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Kraftwerk "Trans Europe Express"

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Artist: Kraftwerk
Album: "Trans Europe Express"
Label: EMI/Capitol
Year: 1977

Tracklist
01. Europe Endless (9:40)
02. The Hall of Mirrors (7:56)
03. Showroom Dummies (6:15)
04. Trans Europe Express (6:37)
05. Metal on Metal (2:12)
06. Abzug (4:55)
07. Franz Shubert (4:26)
08. Endless Endless (0:55)


Kraftwerkが、一見するとブラック・ミュージックとはかけ離れたような実験的なスタイルの根底に、かなり強烈にファンクネスを有していることは以前"The Mix"のレビューで述べました。
彼らは徹底的に無機質に、自分たちをロボットにまで見立て、ストイックにビートを反復しながらもポップ・ミュージックの要素を密かに取り込み("Autobahn"の「ファン・ファン・ファン」というコーラスはそのままThe Beach Boysの'Fun, Fun, Fun'だとか笑)、当時の白人をして実験的なものとみなされていたミニマル・ミュージックを、見事にポップネスと結合させました。

では、実際にそのスタイルの萌芽となったのはどのあたりか、というと個人的には6th"Trans Europe Express"ではないかと思います。
初期三作(未聴)いずれもミニマリズムを追求した実験的な内容だと聴いていますし、その後の2作("Autobahn"と"Radioactivity")では、確かにポップ化の萌芽は聴き取れるものの、コンセプトが先行しており、アルバムの構成やソング・フォーム自体には少々だらけた部分が聴き取れます。

今作でのアルバム・コンセプトはその名の通り「ヨーロッパ特急」ということですが、実はこれが彼らのミニマルを根幹としたサウンド・コンセプトと非常に相性が良かっただろうと想像できます。列車の駆動が持つ、力強い反復を、この作品は見事に取り入れているのです。("Autobahn"も自動車をテーマにしていればもしかするとそうなっていたのかも…)
無駄な音を削ぎ落とした、ストイックなミニマル・ビートはシンプルであるからこそ力強く、また余白をたっぷりとっているために電子音響の時に不穏で、時に温かな響きや、ヴォコーダーにより変調した音声と肉声のサスティンの美しさを十二分に滲ませます。また、楽曲によってはビートに深いエコーが施されており、1977年という時代を考えると、ヨーロッパに根を下ろし始めたダブにもしっかりと目配せがされると同時に、そういったビートの持つインダストリーな質感をヨーロッパ的な湿り気を帯びた空虚さ、寂寥感と結びつけるような感覚もあります。

ヨーロッパ(というかUK)的な質感、という点では彼らの作品の中でもトップクラスにその傾向が強いように思いますね。
次作"The Man Machine"までの他の作品からは彼らの出身地であるドイツ(というかバウハウス?)っぽい合理主義・機能主義的な側面を強く感じますが、この作品は例外的にセンチメンタルで、ともすれば郷愁ともとれそうな「寂しさ」が渦巻いているのです。
ただ、ミニマルでストイックなビートの醸すファンクネスが楽曲を引き締めているので、それまでの作品に少し見られた冗長さはありません。無機質でありながら、肉感的なエロティシズム/エキゾチシズムも同時に漂わせる、素晴らしい作品です。

また、表題曲のビートはアフリカ・バンバータにサンプリングされ、オールド・スクールのクラシックである'Planet Rock'を生み出しました。
ジェームス・ブラウンに影響を受けたとリーダーのラルフ・ヒュッターは語ったことがあるそうですが、JBの創りだした、ファンク・ミニマリズムを白人的な感覚で解釈/再構築した音楽性は、この作品にて最初の完成に至ったと言えるのではないでしょうか。






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(2009/11/04)
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