The Knife "Shaking the Habitual"

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Artist: The Knife
Album: "Shaking the Habitual"
Label: Rabid/Brille
Year: 2013

Tracklist
-Disc 1-
01. A Tooth for an Eye (6:04)
02. Full of Fire (9:17)
03. A Cherry on Top (8:43)
04. Without You My Life Would be Boring (5:14)
05. Wrap Your Arms around Me (4:36)
06. Crake (0:55)
07. Old Dreams Waiting to be Realized (19:02)

-Disc 2-
01. Raging Lung (9:58)
02. Networking (6:42)
03. Oryx (0:37)
04. Stay out Here (Shannon Funchess, Emily Roysdon and The Knife) (10:42)
05. Fracking Fluid Injection (9:54)
06. Ready to Lose (4:36)


スウェーデンのドライヤー兄妹によるエレクトリック・デュオ The Knifeの新作は非常に理解に苦しむ、分裂症的な作品となりました。
アルバムはアフロ・ポリリズムとインダストリアル・ノイズ、そして軋むようなドローンで構成され、楽曲の約半分が8分を超える長尺です。

ダビーでノイジーなリズム・トラックの執拗な反復には常に居心地の悪さがつきまとい、長大なドローンにはどこか不純物にまみれたような濁った空気が充満しています。
それらの要素に期待されるような「心地よさ」や「透明感」などは尽く裏切られ、リスナーは常に神経を逆なでされ、不安を駆り立てられます。

彼らの音は多くの部分でジャーマン・ロックの異端児Faustと共通します。
反復、ドローン、ノイズ、そして悪意と狂気。
Faustはポップ・ソングの体裁をとりながらもポップ・ソングに期待される「機能」を尽く放棄していくという脱臼的行為を繰り返し、さらにそれをコラージュ化することでもはや本人たちにもコントロールできかねる狂気の塊と化しました。
バンドの分裂(ザッピ&ペロンのFaustとイルムラーのFaust)などはそれを象徴する出来事であるようにも思えます。

The Knifeの音楽からもそういったスカム/狂気的な香りは立ち上ってきます。
しかし、彼らは常に自分たちの音楽から一歩引いたような、醒めた感覚も持ち得ているように思えるのです。
ディスク2枚、1時間40分にも及ぶアルバムは狂気的ではあれ、忘我的ではない。アシッドではあれ、サイケデリックとは少し違う。
Faustは狂気的であれど、メンバーたちの体温が感じられましたが、The Knifeには一切それがありません。
静かな怒りに満ちたような歌詞を歌う妹カリンの心を、我々はどうしても掴みきれないのです。

このアルバムの不敵で不気味な佇まいは、そういったところに起因しているのではないでしょうか。
非常に謎が多く、何度も何度も聴き返すことになりそうです。






Shaking the Habitual: DeluxeShaking the Habitual: Deluxe
(2013/04/16)
Knife

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