Thomas Ankersmit "Figueroa Terrace"

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Artist: Thomas Ankersmit
Album: "Figueroa Terrace"
Label: Touch
Year: 2014

Tracklist
01. Figueroa Terrace (36:55)


ベルリン/アムステルダムを拠点として活動するサウンド・アーティスト トーマス・アンカーシュミットがTouchより今年の4月に発表した作品。
以前よりジム・オルークやフィル・ニブロック、ケヴィン・ドラムなどとのコラボレーションなどで注目を集めていたミュージシャンのようです。
彼は2006年頃から自身のメイン楽器としてサージ・アナログ・モジュラー・シンセサイザーを使用しており、今作もそれのみを用いて録音されました。(過去にはサックスも演奏していた模様)

ほとばしるようにハードコアな電子ノイズや、繊細にゆらめくサイン波、深く沈み込むような低音ドローン、ビープ音のような雑音などが入れ替わり立ち替わり、時には重ねられながら展開していきますが、そのいずれもが非常に透き通った響きを持っています。
また、パワープレイ(音の押し引き)が非常に巧みなため、37分近くという長大な楽曲でありながらも音は常に緊張感を失わず、だらけたところは全く見られません。

デジタル機器を一切使用せず、サージシステムを前にひたすらコードを繋ぎ、ツマミを回すことで発生した音は、2011年の12月~2012年の2月にかけて録音されたらしく、ある程度のコンポジション(まさに音の「配置」という意味で)がなされているであろうことは想像されますが、驚くほどに即興性の強いものに仕上がっているように思います。

個人的には、その即興性に、フリーインプロの大御所サックス奏者エヴァン・パーカーの演奏に似たような印象を持ちました。
循環呼吸法により音を伸ばしながら、タンギングなどで(?)抑揚をつけて音そのものをもグルグルと回転/循環させるようなパーカーの演奏と、アンカーシュミットの緊張感漲る演奏との間に共通するものを感じることができるのではないでしょうか。(循環、という点ではジム・オルークの初期作品などとも通じるかも)

彼の他の作品を聴いたことはないので推測というにもお粗末ではありますが、彼のサックス奏者でもあったという経歴は、もしかするとどこかでパーカーとリンクする部分があるのではないか、と思います。
音の端々から感じられる強い即興性は、そこに起因しているのかもしれません。

また、「電子ノイズ」や「即興」という言葉から想起されるハードコアな印象とは裏腹に、作品全体としては非常にTouchらしい静謐さと不穏な空気が同居した雰囲気も持ち合わせています。
近頃モジュラーシンセを用いた即興演奏をするミュージシャンは多くいるそうですが、そういった様々な演奏を、様々なレーベルがそのカラーにそって発表していってくれることを期待したくなる、モジュラーシンセの面白さというものを端的に提示してくれる作品であると思います。






Figueroa TerraceFigueroa Terrace
(2014/05/13)
Thomas Ankersmit

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