Paul Jebanasam "Continuum"

continuumpj.jpg


Artist: Paul Jebanasam
Album: "Continuum"
Label: Subtext Recordings
Year: 2016

Tracklist
01. depart as | air dx stop ∂ρ/∂ /dt somewhere = +∇∙(ρ sigma*(y waiting ­x) v)=0∂ρ/dy/dt for = you x dim (15:14)
02. eidolons beginning p = (m2Abeta* do not z countless2 am to (rho­z)­y ∂t+(ρ see to wait dz/dt = it xy that I ­ (10:05)
03. search another 3Hφ ̇ = lose you i), place i=0 doubt I V (φ) am ∝ exp( √ 16πmeet you again pm2P φ (16:09)


スリランカ出身の電子音楽家ポール・ジェバナサムの新作が、自身も主宰者の一人に名を連ねるSubtext Recordingsより今月頭にリリースされました。
かつては相棒のロリー・ポーターと共にダブステップなどのプロデューサーとして活動していたようですが、現在は主にノイズやドローン、そして(ポスト・)クラシカルな要素を複合した作風で、エクスペリメンタル系のミュージシャンとして認識されているようですね。

レーベルの解説によれば本作は、「現在宇宙に存在する生命・力・エネルギーを探求するためにサウンドを展開していく明確なヴィジョン」であり、「宇宙における不可知の曲折を通じ、有機生命の根源的な現出(誕生?)から[今まで]伸びている時間軸に対する思索的なサウンドトラック」であり、そして「科学が範囲内とできるものの広大さと、広大な進化の体系の中で人類が果たしてきた/果たすべき不安定な役割とを探求する」ものであるという大変に難解なものなのですが、私なりの理解で乱暴に言ってしまえば「宇宙に存在する生命(・力・エネルギー)の進化や発展そのもの、あるいはそれが現在までに描いてきた過程の広さと深さ=素晴らしさ」みたいなものを表現したいのではないかと思います。
(楽曲のタイトルについては数式の意味が分からないのでパスで…)

聴き始める前からあまりの難解さに頭がクラクラしそうですが(笑)、中身の方はそのような難解さはなく、むしろ聴き手の耳/心を強力に掴んで離さない魅力を持った、懐の深い作品であると思います。

本作の音楽的な構造は至ってシンプルです。
楽曲は主に、(1)通奏低音として鳴らされるドローン/音響と、(2)電子ノイズ、そして(3)ビートという3つの要素で構成されています。
基本的にはその3つの要素を巧みに前景化/後景化させること(=パワープレイ)で成り立っているのが本作なのです。

(1)は楽曲ごとに様々な音色が用意されています。1曲目ではパイプオルガン、2曲目ではストリングス、3曲目では神聖なコーラスを模したと思われるものですが、全てにおいて美しい、あまりにエモーショナルな音程の推移を見せており、本作の美的な部分を底支えしています。

そして(2)は非常にキレのある鋭いものばかりであるうえ、まるで生き物のように燻り、うねり、咆哮を上げ、あるいは引きつるという有機的な所作を見せていますし、(3)は打音としての確かな衝撃を持ちながら加速と減速を繰り返し(特に3曲目冒頭に顕著)ていきます。
どちらにしてもかなり力強い、ダイナミックなもので、本作の目的である生命や、それが宇宙で今に至るまで発展してきた過程の神秘を如実に物語っています。

感覚的には(1)は神や創造主など(本当にいるかはさておき)が持つメタ的な視座から受ける雄大な印象を、(2)や(3)では個々の出来事が持つミクロな動きなどを表現したいのではないかと感じます。

というか、もう有り体に言ってしまえばBBC Earthとかでめっちゃ使われてそうな音楽です。(言っちゃった)
とても雄大なスケール感を持った、美しく、(決してアッパーではありませんが)ポジティヴな作品だと思います。

ノイズと美しい音響、ビートの対比という点ではベン・フロストの2014年の名作"AURORA"などを思い出しますね。
あとはフェネスなどが好きな方にもオススメできますので、その手の音楽が好きな方は是非聴いてみてください。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

vuoy

Author:vuoy
音楽好きです。
情報に間違いなどありましたらコメント欄で結構ですので気軽に連絡ください。
Last.fm
twitter

【注意事項】
まれに、当blogの記事をオークションの商品説明に引用またはURL貼付されているページを見ることがあります。
当blogの記事はあくまで個人の感想であり、ミュージシャン本人以外の利益に供する目的はありませんので、商用目的での無断引用/URL貼付はご遠慮願います。
どうしてもという場合には、twitterなどでご相談いただければ検討しますので何卒ご理解いただきますようよろしくお願いします。

アクセスカウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
vuoy's Profile Page
Twitter
検索フォーム
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
音楽
341位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋楽
67位
アクセスランキングを見る>>
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR