Ryuichi Sakamoto / iLLuHa / Taylor Deupree "Perpetual"

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Artist: Ryuichi Sakamoto / iLLuHa / Taylor Deupree
Album: "Perpetual"
Label: 12K
Year: 2015

Tracklist
01. Movement, 1 (17:24)
02. Movement, 2 (19:28)
03. Movement, 3 (12:51)


坂本龍一、iLLuHa、テイラー・デュプリーという3組4者により、2013年7月末に山口情報芸術センターの設立10週年記念イベントで行われたライブ演奏を収めた作品が、デュプリーが主宰するエクスペリメンタル・ミュージックのレーベル12Kより発表されました。
ジャケットも山口情報芸術センターの外観から着想を得たものになっていますね。

ちょうどこの演奏の前には、坂本とデュプリーの初の共作である"Disappearance"が発表されていました。
そこにiLLuHaが加わった形になるのですが、どうしてなかなか、この面子を見れば(想像以上に)想像できる通りの作品になったように思います。

クレジットを見るとそれぞれの担当は坂本がピアノ/プリペアド・ピアノ/パーカッション、コリィ・フラーがギター/ピアネット(Hohner社製の電子ピアノ)/エレクトロニクス、伊達伯欣がパンプ・オルガン/エレクトロニクス/ノイズ(フィーレコとかかな?)、そしてデュプリーがモジュラー・シンセということで、演奏そのものは即興で行われたようです。

アルバム通して1つの楽曲という扱いで、一応3つの楽章という扱いになっています。
モジュラーシンセやエレクトロニクスによると思われる暖かな低音パルスがほぼ全楽章通して楽曲を牽引し、ピアノやギター、パーカッション、フィールドレコーディング、ドローンなどの様々な音が入れ替わり立ち替わり現れては消えていくというような具合ですね。
即興といえば、ちょうどiLLuHaが昨年発表した"Akari"が思い浮かびますが、音の濃淡そのもので見せる部分が共通してはいるものの、"Akari"のモノトーンな質感とは裏腹にこちらは色彩豊かです。

ゆったりと変化していく/加えられていく音は、時間の経過とともにその表情を変え続けます。
張り詰めたような緊張感を見せる瞬間もあれば、音に包み込まれるように安心できる瞬間もありますし、冬のような冷たさも、春のような暖かさもあります。
そのような「変化」を聴取するにつけ、この作品は楽曲というよりはインスタレーション的な側面の強いものであることが分かりますし、まるでその「変化」を固唾を呑んで見守る観客たちの姿が、演奏の向こうにある静寂の中に見えてくるような錯覚さえ覚えます。(実際、坂本はこの10周年記念イベントに『フォレスト・シンフォニー』というインスタレーション作品を提供していたみたいですし)

この手のジャンルとしては珍しく(?)ライヴの空気感/臨場感が巧みにパッケージングされた作品だと思います。
今作のタイトルが「perpetual」(永続する/永久の)とされた理由は別のところにあるようですが、案外、これを作品化することでこの日のこの空間は永久になったのかな~、なんてちょっとセンチなことを考えさせられました(笑)
非常に12Kらしい質感を持った作品でもありますので、12Kフォロワーは是非に聴いてみてください。






PerpetualPerpetual
(2015/01/20)
Ryuichi Sakamoto、Taylor Deupree 他

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No title

vuoy様 おはようございます。

こちらでiLLuHa の「Akari」を紹介してもらって以来、
あのアルバムはお気に入りになっていたのですが
こちらもおいしい組み合わせですね。
(テイラー・デュプリーという方は知りませんでしたが)

おっしゃる通り、実況録音盤に近い感じですね。
イーノのアンビエント作に近いニュアンスでありながら
ライヴの模様を更に俯瞰して観察しているような雰囲気が新鮮です。

お酒を飲んだ翌朝(今)、ピリッと爽やかな気分にさせてくれて気持ちいい。

これも買ってみようと思います!

Re: No title

>> GAOHEWGII さん

お久しぶりです。

>>ライヴの模様を更に俯瞰して観察しているような雰囲気が新鮮です。
まさにそうなんですよね。高品質のDSDレコーディングで録音されたようですが、
それが功を奏しているのかもしれません。
もちろん、エディットもしていないようなので、当日の演奏がそのまま提示されているわけですし、
そういった部分もこの作品が持つ臨場感に多大に寄与しているのだと思います。
地味に「アンビエントのライヴ盤」ってことで新しいんではないかと(笑)

ちなみに、本文中でも触れましたが、テイラー・デュプリーはこの作品をディストリビュートした
12Kというレコードレーベルのオーナーです。
本人自身は音楽だけでなく写真などの分野でも活動しており、マルチメディア・アーティストといったほうが
良いのかもしれません。
先日福岡で写真の方の個展(?)も開催されてたみたいですよ。行きたかった…

12K自体はCDやジャケットのデザイン、ディストリビュートするミュージシャンの傾向も含め、
非常に一貫した美学を感じるレーベルですので、「1つ良ければみんな良い」となる可能性も
あります。
DLで過去作が配信されてますので、気になればぜひ聴いてみてください。
http://www.12k.com/

こんばんは、お邪魔いたします。
アンビエントな音楽に最近興味を持つようになりました。この作品はぜひ聞いてみたいですね。

Re: タイトルなし

>> jamken さん

お久しぶりです。
アンビエントは音そのものだけでなく、ジャンルとしてもかなり抽象的なところが多いとは思うのですが、
その分好みの作品(や、レーベル)と出会えた時の喜びもひとしおです。

これが気に入るようでしたら、きっと12Kの他の作品も気に入ると思いますので、ぜひ!
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