The MOST 10 Discs (& Few Incidents) of 2015

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さて、2015年のベスト関係も今回でお終い、ということで旧譜ベストです。
あと、昨年心に残った音楽関係の出来事を数点ご紹介させていただきます。

旧譜ベストについては年内のどこかのタイミングでよく聴いたor強烈に心に残ったものを選出しています。
選盤の性質上順位付けが難しいので順不同です。便宜上番号は振りますが、順位ではありませんのであしからず。
なお、旧譜ベストということで()内には発表年を記しております。

01. Moritz von Oswald Trio "Live in New York"(2010)
02. Ricardo Villalobos "Thé Au Harem D'Archimede"(2004)
03. Zazen Boys "すとーりーず"(2012)
04. ペトロールズ "capture 419"(2012)
05. The Roots "Things Fall Apart"(1999)
06. Jason Moran "Soundtarck to Human Motion"(1999)
07. Paul Motian "Lost in a Dream"(2010)
08. The Pretty Things "S.F. Sorrow"(1968)
09. The Hollies "Butterfly"(1967)
10. David Bowie "Diamond Dogs"(1974)


こうやって並べてみると、昨年の大まかなリスニング傾向がつかめるようで面白いです。

01及び02はミニマルダブ関連という括りでしょうか。
MvOTの新作がかなり良かったもので、まだ手に入れていなかった過去作を一通りコンプリートしました。
特に良かったのは、2010年に発表したライヴ・アルバムです。アナログのみで発表(とはいえ、ボーナスディスクとしてCDがついてたので実質的にはCDでも手に入りますが)ということで、初期から話題だったこのトリオの作品としてはイマイチ知名度が低い印象ですが、ライヴということもあり、電子音やリズム、そしてダブ処理などをインタープレイ的に行うことを目的としたグループの魅力が最も端的に現れているのではないかと感じました。ライヴ行ってみたいなー!
また、新作のミキシングを担当したリカルド・ヴィラロボスについては、今まで聴く機会に恵まれませんでしたが、たまたま友人の結婚式で久々に訪れた広島にて名作と名高い2ndを発見。確保しました。Basic Channelや、エルネストゥス/オズワルドの以後の活動とは違う、南米的な(?)呪術性が反映された作風は中々に興味深く、刺激的でありました。

03及び04は邦楽ロック関係です。
tricot、アーバンギャルド、フレデリックと近年の邦楽ロック勢の良さに2014年後半くらいから胸打たれてまして、春~初夏頃にかけて改めて邦楽ロックを聴き直したり掘り直したりしました。
中でもグッと来たのは向井秀徳率いるZazen Boys目下の新作"すとーりーず"と、椎名林檎率いる東京事変にてギタリストを務めた長岡亮介率いるペトロールズのライヴ・(コンセプト・)アルバム"capture 419"でした。
どちらもグルーヴ/アンサンブルに主眼を置いた内容で、演奏の楽しさが聴いているだけでも伝わってくるような好盤です。特に、ザゼンは今回改めて再発見しまして、個人的に彼らのディスコの中で最も好きな3rdアルバムをレビューしたりもしましたので、ぜひご覧いただければと思います。

ちょっと一枚だけ特殊なのは05のThe Roots。
twitterでフォローしている方が聴いていらっしゃった呟きを見て、なんの気なしに聴き返したのですが、改めて聴いてみると思うところもあったりして再レビューさせていただきました。
ソウルクエリアンズの、HIPHOP~ソウル~R&Bの垣根を取っ払うような活動という部分だけでなく、コンセプチュアル・アートとしてのトータルな作品作りがなされている、という点が今回引っかかりました。2010年以降ぐらいの作品も聴けてないので、また改めてアプローチしていきたいと思います。

