Mark Stewart + Maffia "Learning to Cope with Cowardice"

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Artist: Mark Stewart + Maffia
Album: "Learning to Cope with Cowardice"
Label: ON-U Sound
Year: 1983

Tracklist
01. Learning to Cope with Cowardice (6:13)
02. Liberty City (5:37)
03. Blessed are those who Struggle (5:13)
04. None Dare Call it Conspiracy (5:41)
05. Don't You Ever Lay Down Your Arms (4:58)
06. The Paranoia of Power (5:38)
07. To Have the Vision (3:35)
08. Jerusalem (3:46)


ブリストルのポスト・パンク・バンドThe Pop Groupの登場は、間違いなくUKロック史上最大級の事故でした。
稚拙でプリミティヴな演奏に仕掛けられたダブ処理と、音程など関係なく叫ぶ未開の部族のようなヴォーカルに支配された1stアルバム"Y"は、本人たちの意図は別にしても、間違いなく当時のロックにおける最前衛に位置していたでしょうし、それと同時にクールだったと思います。
グループは長く続かず、2ndアルバムと編集盤"We Are Time"を残し解散しましたが、その後多くのプロジェクトへと分裂しています。

この作品は、そのThe Pop Groupのヴォーカリストであるマーク・スチュワートが、自身のバンドMaffiaを従えて1981年に発表したソロ・デビュー・アルバムです。
レーベルはかのON-Uサウンド、共同プロデューサーはエイドリアン・シャーウッドということからも想像がつきますが、非常にトンガッたダブ・サウンドに溢れた作品になっています。

凶暴なベース、反復するヘヴィなリズム、シンセによる音響やスカスカなギター、艶っぽいサックスなどがダブ処理により刻々と前景化/後景化し、軋みながら楽曲をのろのろと(しかし力強く)推進させています。
あわやノイズと化してしまいそうなその音は、当時UKでダブとは別に花開いたインダストリアル・サウンドにも強く接近しますが、これはマーク・スチュワート本人にレゲエ的なバックボーンがなかったことに起因するようです。
彼は暴力的なダブ・サウンドにのまれることなく叫び、唸り、自己の存在を強調します。音程すら不安定なその歌唱は楽曲の先鋭性を加速度的に増大させ、狂気的とすら言える音響ファンクを作り上げるのです。

この作品は、UKにおけるダブがレゲエの手を離れ、まさにUKダブという音楽ジャンルを形成していく過程を体現したドキュメントとして、非常に興味深いものだと思います。
レゲエの手を離れたダブ・サウンドは徐々にその姿を変貌させ、ブリストルという地域特有のサウンド・スタイルを形成し、Massive AttckPortisheadらトリップ・ホップ勢などを生み出し、現在まで続いています。
そのサウンド・スタイルこそまさに「ブリストル・サウンド」でありますが、そのオリジネイターとして、The Pop Groupとマーク・スチュアートは、今なお異様な存在感を放っているのです。






Learning to Cope With CowardiceLearning to Cope With Cowardice
(2007/04/03)
Mark Stewart

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