soldier Sailor Rich Man Poor Man Beggar Man Thief (5:03)
11. True Love Waits (4:43)


正直な所を申しますと、私には今までRadioheadというバンドのやりたいことがよく分かりませんでした。
"OK Computer"や"Kid A"はそもそもリアルタイムではない(中学生くらいだったので、もしその頃に出会えていればまた色々違った印象を持ったのかもしれませんが)こともあって、飲み込むのに時間がかかりましたし、そういうこともあってリアルタイムで発表された"In Rainbows"や"The King of Limbs"は未だに聴いてなかったりします。
そんな、およそファンと呼ぶべくもない私ですが、今作のリードトラックである'Burn the Witch"を聴いて、今度こそはRadioheadをリアルタイムで聴いてみようかな、と思い今回の緊急リリースに乗っかることにしたのですが、私自身リスナーとして成長したためか、それとも今回の彼らがそういう志向であるからか分かりませんが、今作は非常に聴きやすいポップ・アルバムであったと思います。

アルバムを聴いてみて思うのは、どの曲にも印象的なフックが配されているということです。
先述の'Burn the Witch'しかり、続いて発表された'Daydreaming'しかり、一聴してすぐに口ずさめそうなほどシンプルなメロディに溢れています。
トム・ヨークは相変わらず語尾を引き伸ばすヴォーカリゼーションを見せていますが、メロデイのシンプルさのおかげか、私が今までに感じていただらだらとした抽象的な呟きのような印象が薄まっており、むしろ引き伸ばされる声のラインの中に、スピリチュアルとも言えそうなエモーションが息づいているのです。
こういったヴォーカリゼーションからはちょっぴりシャーマンっぽいというか、イギリス(トラッド)的な、自分の感情を歌うというよりはむしろ物語の語り部的な姿勢を感じます。

実際、10曲目などはタイトルをナーサリー・ライム(マザー・グース)由来のゲームなどからとってきているようですし、また4曲目などではまるでバート・ヤンシュ(The Pentangle)のようなブルーズ系トラッド・フォーク・ギターを聴くことができます。
本作には色々な要素が聴取できるように思いますが、そんな中の一つにUK的なトラッド・フォークからの影響が息づいているのは間違いないでしょう。

その他、'Burn the Witch'ではまるで昨今のインディー・クラシックにも通じるようなストリングスのミニマルな反復が、終盤に向けて狂気的に軋みながら舞い上がっていく様子が聴き取れますし、'Daydreaming'ではいかにも彼ららしいアンビエント×ポップな雰囲気が、'Ful Stop'などでは近作を聴いていない私からすると意外なほどにバンドらしいアンサンブルが聴き取れます。

また、2001年のライヴ・アルバムにのみ収録され、彼らの中でも屈指の歌詞とメロディを持つ人気曲'True Love Waits'がほぼピアノ弾き語りに近いシンプルなアレンジで、しかもアルバムの最後に収録されていることも注目に値します。
そもそも、他の曲でも以前からライヴなどで発表されたことのあるものがあるようですし、彼らが今作の制作にあたり、古くからあるメロディの印象的な楽曲を選び、今までの経験をフル動員してそれらの楽曲のメロディを最も活かせるアレンジメントを施した可能性は高いのではないかと思います。(だからこそ、トムの歌もいつもより良く聴こえる…とか 笑)
'True Love Waits'はその象徴として、今作のラストの相応しい楽曲であったと言えるでしょう。

Radioheadというとどうしても、ロックの前衛を突き進む、あるいはトリッキーな振る舞いでリスナーに新鮮な驚きを与えてくれるバンド、というイメージがついて回るように思いますが、今作はかなり正直にメロディと歌を押し出してきているのではないかと思いますし、そういう点で多くのリスナーに訴求する部分があるのは間違いないでしょう。
素直に、とても聴きやすくて美しい「良いポップ・アルバム」だと思います。


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