Stina Nordenstam "Dynamite"

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Artist: Stina Nordenstam
Album: "Dynamite"
Label: East West
Year: 1996

Tracklist
01. Under Your Command (5:19)
02. Dynamite (4:25)
03. Almost a Smile (4:53)
04. Mary Bell (4:54)
05. The Man with the Gun (4:12)
06. Until (3:41)
07. This Time, John (3:25)
08. CQD (5:40)
09. Down Desire Avenue (5:03)
10. Now that You're Leaving (3:29)

1stから2ndにかけてのスティーナは、確かにその内に「毒」を秘めてはいたけれど、コンテンポラリー・ジャズやフォークでそれを綺麗に包みこんで、極上の砂糖菓子のような甘ったるさを持たせていました。
それは彼女自身のロリータ極まりないウィスパーヴォイスによる歌唱も相まって非常に非現実的で、夢のような世界観を表現しきっていたように思います。

しかし、この3rd"Dynamite"はまるで「夢を見ている時間は終わった」とでも言うかのように薄ら寒い、荒涼とした雰囲気のものとなっています。
グランジの影響なんて評価を耳にするけれど、このアルバムに配置された音には、グランジにおいてこぞって表現されたような(それが負の方向に向かっているとはいえ)激情は全く存在しません。

変に空間系のエフェクターを噛ませ、弦をスライドするノイズまでそのまま残したギター・上昇も下降もすることなく不穏なうねりを生み出し続けるベース・これまでの作品と明らかに違う、打ち付けるようなドラム・時に艶やかでありながら、また時にはヒステリックな金切り声のようでもある弦楽隊によるオーケストレーション。

そしてなにより、全く抑揚がなく、ただぽつりぽつりとつぶやくようなスティーナ自身の歌声。

ここにあるのは素のままのスティーナなのでしょうか。それともこれすらも、あのジム・オルークに熱烈なラヴコールを受けながらもそのプロデュースをさらりと断った才女の一側面に過ぎないのでしょうか。

ここに表現されているのは人の「深さ」なんて綺麗なものではありません。
それはまさに大きく口を開け、自分以外の者も飲み込んでしまうような「闇」そのもの。誰もが目を背けたい、でも、確かに存在する、自分の感情。

次の実験的カヴァーアルバム"People are Strange"を経た後、彼女は良質で、やはり「毒」を含みつつも「甘さ」を持ち合わせたポップソングの世界に回帰します。まるで、馬鹿なリスナーなどいつでも取って食うことができる、とでも言うかのように。



DynamiteDynamite
(1996/10/08)
Stina Nordenstam

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