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Ben Frost "AURORA"

ben_frost_aurora.jpg


Artist: Ben Frost
Album: "AURORA"
Label: Mute/Bedroom Community
Year: 2014

Tracklist
01. Flex (2:51)
02. Nolan (6:58)
03. The Teeth behind Kisses (3:13)
04. Secant (4:55)
05. Diphenyl Oxalate (1:31)
06. Venter (6:45)
07. No Sorrowing (4:27)
08. Sola Fide (6:27)
09. A Single Point of Blinding Light (3:18)


00年代中盤にダブ・ステップが流行してからというもの、「ダブ」は今日のポップ・ミュージック界における一大キーワードとして注目され、ミュージシャンたちはそこから生まれる残響を元に様々な風景を描きました。
そして、それから10年近くが経とうとする今年になり、そのダブの生み出す音響への欲求が行き着くところまで行き着いてしまったかのような衝撃作が発表されました。
オーストラリア生まれ、現在は北欧(アイスランド)を拠点に活動しているプロデューサー ベン・フロストによる新作"AURORA"こそがまさにそれです。

そもそも、ダブ・ステップ以降の音の流れとして昨年あたりから注目されていた「ポスト・インダストリアル」というサブジャンルがあります。
暗黒ミニマル・ダブな作風で知られるアンディ・ストットなどがその筆頭として目されるようですが、ベン・フロストも一応このくくりで語られているようです。

ダブによる音響が、インダストリアル的なメタリックな質感を伴った音と親和性が高いことは、ダブそのものが注目されだした70年代後半~80年代にしてすでに自明のことでした。
それはEBMを始めとしたダンス・ポップの流れへと一部で発展し、メタリックな音像と蠢くようなノイズ、そしてゴシカル/耽美的または俗悪なモチーフの交じり合った特異なシーンを形成しました。(ここからさらにニュー・ロマンティックなどに連なる)
近年のダブ再興の流れが、最終的にこういった「インダストリアル」な音像に接近していく、というのはある意味当然の流れだったのかもしれません。

しかし、そこにはやはり00年代以降のコンテンポラリーな感覚が内包されているように思います。
それは、ノイズやドローンなどの音響からその先にある(?)純粋な、透き通ったニュアンスを掬い取る感覚です。
00年代(または90年代末)以降のノイズやドローンは、それまで扱われてきたようなアヴァンギャルドなサウンドスタイルというだけでなく、それ固有のニュアンスを表現することができる表現形態として取り扱われるようになり、様々なミュージシャンが様々な方法論で持ってその表現の裾野を広げてきたことは明らかですが、この「インダストリアル」な、ノイジーな音像にも、その感覚が反映されています。

思えば、まずリスナーの耳を惹くであろう2曲目'Nolan'の、突如耳をつんざくノイズの先には、まるでPitaが99年に発表した名作ノイズ"Get Out"の3曲目のような、郷愁にもにたメランコリィが潜んでいます。
そこには北欧らしい透き通ったニュアンスが想定されているように思いますし、メタリックなリズムトラックはその「冷たさ」をより強調ししています。まさにタイトル通り「オーロラ」の如き響きです。
他にも、軋み蠢くようなノイズから突如美しいメロディが立ち上ってくる様子にはフェネスとの類似点を指摘できるかもしれません。

「ポスト」というよりはむしろ突如「先祖返り」したかのような音像を持ちながら、コンテンポラリーなノイズの発展史がもたらしたものもしっかりと反映されている、とても不思議な質感を持った作品です。
ある意味ではダブ/インダストリアル/ノイズという3つの様式を現代的な感覚で持って統括した音楽と言うことができるかもしれません。こんなのが突如出てくるんですからやはり音楽を聴くのは辞められませんね(笑)

(個人的には、エイドリアン・シャーウッドあたりと組んで何かやってくれると面白そうだなんて思ってます。)






Aurora [帯解説・ボーナストラック収録 / 国内盤] (TRCP162)Aurora [帯解説・ボーナストラック収録 / 国内盤] (TRCP162)
(2014/05/21)
Ben Frost、ベン・フロスト 他

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No title

vuoy様 こんばんは

最初はキツめのノイズでギブアップしそうになりましたが、
しばらく経つと心地よくなってきました。
金属的な高音リズムと工場音、キラキラしたシンセのメロディーが
混ざり合うサウンドは確かにオーロラっぽいかも。

北欧の音楽っていうのも納得の夜っぽい音ですね。

Re: No title

>> GAOHEWGII さん

こんばんは。
ダブやインダストリアルというと、どうしてもくぐもった音質や、
陰鬱な、アートっぽいモチーフなどを思い浮かべてしまいますが、
この作品はそういった音を取り入れながらもどこかドラマティックかつセンチメンタルで、
非常に現代らしいと思います。

ノイズ系の音楽は聴き慣れないと音のハードコアな部分にばかり耳がいってしまって疲れてしまいますが、
その先にあるニュアンスを聴取することができればその奥深い世界に魅了されることうけあいです。
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