Sia "1000 Forms of Fear"

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Artist: Sia
Album: "1000 Forms of Fear"
Label: RCA Records
Year: 2014

Tracklist
01. Chandelier (3:36)
02. Big Girls Cry (3:31)
03. Burn the Pages (3:16)
04. Eye of the Needle (4:09)
05. Hostage (2:57)
06. Straight for the Knife (3:33)
07. Fair Game (3:52)
08. Elastic Heart (4:18)
09. Free the Animal (4:26)
10. Fire Meet Gasoline (4:02)
11. Cellophane (4:27)
12. Dressed in Back (6:40)


シーアの新作からのリードトラック'Chandelier'のMVを初めて見た時の衝撃を、どう語ればよいでしょうか。
シーアと同じ髪型のかつらを被った少女がコンテンポラリーダンスのように意味不明な踊りを見せることのヴィジュアル的な衝撃もありましたが、声が裏返ろうがお構いなしに叫び、声を張り上げるヴォーカルスタイルや、明らかに自身の経験と思しきアルコール依存症の辛さとそれによる自己否定の心情を赤裸々に綴った歌詞といい、何か責め立てられるような焦燥感が全編に充満していたことが、何よりの驚きだったのです。
以前動画で見た彼女のパフォーマンスにはこのようなネガティヴな要素はあまり見られなかったのも、その印象を強める要因となったのは間違いありません。

なぜ、彼女はこのような、悲痛な曲を書き、歌うこととなったのか?
4年前の前作"We Are Born"(未聴)が、彼女のキャリアにおける初のヒット作品となったそうですが、そのことは彼女にとって必ずしも良いことではなかったようです。
急激な注目は、彼女にとっては苦痛であることが多く、それにより強いストレスと不安を感じた彼女は鎮静剤とアルコール依存に悩まされることとなりました。事実10年には彼女の以後の活動やツアーの中止がアナウンスされる事態となり、彼女はこのまま音楽の世界から身を引くのかと思われていました。

しかし、彼女はやはり創作をやめることはできませんでした。
ビヨンセクリスティーナ・アギレラなどへの楽曲提供を、数は多くはありませんでしたがこなしつつ、彼女はショウビズの世界に名前を残し続けてきたのです。
2013年には、映画『ハンガー・ゲーム』に提供した楽曲でヴォーカルを取り(未聴ですが、The Weekndとのコラボレーションがあるとか)、ついに今年、シングルである'Chandelier'を発表したのです。
新作に対する要望はレコード会社からもあったようで、彼女は入念な打合せのもと「アルバムの宣伝のためのテレビ出演/インタビューなどはしない」「メディアに自分の顔を出さない」ことなどを条件に、二つ返事で新作のレコーディングを開始しました。

そのような経緯を経て制作された今作"1000 Forms of Fear"は、当然のこととしてパーソナルな雰囲気の漂う作品です。
リードトラック以外にも、自身の経験からくると思われる歌詞が散見されますし、それを歌う彼女の声はいつも以上に力が入った、まるで激情をぶちまけるかのようなものになっています。
唯一のテレビ出演(勿論楽曲は'Chandelier')でも、彼女は壁に向かい、観客に顔を見せぬままパフォーマンスしましたが、その声はスタジオ版以上に不安定で危うく、いつひっくり返ってもおかしくない(というか何箇所かでは実際にひっくり返ってる)ものでした。ですが、それがこの切迫感に塗れた楽曲に最良のニュアンスを付与しているのは間違いないのです。

サウンド面では「普通になった」という評価も聞かれるそうですが、このアルバムはその製作に至る経緯を見ても明らかに彼女自身がミュージシャンとして再度立ち上がるまでの過程とその想いをぶちまけることを目的としており、その「歌/声」を存分に活かす場をつくり上げるために、トラックはシンプルにされているのです。

全体的には閉塞感に満ちたダークな作品ではありますが、彼女はこの作品を作らなくては、あるいは、激情に任せて叫ばなくてはならなかったのでしょう。
これから先の活動がどうなるかはまだ未知数ですが、まずもって、この作品はシーアという人間の個人史におけるランドマークであり、傑作であることは間違いありません。




上でも紹介したThe Ellen Showでのパフォーマンス




1000 Forms of Fear1000 Forms of Fear
(2014/07/08)
Sia

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No title

vuoy様 こんばんは

てっきりご本人のパフォーマンスかと勘違いしておりました。
役者さんのダンスだったとは。。。

それにしても、テレビ出演でのパフォーマンスは凄いですね。
歌番組も「生じゃなくていいじゃん」って風潮の日本ですが
こういう面白いテレビがみたいなぁ、と思いました。

Re: No title

>> GAOHEWGIIさん

実は私も、最初本人だと思ってました。
妻に見せたら「いくら幼児体型でも38歳でこれはないでしょ」と…(笑)
確かに…

TVパフォーマンスは、楽曲が元来持っている以上に「鬼気迫る」ものになっていますよね。
シーア自身、パフォーマンス後の声は涙ぐんだ感じで、やはり色々と思うところがあったのかな、
と推測されますね。

やはり、この手の「個人の中身をすべてさらけ出す作品」の持つ緊張感、圧倒的な存在感は大好きですね~
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