Richard Pinhas & Oren Abarchi "Tikkun"

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Artist: Richard Pinhas & Oren Ambarchi
Album: "Tikkun"
Label: Cuneiform Records
Year: 2014

Tracklist
01. Washington D.C. - T4V1 (31:02)
02. Tokyo -T4V2 (13:02)
03. San Francisco - T2V2 (26:21)


フランスのプログッレッシヴ/アヴァン・ロックグループHeldonの元フロントマンとして知られるギタリスト/シンセサイザー奏者リシャール・ピナスとオーストラリアの前衛ギタリストオーレン・アンバーチによる共作が発表されました。

ギターをメインフィールドとして活動する両者ですが、そのスタイル/活動時期には大きな隔たりがあります。
70年代にフランスの前衛ロックの最右翼として活動したHeldonをそのキャリアの始点にもつピナスは、そのギター演奏においてKing Crimsonのロバート・フリップの影響を如実に受けていました。方やアンバーチは当blogでも何度か紹介したことのある通り、いわゆる「音響派」と呼ばれる類の作品を数多く発表しています。確かにメインに扱う楽器はギターであり、その奏法/表現方法の探求に意欲的ではありますが、正直彼を一般的な意味合いでの「ギタリスト」と呼ぶのはどうにも躊躇してしまうところがあります。

そんなスタイルの違う2人の共演が実際どのような形になったかというと、個人的には諸手を挙げて賞賛したいほどに大成功だったのですから驚きです。

メインとなるのは勿論2人のギターですが、そこにドラマーとしてジョー・タリアが加わっています。
ミニマルなビート感覚を維持しつつ、二人のギターのうねりに合わせ自在にフィルインを入れていくドラムは実に痛快です。
さらに、2人のギターとこのドラムをあわせて1stサークルとされたバンドの他、Merzbow、ダンカン・ピナス、エリック・ボレルヴァの3人による2ndサークルというバンドも並置されており、2人のギターをサポートする絶妙なノイズを聴かせてくれます。Merzbowが入ると、全てをMerzbow色に染めてしまう印象がありましたが、今回の演奏について言えば完全にサポートに徹しており、そういう部分でもかなり意外でした。

そして2人のギター。
お互いのスタイルにあわせるように、お互いが主導を取り合いながら演奏していますが、やはりピナスのあくが強いのか、全体的にはやはりあのフリップナイズされたギターが印象に残ります。
また、後期Heldonではシーケンサー・ビートを相手として、ドラマーのオジェとピナス(とシンセのゴーシェ)により無機質なビートを有機的な所作で分解し、均一な演奏を有機の支配下に置くような試みが印象的でしたが、今作では多少のシーケンス・ビートは見られるものの、タリアによる爆裂ミニマルなドラミングと絡み合い、物凄い熱量をもって演奏を進めていきます。
アンバーチ風の音響的なプレイの最中でもその熱が失われていないような感じがするのはやはりピナスの影響でしょうか(笑)

3曲通して、爽やかとすら言いたくなるほどに豪快で風通しの良い演奏だと想います。
今年のベスト3には入りそうですね(というか1位かも)






TikkunTikkun
(2014/05/27)
Richard Pinhas

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