The World of Psyche/Acid Music Vol. 31: Faust 'It's a Rainy Day, Sunshine Girl'




ドイツのロック・バンドは、得てしてその取っ付きづらい音楽性から『ジャーマン・プログレ』などと呼ばれ、あたかもプログレッシヴ・ロックの一領域として語られることが少なくありません。
これは、半分正解ではあるのですが、半分間違いといったところで、ドイツの60年代末~70年代初頭にかけて活躍したバンドの多くが根底にもっていたキーワードはやはりサイケデリックであったと思います。

しかし、彼らただ陶酔に溺れることなく、音楽を一つの構築物として見る視点を忘れていません。
「そのように自分たちの音楽を構築するのか」という点には、英米のミュージシャン以上に意識的だったと思いますし、ある意味非常にドイツらしいとも言えます。

それが恐らくクラウトロックの諸作から感じる「醒めた感じ」や「全て狙ってやっているかのような感覚」に繋がっているのだと思いますが、それを最も強く感じさせてくれるのは、やはりFaustに他なりません。
コラージュの嵐で駆け抜けた1stを経た2nd"So Far"は、パッと聴くとポップな曲が多く、1stの前衛性に惹かれた方には物足りない部分があるかもしれません。

しかし、1曲目であるこの曲を聴けば分かりますが、楽曲はポップ・ソングの体裁を執りながら、ポップ・ソングに期待されるものから微妙にズレた位置に着地しています。
軽快なリズムや口ずさみやすいメロディはフレーズだけ聴けば誠にポップ・ソング然としていますが、7分以上もそれが反復される、というのはどうでしょう?ペラペラなギターや気の抜けた炭酸のようなだらしないブラスなどは、ロック的な格好良さなど微塵も感じさせません。

ノーマルや理想形をなぞるようでいて、至極自然に脱線していく姿には、極上の狂気を感じざるを得ません。
Fasut自体の音楽性は4thの洗練された形を以って完成したと見做すことが多いと思われますが、初期の底意地の悪い偽ポップスをこそ、我々は聴くべきだと思うのです。



So FarSo Far
(2007/07/17)
Faust

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