XTC "The Big Express"

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Artist: XTC
Album: "The Big Express"
Label: Virgin
Year: 1984

Tracklist
01. Wake Up (4:40)
02. All You Pretty Girls (3:40)
03. Shake You Donkey Up (4:19)
04. Seagulls Screaming Kiss Her, Kiss Her (3:50)
05. This World Over (5:37)
06. (The Everyday Story of) Smalltown (3:53)
07. I Bought Myself a Liarbird (2:49)
08. Reign of Blows (Vote No Violence!) (3:27)
09. You're the Wish You Are I Had (3:17)
10. I Remember the Sun (3:10)
11. Train Running Low on Soul Coal (5:19)


英国随一のポップ・バンドXTCの7th。
以前6th"Mummer"を紹介しましたが、これはその1年後に発表された作品となります。

5th"English Settlement"にて英国らしいフォークサウンドへの接近を図った後にコンサート活動を休止したXTCですが、次作"Mummer"ではフォーキーなアプローチを継承しつつも似非民族音楽やサイケデリックな音響なども取り入れた、素晴らしい音楽性を提示しました。
続き発表されたこの作品は、5ヶ月というXTC史上で最も長いレコーディング期間を費やしたことで、細部に至るまで一分の隙もない作品として仕上がっているように思います。

今回のテーマは彼らの故郷スウィンドン、そしてジャケットからも分かる通り「鉄道」と「蒸気機関車」だと言えると思います。
密室的(箱庭的?)なサウンド・プロダクションや車輪がゴツゴツと音を立てて廻るような反復感覚を帯びたドラムスからは軋む音を立てながら強力に疾走する機関車と、その狭い内部で汗と機械油にまみれながら働く機関士達の様子が思い浮かびますし、旅情を感じさせるメロディや広がりのあるコード進行からは機関車での旅を楽しむ乗客や、XTCメンバー自身が故郷に馳せるノスタルジアが滲み出ています。

コリンのペンによる1曲目'Wake Up'のザクザクとしたギターリフのポリリズミックな絡みは、まるでアチラコチラで廻る機関車の駆動系のように武骨で、アルバムの空気を即座に決定づけています。そしてもう1曲の10曲目'I Remember the Sun'はサイケデリックな雰囲気を薄くまとったジャジーな演奏もさることながら、あまりにもノスタルジックなメロディを有しており、自身の子供~学生時代に想いを馳せる歌詞と相まってリスナーをとても切ない気分にさせてくれることでしょう。

残り9曲の、アンディの楽曲も非常に素晴らしいです。
奥ゆかしくレゲエを取り入れながらもあくまで英国の船乗りの歌として見事に成立している2曲目'All You Pretty Girls'、日本のバンドがバンド名に拝借したことでも有名な、うらぶれたポップソングである4曲目'Seagulls Screaming Kiss Her, Kiss Her"、核で荒廃した世界を繊細な音響とメロディで歌い上げる5曲目'This World Over'、ぐんぐん進む機関車の情景が目に浮かぶ6曲目'(The Everyday Story of) Smalltown'、アルバム中では異色とも言える心ときめく9曲目'You're the Wish You are I Had'、そしてアルバムのテーマを象徴する重厚なラスト'Train Running Low on Soul Coal'

それぞれの楽曲がフェードでシームレスにつながることで疾走感も申し分なく、一気に聴けてしまいます。
XTCのディスコグラフィの中では前作と並んで取り上げられることの少ない作品のように思いますが、アンディとコリンのこだわりと、デイヴ・グレゴリーの職人技が冴える名作です。






ザ・ビッグ・エクスプレスザ・ビッグ・エクスプレス
(2011/06/08)
XTC

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こんにちは、jamken といいます。xtc。あまり聞いてませんでした。
聴いたのは、後の「オレンジ&…」だけです。
この曲、アダルトでいいですね。ちょっと見直しました。

Re: タイトルなし

>>jamkenさん
XTC聴いてないなんてもったいない!(笑)

こういう、少し落ち着いた雰囲気が好みであれば、
2000年前後の"Apple Venus Vol.1"も良いと思います。
室内楽ロック、といった雰囲気の作品で、持ち前の美しいメロディセンスが存分に発揮されていますよ!
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