スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Femi Kuti "No Place for My Dream"

319781_1.jpg


Artist: Femi Kuti
Album: "No Place for My Dream"
Label: Knitting Factory
Year: 2013

Tracklist
01. Nothing to Show For it (3:36)
02. The World is Changing (6:06)
03. No Place for My Dream (3:45)
04. Action Time (5:45)
05. No Work, No Job, No Money (5:21)
06. Carry On Pushing On (4:59)
07. Politics Na Big Business (3:44)
08. Na So We See Am (4:21)
09. One Man Show (6:19)
10. Wey Our Money (4:49)
11. This Is Only the Beginning (1:44)


共にフェラ・クティの実子であり、異母兄弟でもあるフェミシェウンは、どうしても自身の音楽性と父親の音楽性とを比べられてしまう傾向にあります。
シェウンのデビュー後は、さらにこの兄弟同士の音楽性も比較されがちになっているのは間違いないでしょう。

そして、正直に言うならばシェウンの2011年作"From Africa with Fury: Rise"を聴き、そしてそこから遡ってフェミを知った私は、フェミの音楽にどこか淡白な印象を抱くとともに、父のラディカルな部分を濃く引き継いだのはシェウンであり、それが故に彼こそがフェラの音楽の正当な後継者だと考えていました。

しかし、つい先日発表されたフェミの新作"No Place for My Dream"と、それに対する鈴木孝弥氏のレビューにより、私の認識は完全に覆されてしまいました。

彼はシェウンとフェミに対して以下のように述べています。

…62年生まれのフェミより20年もあとの80年代に生まれたシェウンは、父親の音楽に、一定の距離を置いたところからかなり純粋な畏怖と憧憬をもって接している印象を受ける。…現在30代以下のミュージシャンをして、70~80年代サウンドを"新しいもの"として解釈させるようなポジティヴな隔世感も少なからず作用しているだろうが、末っ子シェウンは父フェラのアフロ・ビート様式の泥臭さをフレッシュなものとしてほぼ全肯定し、自分の手で素直に再提示できるメンタリティーを持っている......つまり、父親のバンド:エジプト80を引き継ぐにふさわしい(無論いい意味で)ピュアな継承者なのだと思う。


それに対し、父親の黄金期の70年代から父のバンドで修業し、そのスタイルを間近で学んだ長男フェミは、当然独り立ちする際には父親との差別化を意識したに違いない。…彼がしばしばインタヴューで語る"自分の音楽の原則"も実に明快だ。曰く:〈基礎が堅牢なアフロ・ビートの原理をあまり危うくしないこと〉。それは、父親の音楽様式をそのまま継ぐつもりはない、という意思の婉曲表明になっている。


まずもって、フェミの音楽は父フェラの作り上げたアフロ・ビートというフォーマットの基本は守りつつも、それとの差別化を図っている部分に大きな意味があったのであり、それとは逆にシェウンの音楽は父フェラのフォーマットから外れぬようにできる限り忠実に継承している部分にこそ意味があったのです。
この二人を同じベクトルで評価するのはまったくもって無意味、ナンセンスでありますし、そういう聴き方をしてフェミの音源に触れるのを避けていた私自身の頭の(耳の)固さには我ながらうんざりさせられます。

そして、そういった評価軸を以って接すると、フェミの今作は非常に魅力的な音楽でありました。
淡白と思われていた音の運び方は、非常にスムースで、彼の音楽/歌詞の持つメッセージを軽やかに運び、聴き手の心に届けるものとして響きます。
彼自身の歌声も、父や異母弟に比べて線が細い、迫力に欠けるもののように感じられましたが、今はむしろ逆で、喜怒哀楽のニュアンス/抑揚に富み、他の2人に比べても非常に美しい歌声としてスピリチュアルに聴こえてきました。
そしてやはり、その豊かな音楽性の土台にあるのは父の作り上げたポリグルーヴの綴織=アフロビートなのです。
フェミは、彼自身の信念でもって父の音楽を洗練させ、アップデートすることに成功したと言っても過言ではありません。

もちろん、この意識の変化により、私の中にあるシェウンの評価が揺らぐことはありません。
彼の、父のラディカルさをそのまま引き継いだ音楽性は、やはり素晴らしいものであることに変わりはありませんからね。
父のバンドで修行した経験を活かしながらもアフロビートのメッセージ性をより広く受け入れられる形に洗練させる『内なる革新者』フェミと、父や兄とは隔絶したとも言える世代でありながら、父のレベル・スピリットを生き写した『外なる継承者』シェウンにより、アフロビートは今までよりも一層の広がりを見せるに違いありません。
アフロビートが真の意味で世界を席巻する、その目撃者になるのは、彼ら兄弟が生きる「今」を共に生きる我々なのです。






ノー・プレイス・フォー・マイ・ドリームノー・プレイス・フォー・マイ・ドリーム
(2013/05/22)
フェミ・クティ

商品詳細を見る
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

vuoy

Author:vuoy
音楽好きです。
情報に間違いなどありましたらコメント欄で結構ですので気軽に連絡ください。
Last.fm
twitter

【注意事項】
まれに、当blogの記事をオークションの商品説明に引用またはURL貼付されているページを見ることがあります。
当blogの記事はあくまで個人の感想であり、ミュージシャン本人以外の利益に供する目的はありませんので、商用目的での無断引用/URL貼付はご遠慮願います。
どうしてもという場合には、twitterなどでご相談いただければ検討しますので何卒ご理解いただきますようよろしくお願いします。

アクセスカウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
vuoy's Profile Page
Twitter
検索フォーム
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
音楽
449位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋楽
81位
アクセスランキングを見る>>
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。