The Smiths "Hatful of Hollow"

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Artist: The Smiths
Album: "Hatful of Hollow"
Label: Rough Trade
Year: 1984

Tracklist
01. William, It Was Really Nothing (2:09)
02. What Difference Does It Make? (3:11)
03. These Things Take Time (2:32)
04. This Charming Man (2:42)
05. How Soon Is Now? (6:44)
06. Handsome Devil (2:47)
07. Hand in Glove (3:13)
08. Still Ill (3:32)
09. Heaven Knows I'm Miserable Now (3:33)
10. This Night Has Opened My Eyes (3:39)
11. You've Got Everything Now (4:18)
12. Accept Yourself (4:01)
13. Girl Afraid (2:48)
14. Back to the Old House (3:02)
15. Reel Around the Fountain (5:51)
16. Please, Please, Please Let Me Get What I Want (1:50)

ロックが取りこぼした最後の人物達。それがスミスの主たるテーマであることは間違いないでしょう。
モリッシーの性質からゲイや引きこもりなどがその「人物」として想定されることが多いような気がしますが、実際彼ら(特に初期の)が想定したのは「中途半端な人物達」であったのではないか、と最近は考えるようになりました。

芸術ぶって音楽を追求する優等生には能力的な問題からなれず、そしてただ勢いだけのバカにはプライドが邪魔してなれない。
ロックでは行き過ぎてブレイクスルーを起こした人物やバンドが評価される傾向にあります。つまり上記のようなまさに「中途半端な」人間はまったくもって評価を期待できないのです。

彼らはその中途半端さゆえに常に不満を抱えています。しかしすべてをかなぐり捨てて無頼の世界で生きるような真似ができるほどの勢いもないのです。常に日々を空虚に消費し、愚痴をこぼして生きていくのみ。そのくせ理想は高く、何かを成したい、と常に思っているような人間。彼らは往々にしてマフィアなどの「真の悪」よりも性質が悪く、知らずのうちに悪意を他人に向け、他人を蝕んでいきます。

モリッシーはまさにその典型だったと言えるでしょう。
初期のモリッシーは自身の表現のあり方についてなどまったく考えず、ただただ思っていたことを吐き出しているかのように思えます。そしてそれはあまりに救いも出口もないものです。
そしてモリッシーはその救いも出口もない状況を招いたのは自分と自身の中途半端さだと気づいています。だからそれを高らかに歌い上げるのですが、それは彼と同じような境遇のものにとって呪詛に他なりません。自身の不甲斐なさとそれをどうこうする気概のなさを再認識させられ、いっそうの絶望に叩き落されるわけですからたまったものではありません。

スミスは誰も救わなかったのです。
全方位に悪意を向けてすべてのものを蝕んだのです。
それはおそらくモリッシー自身も同じだったことでしょう。しかしその中心にあるほぼ「わがまま」と同義の「純粋さ」。それがジョニー・マーのギターフレーズと同一化することで暗澹たる美しさを作り出したのです。そういった意味ではスミスが真にスミスであったのは初期であり、「女王は死んだ」とまで言える強さを手にした後の彼らは何か別の「力を手にした存在」になってしまったのです。
シングル集ということでその初期の瞬間をこれ以上ないほどに美しく切り取ったこの編集盤こそが彼らの最高傑作だ、というのはあながち間違いではないような気がします。



Hatful of HollowHatful of Hollow
(1993/11/09)
Smiths

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