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Tim Buckley "Goodbye and Hello"

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Artist: Tim Buckley
Album: "Goodbye and Hello"
Label: Elektra
Year: 1967

Tracklist
01. No Man Can Find the War (2:58)
02. Carnival Song (3:10)
03. Pleasant Street (5:15)
04. Hallucinations (4:55)
05. I Never Asked to Be Your Mountain (6:02)
06. Once I Was (3:22)
07. Phantasmagoria in Two (3:29)
08. Knight-Errant (2:00)
09. Goodbye and Hello (8:38)
10. Morning Glory (2:52)


ティム・バックリィの、いや、息子のジェフ・バックリィも含め、バックリィ親子の音楽には、常に影のように悲しみが寄り添っています。
それは彼らが、命を音楽に差し出したかのような悲劇的な死を迎えたことに起因する部分があるのは確かでしょうが、それでもなお、彼らの音楽には、歌声には、とても言葉では言い表せないような悲しみと絶望が込められているように思えます。
それが最も如実に感じられるのは、ティム・バックリィの2ndにして初期の傑作である、この"Goodbye and Hello"を差し置いて他にないでしょう。

フォーマットとしてはサイケデリックな意匠を施されたフォーク・ロックといったところでしょうか。
1曲目冒頭とラストの爆発音SEや、カーニヴァルの音を密かに、かつ大胆にコラージュした2曲目、もはやドープとすら言えるエコー処理が全編にかけられた4曲目など、67年という時代の空気をそのまま映しだすような意匠は枚挙に暇がありません。

しかし、このアルバムを真にアシッドに仕上げているのはやはり、バックリィのアコースティックギターと歌声なのです。
彼はコレ以降、徐々にフリージャズやフリーインプロヴィゼーションに傾倒し、ヴォーカルもその色彩を強めていきます。その声は、地を這うような低音や怪鳥がいななくような跳躍といった、どこか背筋の凍るような感覚すら覚える凄まじいものに仕上がっていくことになります。
しかし、それらと比べても遜色のないほどに、この時期の伸びやかでペシミスティックな歌声もまた凄まじいことには違いありません。

ヴォーカルスタイルは以降に比べるとまだまだ特殊なものではありません。
しかし、彼はその4オクターブの声域を見事に使いこなし、どこか醒めたような優しさやヒステリックじみた狂気まで、様々な感情の中を縦横無尽に行き来します。
ギリギリまで舞い上がり、揺れ動くハイトーンヴォイスはそのまま、彼の擦り切れるしかなかった命のようであり、そしてどこか遠いところを見ているような、現実感のなさを物語ります。
彼は一体何を見ていたのでしょうか。私にはそれは分かりませんが、彼の声を聴くたびに胸の奥が締め付けられ、生きることを諦めてしまいたくなるような感覚に陥るのです。何かとても大切なものを、自分は二度と手に入れることができないかのような寂しさです。

彼の歌声はどこまでも悲しく美しい。
更に、その歌声とアコースティックギターの旋律をサポートするリー・アンダーウッドの活躍も聴き逃せません。その絶妙なカウンターラインは、時にバックリィに寄り添い、時に狂気的に共鳴します。
彼のギターとキーボードがあるからこそ、この作品は演奏的な面でも凡庸なフォーク・ロックに陥らずに済んでいる気がします。

バックリィの数あるディスグラフィの中でも聴きやすく、かつ彼の本質を端的に表した名作だと思います。






グッバイ・アンド・ハローグッバイ・アンド・ハロー
(2006/10/25)
ティム・バックリィ

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