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drawing4-5 "chimera, not dead"

chimera.jpg


Artist: drawing4-5
Album: "chimera, not dead"
Label: malformed tree
Year: 2014

Tracklist
01. 誕生 - the Birth (2:37)
02. 或る出来事 - an Incident (3:36)
03. 三千回の終末 - Apocalypse 3000 (2:13)
04. はまむぎ - le Chiendent (2:33)
05. そこの処女、夜はもう遅い - Little girl, too late tonight (1:24)
06. いばら - Thorn (4:35)
07. 長引いた分断 - Cracks and Margins (0:22)
08. 好事家 - a Dilettante (3:26)
09. 認識の世界 - the World of understanding (1:00)
10. 迷宮 - the Labyrinth (3:26)
11. 放置された簡単な問い - the Left easy question (1:21)
12. 打擲の果ての果て - the Last of the last beating (0:24)
13. 虚空に右足を - Right leg in the emptiness (2:56)
14. その一言の白昼 - Daydream of a phrase (2:30)
15. 情景 - a Scape (1:51)
16. 溶けた肉のメロディ - the Melody for the melted meat (0:37)
17. 実りある暮らし、朽ちた心 - the Productive living, rotten mind (4:45)
18. 波 - a Wave (1:30)
19. 諍いの放物線 - Parabola of a quarrel (2:50)
20. ハレルヤ!ハレルヤ!- Hallelujah! hallelujah! (2:14)
21. 足が生えた - Do you believe that my legs come up? (0:42)
22. 最期のあいさつ - Last farewell (5:46)
23. 死、あるいは再生 - Death, or the replay (2:09)


「まるで走馬灯のような作品だ」というのが、一聴してみての感想でした。
好事家達が待ちに待った(それこそ先日レビューしたディアンジェロと同等のレベルで)drawing4-5の3rdアルバム"chimera, not dead"(『キメラ、死人ではなく』)がついにリリースされたのです。

d4-5は、今までコラージュという手法を最大限利用することでその音楽を構築してきました。
爪弾かれるギター、歌声、その他の演奏やドローン、話し声、様々な具体音などをとりとめもなく上塗りすることは、本来であれば楽曲の核となるメロディをぼかし、損なってしまう可能性を強く孕みます。
しかし彼らは奇跡的に(あるいは狙って?)、そういった雑音群が、メロディやハーモニー、リズムの持つダイナミズムを補強しうるということを2005年の1st"A Long Way to ROMA Built in a Day"で証明しました。

続く"Always, The Word Come in Suddenly"と"22222"という2010年に発表された2枚の2ndアルバムでは、演奏面及び編集面双方での即興性/アクシデント性を強め、よりラフで生々しい形の音を残しました。
サウンドの質感そのものは粗く、アヴァンギャルド性を増していたように思いますが、そんな中でも'棄てられた物語'などに代表されるような、作為性のない美しさ(=純粋さ)を持つメロディが存在しておりましたし、先に述べたアクシデント性を強めた楽曲/演奏/編集によりそれはより一層輝きを増していたように思います。
サウンドはローファイでも、美的な要素は実にハイファイだった、なんて言えるかもしれません。

さて、それからさらに4年の年月をかけて発表された今作は、それらの経験を活かした作品となったように思います。
驚くべきは演奏/エディットの一つ一つに明確な意思を感じるというか、適切な音が適切な位置に配置されていることだと思います。重ねられる音の多さから、一聴すると相変わらずの混沌としたサウンドに聴こえるのですが、感覚的にはごちゃごちゃした印象はなく、むしろスッキリ整理された音に聴こえるのですから不思議です。

とはいえ、重ねられている音は以前と比べ物にならないほど多いです。クレジットやmcatm氏の発言を拝見する限りでは、結成当初(1999年)以降の様々な演奏を素材として使っているようなので、アルバムの参加人数自体は20人を超えています。
それらの様々な音が、明確な方向性を持って重ねあわせられることで、演奏はまるでオーケストラのような厚みを持ち、非常に力強くなっています。
様々な音は主たるメロディの周囲で現れては消えていきますが、それがとても群像劇的なうえ、そういった「適切な配置」のおかげでそれぞれの素材自体にも関係性が錯覚されるような印象があります。「走馬灯的」という印象はそのせいかもしれません。
そして更に驚くことに、そういった意思=作為性を感じさせるサウンドにも関わらず、2ndで提示された「作為性のない美しさ」は全く損なわれることなく、上述の「コラージュ・オーケストラ」とでもいうべきサウンドにより補強され、よりスピリチュアル/ソウルフルなものになっているのです。

2曲目'或る出来事'やシングルでも発表された'いばら'、'好事家'などを聴けば分かると思いますが、幾重にも重ねられた音は楽曲を強烈にドライヴさせながらもメロディの持つ純粋さを強調しています。
本作は、1stや2nd2作で得られたものが結実した作品であることは間違いなく、そして現時点でのdrawing4-5の集大成的な大作でもあります。何年か前から製作状況を追っかけていましたが、長い間待った甲斐が十分にありすぎるほどの名作です。ぜひ皆様お聴きください。



↑EPヴァージョン。アルバムではよりエモーショナルなアレンジが加えられています。



chimera, not deadchimera, not dead
(2014/12/24)
drawing4-5

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