Zazen Boys "Zazen Boys Ⅲ"

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Artist: Zazen Boys
Album: "Zazen Boys Ⅲ"
Label: MATSURI STUDIO
Year: 2006

Tracklist
01. SUGAR MAN (2:47)
02. Take Off (5:20)
03. Friday Night (4:54)
04. TOMBO GAME (3:41)
05. Pink Heart (1:52)
06. RIFF MAN (4:15)
07. This Is NORANEKO (3:28)
08. METAL FICTION (3:53)
09. Don't Beat (3:47)
10. Lemon Heart (3:56)
11. Water Front (5:46)
12. Good Taste (4:39)


「夜」を感じさせてくれる作品が好きです。
中でも特に深夜1時~3時くらいの心地よい孤独感を感じさせてくれる作品が。

思い返してみれば、こういう「夜中の空気」みたいなものってゼロ年代におけるある種のモードだったような気がするんですよね。。
根拠などは特にありませんが、80年代~90年代(というか要はゼロ年代以前)の音楽に感じられる社会=他人の存在がすっぽり抜け落ちているような、そんな感覚が好まれ、求められたように思えます。

もしかすると、90年代後半から徐々にオーヴァーグラウンドに表出してきたポスト・ロックやエレクトロニカなど(の一部)における、音楽から演奏≒肉体性みたいなものが排除される傾向とリンクして、こういった志向が出てきたのかと推測してみますが、まぁ、私自身この年代に自分の高校~浪人~大学~大学院時代がほぼすっぽり収まりますので、そういう多感な時期のアンテナに引っかかったというだけなのかもしれません。

まさに「90年代的激情系」の最後の砦であったNumber Girlの解散後、フロントマンの向井秀徳が結成したロックバンドZazen Boysが、その凄まじい演奏の裏に忍ばせていたのはまさにそういった「ゼロ年代」的な孤独感だったように思います。
そして、私自身最近ようやく4th"Zazen Boys 4"と5th"すとーりーず"を聴きましたが、やはり今回紹介する3rd"Zazen Boys Ⅲ"が個人的に彼らの中でベストの位置に居座り続けているのも、そういったところに理由があるのかもしれません。

今作では、向井にとってNG時代からの相棒であったドラムスのアヒト・イナザワが脱退し、代わりとしてズボンズBuffalo Daughterへの参加でも知られる松下敦(通称「柔道二段」)が加入しています。
松下のドラミングは非常にタイトでソリッドです。発表当時は「無機質」などといった批判も聞かれましたが、要は無駄なフィルインを極限までそぎ落とし、一打のダイナミズムをより強く押し出したドラミングと言うことができるかと思います。
アヒトの爆裂ドラミングも確かに凄まじいものがありましたが、コレ以降のザゼンにおいて強くなるジャムセッション的な空気は間違いなく松下の参加により可能になったものでしょう。

そして、松下の参加がジャムセッション的楽曲の構築と同時に可能にしたのが、向井がザゼン結成以降微かに匂わせていた「孤独感」を表現することでもあったのではないでしょうか。

今作では、前2作に比べるとシンセサイザーが多様されています。
シンセサイザーについて言えば、コレ以降の作品ではかなり重用される傾向にあるのはファンならご存知のところかと思います。
松下のドラミングにおける隙間にシンセサイザーの音響があてがわれることにより、楽曲が、そしてアルバムがアーバン感(?)を帯びてきているように思うのです。

それと同時に、今作はベーシスト 日向秀和(通称「町田のヤンキー」)が参加した状態での最終作であります。
今作で松下がもたらしたジャムセッション的な空気について言えば、次作以降参加する吉田一郎の方が彼よりも向いている/合っている様に思います。日向のベースラインは彼に比べるとどこかセンチメンタルというか、ついつい「歌ってしまっている」ように感じます。(そういう役目を担わされてもいたのでしょうが)
日向の存在(というかスタイル)が微妙にストッパーとなったことが、今作が完全に「ジャムセッション」志向の作品には成り得なかった大きな原因なのではないかと思うのです。

今作は、松下の参加と日向の残留により、向井の志向の内、次作以降強くなる「セッション的な楽曲の構築」よりも「アーバンな孤独感の表現」に微妙に重心がシフトしている、まさに過渡期的な作品であるといえるのでしょう。
ですが、そうであるがゆえにこの作品がザゼンのディスコグラフィの中で唯一無二の存在感を放っているのもまた、事実なのです。


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