スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

tricot "KABUKU EP"

tricotkabuku.jpg


Artist: tricot
Album: "KABUKU EP"
Label: Bakuretsu Records
Year: 2016

Tracklist
01. Nichijo_Seikatsu (2:49)
02. 節約家 (4:30)
03. あーあ (4:01)
04. プラスチック (3:28)
05. 青い癖 (5:01)


京都出身のガールズ・ロック・ユニットtricotの新作は、オーディションをくぐり抜けた4人のドラマーと作り上げた5曲入りのEPとなりました。
前作"A N D"については、昨年の個人的なベストディスクにも選ばせていただきましたが、このバンド、とにかくこの2ndあたりから良い曲を書くようになりました。
1stに見られたリズム面でのチャレンジ精神が先行するような空気が全くなくなり、良いメロディ/ハーモニーを活かしていける、効果的なリズム・アプローチができるようになったのです。

このことについては、前作が5名の敏腕ドラマーを迎えて作られたものであった部分にも起因するでしょうし、また、本人たちが言うところによればGarageBandでの作曲にも挑戦していたそうなので、慣れないDTMソフトとの格闘の結果、メロディやハーモニーが丸裸(に近い状態)になったということだったのかもしれません。

そして、昨年12月に発表した新曲'ポーク・ジンジャー'ではそこからさらに一歩進み、元々のリズム志向な部分が成長したソングライティングに同居し始めたような雰囲気を強く宿していました。
間違いなく次回作がより充実したものになるだろう、という予想は難しいものではなかったと思いますが、まさかここまで良い作品を出してきてくれるとは正直思いもしませんでした。
わずか5曲でありながら1曲1曲の個性がしっかりと際立ち、楽曲の流れも素晴らしく、わずか19分強の長さでありながら聴き終わる頃には1枚の大作アルバムを聴き終えたかのような満足感を感じられる、前作に負けず劣らずの傑作と言っても過言ではありません。

アルバムは意外にもドラムレスの楽曲'Nichijo_Seikatsu'からスタートします。
この曲、4人のドラマーとの作業が充実したものであったことから、急遽追加で収録された楽曲のようなのですが、前半は完全に3人によるアカペラ、後半にギターとベースが入ってくるという構成という、tricot史上でもかなり風変わりな曲になったのではないかと思います。
後半のギター・ベースが加わってからの空気はもちろんですが、前半のアカペラ部分のコーラスアレンジが素晴らしく、静かで優しいメロディを併せてこれから続く4曲に大きな期待を抱かせる良い導入曲として機能しています。

2曲目'節約家'は先行でも公開されていましたが、とにかく今のtricotの良さが凝縮されたようなキラーチューンです。
リフ主体のまさにロックナンバーといった体ですが、相変わらずのソリッドな変拍子/リズムチェンジを交えながら最終コーラス部に向かってカタルシスを積み上げていく作風で、さらには中盤にはダブパートも挟み込むというなかなかに実験精神旺盛な楽曲となっています。

3曲目'あーあ'はベースとリムショット主体のドラムから始まる、これまた今までになかったような雰囲気の曲です。
こちらも中盤で大きく曲調が変化しますが、全体的にドラムのフレーズの変化とそれに対応する3人(特にベースのヒロミ・ヒロヒロ)の動きがとてつもなく格好良い、ライヴ映えしそうな曲ですね。
あと、ダブMIXしがいがありそうな曲でもあります(笑)

4曲目'プラスチック'が最もこれまでのイメージに近いのでしょうか。
キダ・モティフォの数学的な単音リフが中毒的なヴァース/ブリッジから、一気に爆発するコーラスと、お手本のようなtricotサウンドと言えると思います。

そして最終曲の'青い癖'は、"T H E"での'おやすみ'、"A N D"での'Break'といったトラックに並ぶ、名クロージングトラックに仕上がっています。
メリハリの効いた楽曲構成は、もしかするとこれまでのクロージングトラックの中でも最もエモーショナルかもしれません。
ラストは美しいエピローグを演出する、空間的なエフェクトを施したギターが印象的なアウトロにより、これ以上ないほどに見事に本作の幕を閉じています。

アルバム通して思うのですが、中嶋イッキュウは本当に良い歌詞を書くようになったし、また感情を歌詞に載せて歌うことができるようにもなりましたね。
本作でも全編通して『傾く』というタイトルにも通底する、何かを喪失することに起因する悲しみを堪えて、あえて強がるような部分が散見できる歌詞が多く、ちょっぴりムーンライダーズ的な男気(?)も感じたりして非常にエモいです。

EPでありながらまた今年のベスト上位にきそうな予感がビンビンする(笑)名作といえるでしょう。
いやーやっぱ私ロック大好きだわ!


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

vuoy

Author:vuoy
音楽好きです。
情報に間違いなどありましたらコメント欄で結構ですので気軽に連絡ください。
Last.fm
twitter

【注意事項】
まれに、当blogの記事をオークションの商品説明に引用またはURL貼付されているページを見ることがあります。
当blogの記事はあくまで個人の感想であり、ミュージシャン本人以外の利益に供する目的はありませんので、商用目的での無断引用/URL貼付はご遠慮願います。
どうしてもという場合には、twitterなどでご相談いただければ検討しますので何卒ご理解いただきますようよろしくお願いします。

アクセスカウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
vuoy's Profile Page
Twitter
検索フォーム
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
音楽
360位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋楽
70位
アクセスランキングを見る>>
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。