Peter Ivers Band "Knight of the Blue Communion"

Artist: Peter Ivers Band
Album: "Knight of the Blue Communion"
Label; Epic
Year: 1969
Tracklist
01. Cat Scratch Fever (7:38)
02. Water Curtain (3:45)
03. Dark Illumination (4:18)
04. Confession (2:31)
05. Traveling Lightly (6:15)
06. Showroom Model (4:29)
07. Tobacco (2:22)
08. Lord God Love (5:00)
09. Knight Of The Blue Communion (2:45)
10. Gentle Jesus (9:00)
USのカルトSSW、ピーター・アイヴァースのデビュー作。
バンド名義の作品であり、ヨランダ・バヴァン(と読むのか?Yolanda Bavan)というオペラ系女性ヴォーカルをフィーチュアした作品となっています。
以前紹介した"Terminal Love"は、アイヴァース自身の特異な歌声が、人生の急所を突くかのようにリスナーの心を掻き毟る、アシッド・フォーク/ロックの大名盤でした。
今作はそれより以前の作品ということで、彼のカオスな音楽性がよりストレートに表れています。
ベースとなっているのはまずブルーズでしょう。
リトル・ウォルターにブルース・ハープを師事したということで、ことアイヴァース自身のハープの引きつるような旋律などには多大な影響が見られます。
しかしそこにフリー・ジャズ的な即興演奏や、現代音楽的な無調/不協和な旋律などが並置されることにより、ブルーズ的な感情(あるいはブルーズ・フィーリング)は消え失せてしまっています。
ヨランダ嬢の熱にうかされて正気を失ったかのような声が辿るメロディは非常に寓話的な世界観を持ち、リズム/旋律を解体していく演奏と合わせ、気味の悪い幻想性を提示します。
全体的にミックスの大きなベースがのろのろとうろつき、アイヴァースのハープがヒステリックに引きつり、ブラス隊は不協和に唸り、突如フリーキーに叫び即興へと突入する…
コレ以降の作品に見られるポップなセンスは全くといっていいほど見られません。
が、不思議な魅力があるのも事実。
楽曲の良さや演奏そのものの魅力より、トータルな世界観が重要なアルバムだと思います。
ここまで幻想的でアンダーグラウンドな作品というのには、なかなかお目にかかれるものではありません。
2009年の再発からは漏れてしまったようなので、現在手に入るのは2007年の盤起こしだけみたいですね。
ぜひリマスター再発を…
![]() | ブルー・コミュニオンの騎士 (2007/04/25) ピーター・アイヴァース・バンド 商品詳細を見る |
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