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Vijay Iyer & Wadada Leo Smith "A Cosmic Rhythm with Each Stroke"

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Artist: Vijay Iyer & Wadada Leo Smith
Album: "A Cosmic Rhythm with Each Stroke"
Label: ECM
Year: 2016

Tracklist
01. Passage (6:15)
02. All Becomes Alive (9:09)
03. The Empty Mind Receives (4:55)
04. Labyrinths (6:43)
05. A Divine Courage (9:12)
06. Uncut Emeralds (7:43)
07. A Cold Fire (5:55)
08. Notes on Water (7:58)
09. Marian Anderson (8:23)


ヴィジェイ・アイヤーのECM第三作目は、USのトランペッター ワダーダ・レオ・スミスとのデュオ作となりました。
私は今作で初めて出会いましたが、スミスは70年代初頭からジャズ・シーンで活動しており、アンソニー・ブラクストンやジョン・ゾーンなどとも共作を残しています。
共演した面子からも分かるように、演奏スタイルとしてはフリー寄りのトランペッターです。

今作は、アイヤーとスミスそれぞれが作曲した2曲を最初と最後に、そしてアルバムタイトルでもある'A Cosmic Rhythm with Each Stroke'(02~08)という組曲を間に挟み込んだ構成となっています。

冒頭の'Passage'はアイヤーらしからぬ(?)メランコリアに満ちたコンパクトなバラードです。
アイヤーの現代音楽的な無調と、無国籍(ちょっと邦楽っぽい?)で神秘的な和声とを用いたピアノに、スミスのトランペットが黄昏れるように寄り添う小品で、PitchforkではBest New Trackに選出されたりもしました。

そして、それに続く長大な組曲は、インドの芸術家であるナスリーン・モハメディに捧げられたもので、アイヤーは本作のライナーノーツにおいて、"A Cosmic Rhythm with Each Stroke"(『ストローク一つ一つに宿る宇宙的リズム』?)というタイトルと、各副題の元となったセンテンスとして、彼女の日記を引用しています。

Study the EYE
SPACE
Observe some objects in Different light
A cosmic rhythm with
Each stroke
Sound and vibrations (study)
Movement and emptiness

(diary entry, 1969)


抽象的なためいまいち理解できませんが(汗)、アイヤーによればこの文の中に彼女の創作過程/方法論がよく現れているとのことです。
おそらく、目や耳を用いて描く対象を様々な角度から観察しながら創作するということだろうと思われます。

この言葉を受けて(おそらくは即興で)演奏される'A Cosmic Rhythm with Each Stroke'は叙情と狂乱との間を、そして規則正しいリズムとアブストラクトなカオスの間を行き来しながら進んでいきます。
アイヤーはピアノだけでなくフェンダー・ローズやエレクトロニクスを用い、低音で周期的なパルスを発生させたり、あるいは残響音で空間を満たしながらスミスのソロパフォーマンスの土台を作り上げていきます。
対するスミスは鋭く、哀愁ただよう単音を時にひねくり回し、時に朗々と引き伸ばしながらアイヤーの創る土台の上をまるで踊るように駆けていきます。
全体的にかなり抽象的な雰囲気のする楽曲ですが、二人がかなり蜜に対話するような演奏を繰り広げることで、根底に礼儀正しさや敬意、あるいは優しさといったようなものを感じ取ることができる、密度の高いものに仕上がっています。

そしてクロージングトラックの'Marian Anderson'は、おそらく米国の同名歌手に捧げられたものでしょう。
こちらはアイヤーとスミスがアブストラクトなフレーズをコール&レスポンス的に掛け合うかのような演奏です。
先の組曲における対話的インタープレイに対する、鮮やかで幻惑的な結語/エピローグといえそうな雰囲気で、見事にアルバムの幕を閉じています。

全体的にはアイヤーが、自身の英雄/友人/師であるスミスのサポートに徹している印象の強い作品です。
ECMのアイヤーに対する狙いとしては、2014年の"Mutations"でコンポーザーとしての側面に、2015年の"Break Stuff"でバンドリーダーとしての側面に、そして今作でサポートプレイヤーとしての側面にフォーカスを当てたかったのかな、などと想像しました。

3作の契約らしいので、アイヤーのこれからの動向が気になるところですが、久々に古巣ACTに戻って2012年の"Accelerando"みたいなソリッドな作品を作ってみてほしい、というのが個人的な希望です(笑)


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