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telefon tel aviv "Map of what is Effortless"

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Artist: telefon tel aviv
Album: "Map of what is Effortless"
Label: Hefty
Year: 2004

Tracklist
01. When It Happens It Moves All by Itself (3:28)
02. I Lied (5:53)
03. My Week Beats Your Year (4:09)
04. Bubble and Spike (3:59)
05. Map of What Is Effortless (5:23)
06. Nothing Is Worth Losing That (5:07)
07. What It Is Without the Hand That Wields It (6:15)
08. What It Was Will Never Again (4:16)
09. At the Edge of the World You Will Still Float (6:45)


ポスト・ロックあるいはエレクトロニカへのヴォーカルの導入、というのは00年代初頭~中盤にかけてのちょっとしたトピックであったように思います。
ストイックなインストゥルメンタルを求める向きには不評なところの多かったこの動きではありますが、実際のところは、ProToolsを始めとする編集ソフトによるポスト・プロダクションの発達により、音の細部が極端に強調され、ソング・フォームが瓦解するどころかだらしなく引き伸ばされがちであったそれらジャンルにおいて、ソングフォームそのものを改めて引き締め直した、という点では非常に重要な動きだったと見ることもできるかもしれません。

ヴォーカルというものは、他の楽音に比べると、聴き手のソングフォームに対する直感的理解の助けとなることが多く、ある意味ではヴォーカルを導入したポスト・ロック/エレクトロニカについては「ごまかしが効かなくなった」部分が多分にあったのではないかと推測されます。
ただ、そんなことを特に考えることもなく、ただ無自覚にヴォーカルを導入しただけの「イージーリスニングな」ものが多かったのもまた事実で、多くのヴォーカル入りポスト・ロック/エレクトロニカが評価を得ることが出来なかったのも致し方のないことだとは思いますが…

そんな中でも、特にそれを巧くやったのはtelefon tel avivの二人に間違いないでしょう。
1stアルバム"Fahrenheit Fair Enough"ではIDMの込み入ったビート感覚にグリッチ・ノイズや生楽器を導入し、テクノ/エレクトロニカをポスト・ロックに近づけた作品として非常によく出来たものでありましたが、直後のEP"Immediate Action #8"における'Sound in a Dark Room'にて、彼らはヴォーカルの導入にチャレンジし、そして今作にてその方向性を大々的に推し進めたのです。

IDM的な複雑さは残しつつも、ビート自体のBPMを落として隙間を作り出し、そこに生楽器、グリッチ・ノイズ、シンセ・サウンドなどの多層的なレイヤーと共にデーモン・アーロンのナルシスティックな歌声とリンゼイ・アンダーソンの艶かしいウィスパーヴォイスをあてがうことによりサウンドは構築されていますが、彼らは時折ヴォーカルそのものにもイコライズを施すことで、エレクトロニカの多層的なレイヤーが作り出す立体性の中にヴォーカルを適合させて閉じ込めることに成功しています。

音の「隙間」と楽曲の多層構造が作り出す「立体性」は楽曲の空間性を限定しますが、そこにただヴォーカルを載せただけではヴォーカルはその「空間」の中では招かれざる客としてチグハグなものになってしまうと思います。
この問題を解決せずに、ただヴォーカルを載せただけでは、ヴォーカルは添え物としてしかその機能を発揮できず、ソングフォームどころの話ではなくなってしまいます。
人声としての記名性を尊重しながらも、あくまで他の楽音と同じように扱うことで、彼らはその空間の中に巧くヴォーカルを配置したのです。

先述の'Sound in a Dark Room'や、このアルバムで言えば3曲目の'My Week Beats Your Year'にはそういった特徴がよく表れています。
そして、男女二声にはソウルフルな局面も多々見受けられ、そういった部分は現在のアンビエント・ソウルなどにも引き継がれているのではないかとも感じさせます。
この時期のこういった名作の多くについては、きっとこれからどんどんと再評価の機運が進んでいくことでしょう。今から楽しみです。






Map of What Is EffortlessMap of What Is Effortless
(2004/01/27)
Telefon Tel Aviv

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