06及び07はジャズ(というかジェイソン・モラン)関係。
2015年はモランのディスコグラフィを漸くコンプリートでき、彼の活動を(リーダー作に限っては)概観することができるようになりました。
偏愛盤はやはり"Black Stars"なのですが、今回はパーマネントリオであるThe Bandowagon結成前の1stが耳に残ったように思います。グレッグ・オズビー(Sax)やステフォン・ハリス(Vib)などのM-BASE人脈の力を借りつつ新時代のピアニストとしての第一歩を踏み出した記念すべき作品で、聴き応え抜群です。年内にしたかったのですができませんでしたので、2016年中には必ずレビューしたいですね。
なお、モランの参加作品も色々と聴いてみました。オズビーの"Banned in New York"やハリスの"Black Action Park"、そしてモランとその2人にマーク・シム(Sax)を加えたカルテット+後にモランとThe Bandwagonを結成するタラス・マティーン(Ba)及びナシート・ウェイツ(Dr)という6名によるBlue Note名曲の再演アルバムなど様々な盤に手を出しましたが、やはり最も心に残ったのはレビューもしたモチアンの2010年作。モチアンのアブストラクトな楽曲に馴染む、美しい無調(風?)フレーズに彼のリリシズムがはっきりと見て取れる名演だと思います。

そして08~10はブリティッシュ・ロック関係。
来日もあり、秋口にクリムゾン諸作を聴き直していたのですが、その関係からか、晩秋に久々にボウイにハマりまして、今回は74年のグラム・ロック期最終作"Diamond Dogs"の良さを改めて再発見しました。
退廃的/近未来SFチックな世界観の極地といいますか、ジギーは葬り去られた後ですが、この時点までのボウイの到達点として、あるいはここから以降のソウル路線の萌芽が見られる作品として、中々の重要作だったんですね、これ。'1984'ばっかり偏愛してましたが、楽曲の流れも一度体に染み付いたら癖になりました。
そして、そこからさらにさかのぼって初冬頃には60年代後半UKのサイケポップに久々に大ハマリ。
中でも特に良かったのはThe Pretty Thingsの名作ロックオペラである08です。
この時期のUKビートポップの美味しいところてんこ盛りでありながら、ディスク1枚にさらりと収まってるのって、実は物凄いことじゃないかと思うのです。
また、有名所で聴けてないバンドを、ということで手を出したThe Holliesも良かったですね。特に67年の"Butterfly"はカラフルなポップさが全編わたって楽しめる好盤でした。('Step Inside'の邦題『とびだせ初恋』は苦笑しかなかったですが 笑)

以上、長々と書きましたが旧譜ベストです。
続いて、昨年の想い出に残る出来事はというと…

○ drawing4-5のリーダーmcatm様に(個人ブログでありながら)インタビューPart1, Part2
○ King Crimsonの12年振りの来日公演を観覧レポート

あたりがまず何よりも私の人生の中でもずっと印象に残るであろう出来事でした。
drawing4-5について言えば、2015年の"chimera, not dead"が本当に名作でして、さり気なく昨年一年間の再生数は新譜ベスト1位のtricotについで2位だったりするのです。(Last.fm調べ)
そのアルバムについて、製作者本人様に、一リスナーという身でありながら思うこと、知りたいことを色々聴くことができたというのは非常に幸せで、有り難いことだったと思います。
mcatm様にも多大なご協力をいただき、当blogの中で最も熱量のこもった記事なったと自負しております。
まだ"chimera, not dead"を聴いていない方は是非聴いて、そして是非インタビュー記事の方もご覧いただければ、と思います。

次に外せないのはやはりクリムゾン。
とにかく良かった!素晴らしかった!
行く前は色々心配していましたが、実際見てみるとやはり圧倒されました。
ロック界一のアヴァンギャルドで挑戦的な伝説のバンドをこの目で見れただけでも幸甚です。
こちらも詳しくはレポート記事を御覧ください。

また、今年頭のブーレーズ、ボウイの印象があまりに強すぎる最中ではありますが、昨年も多くの音楽関係者の訃報があったことも改めて記憶しておかなくてはならないかと思います。

Gongのリーダーにして永遠のサイケデリック・アイコンであるデヴィッド・アレン、フリー・ジャズの旗手オーネット・コールマン、マイルスとの共演経験もある日本人ジャズピアニスト菊地雅章、そして、夫フランク・ザッパ亡き後彼の膨大な録音物の整理・販売を管理した妻ゲイル・ザッパと、私がパッと思いつくだけでも4名、もちろん他にも枚挙に暇がないほどの方が亡くなっております。(敬称略)
彼らの残した音楽遺産を後世に伝えていく事こそ、我々リスナーの何よりの仕事であることを最近ひどく痛感しております。
改めて、ご冥福をお祈りするとともに、一リスナーとして、甚だ微力ではありますが、音楽の発展に寄与できれば、と思っております。
ただの個人ブログでしかない当ブログですが、今年もどうかよろしくお願いいたします。
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