Xploding Plastix "The Donca Matic Singalongs Revisited"

Artist: Xploding Plastix
Album: "The Donca Matic Singalongs Revisited"
Label: Beatservice
Year: 2009
Tracklist
01. The Famous Biting Guy (3:44)
02. One Bullet Fits All (5:30)
03. Joy Comes in the Morning (4:44)
04. Geigerteller (4:22)
05. Donca Matic (5:06)
06. Huncher (3:47)
07. The Cave in Proper (4:45)
08. Tripwire (4:41)
09. Dizzy Blonde (5:32)
10. Skinny Love Spasms (3:41)
11. The Short Drop and a Sudden Stop (5:05)
12. Cashmere Tarmac (4:20)
13. The Snarling Amble (4:39)
ノルウェーのサンプリング・ビート・ユニット Xploding Plastixが2003年に発表した2nd"Donca Matic Singalongs"の再構築ヴァージョン。
同年のEP"The Benevolent Volume Lurkings"より3曲目、10曲目と、新曲として11曲目を追加し、元ヴァージョンに収録されていたサラ・クラックネル(St. Etienne)との'Sunset Spirals'をオミット(名曲だったのに…)した上で、曲順を変えた形の作品となっています。
1st"Amateur Girlfriends Go Proskirt Agents"ではジャズや映画音楽からのサンプリングと、様々なビートを継ぎ接ぎし、さらにそこにアンビエントな音響まで含めた素晴らしいオーガニック・ビート・ミュージックを作り上げていた彼らですが、今作はそのサンプル感覚と、変幻自在なビートはそのままに、テクノ/エレクトロニカ作品として深化したものとなっています。
IDM的な複雑かつ込み入ったリズム・プログラミングや、サンプリングによるオーガニックなジャズ・ビート、力強いビッグ・ビートなど、そのビートの多彩さには目を見張るものがあります。
現代のエレクトロニック・ミュージックにおけるあらゆるビート語彙を習得したかのような彼らのリズムは、自由自在にその速度を変え、時にシンコペイトし、そして時には絶妙にモタり、リスナーに心地よい緊張感を与え続けます。
かといってビート・オリエンテッドな音楽かというとそういうこともなく、キャッチーなフックとキッチュなループ、そして深いアンビエンスなど、ビート以上にめまぐるしく表情を変えるウワモノにも、ふんだんに魅力が詰まっています。
曲によってはチップ・チューン的な8bit音も見られますし、元ヴァージョンの発表から10年経った今聴いてもなおその現代性は失われていないように思います。
前半にはとっつきやすいメロディや攻撃的なビート、そしてジャジーなサンプリングが交錯する力強さがあり、後半には地味ながらも複雑でストイックなビートの快楽や澄み渡るアンビエンスがあり、曲順変更によりとてもスッキリとして楽曲の流れも良くなったように思います。
電子音楽を愛する、様々なリスナーに勧めることのできる良作です。
もっと日本で知名度が上がればいいのになー。
![]() | Donca Matic Singalongs Revisit (2009/11/30) Xploding Plastix 商品詳細を見る |
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