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Current 93 "Of Ruine or Some Blazing Starre"

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Artist: Current 93
Album: "Of Ruine or Some Blazing Starre"
Label: Durtro
Year: 1994

Tracklist
01. A Voice from Catland (0:22)
02. Steven and I in the Field of Stars (2:56)
03. The Teeth of the Winds of the Sea (7:15)
04. Moonlight, You Will Say (5:19)
05. Into the Bloody Hole I Go (1:01)
06. The Darkly Splendid World (0:51)
07. The Cloud of Unknowing (7:28)
08. Let Us Go to the Rose (5:17)
09. All the World Makes Great Blood (3:55)
10 The Great, Bloody and Bruised Veil of the World (4:17)
11. Into the Menstrual Night I Go (1:14)
12. Dormition and Dominion (6:19)
13. So: This Empire Is Nothing (1:08)
14. This Shining Shining World (2:51)


とあるジャンルで活躍したミュージシャンが、ある時を境にその音楽性をガラリと変えるということは、多くのファンや部外者にとって衝撃的であることが多いような気がします。
そして、Current 93ことデヴィッド・ティベットほどその音楽性を大きく変化させたミュージシャンはそうはいません。

初期には"Nature Unveiled"などのゴシック・インダストリアル/パワー・アンビエントな作風や、「通りゃんせ」の不気味なサンプリングを含む悪趣味な音響作品など、俗悪の限りを尽くしたような音楽性を発揮していた彼は、80年代の後半あたりに幽玄なるフォークへとその音楽性を変化させました。

フォークとは言うものの、その音楽には初期から変わらぬ不気味さ、孤独、終末感などがつきまとい、多くのリスナーをして『アポカリプティック・フォーク』と呼ばれるようになります。
まずもってこの音楽を特徴づけるのは、トラッド由来のものと思われるアコースティック・ギターやグロッケンシュピールの旋律です。アルペジオなどを用い淡々と単音を紡ぎ構成されるラインが重なるその様は驚くほどバロック的です。
コードとしての和声ではなく、あくまで同時進行する複数旋律間の齟齬を解消するといった意味合いでの、対位法的な和声概念が図らずも導入されていることがその響きのバロック性の根源かと思われますが、彼はそれをもってトラッド的な旋律を奏でることで中世ヨーロッパ的な神秘性を楽曲に付与しています。

そして演奏のバックには、初期のサウンドに見られたラディカルさを昇華したかのような、幽玄なドローン(タンブーラのようにも聴こえます)や音響、ヴォイス・サンプルなどが巧みに配置され、楽曲そのものがどこか異次元のものであるかのような幻想的なものとして成立しているのです。

そこにのるティベット自身の声は、相変わらずアジテーティヴです。
しかし、初期の暴力的なサウンドに飲み込まれたキッチュな響きはそこになく、新たなサウンド・フォーマットと組み合わさることで何かを呼び寄せるかのような、儀式的かつ狂気的なものへと大きく印象が変わっています。
確かに音楽に合わせて、叫びなどは減り、ウィスパー・ヴォイスのように歌い方そのものが変化している部分もありますが、それでもなお彼の声の印象をここまで変えたのは、バックの練りに練られた演奏に他なりません。まさに「司祭」の如き声です。

このアルバムは、そういった彼の作風が存分に堪能できる一作と言えます。
フォークという表層だけを汲み取り「素朴なサウンド」などと評価する向きも見受けられますが、実際の所、彼の持つ儀式性というのは初期よりも一層洗練され、過激とすら言えるほどです。
どこまでも深い闇のようなサウンドは、インダストリアルのラディカルさを通過して生まれ変わったアシッド・フォークととることもできるかもしれません。ぜひご一聴を。






Of Ruine Or Some Blazing StarreOf Ruine Or Some Blazing Starre
(2007/10/16)
Current 93

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