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Miles Davis "On the Corner"

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Artist: Miles Davis
Album: "On the Corner"
Label: Columbia
Year: 1972

Tracklist
01. On the Corner/New York Girl/Tinkin' of One Thing and Doin' Another/Vote for Miles (19:56)
02. Black Satin (5:15)
03. One and One (6:09)
04. Helen Butte/Mr. Freedom X (23;18)


ジャズの帝王マイルス・デイヴィスの1972年作にして、ジャズ界きっての問題作。
カテゴリはどうしようかと思いましたがやはり「ファンク」とするのが一番近いかな、と思いました。

68年の"Miles in the Sky"以降エレクトリック楽器を取り入れ、いわゆる「電化マイルス」と呼ばれる時期に突入したマイルス。69年の"In a Silent Way"あたりから徐々にファンク的な方向性を強めていき、この作品ではひとまずの極地へと到達しました。
この時期の作品は、往年の(?)ファンが拒否反応を示すことが多い印象ですが、この作品ではその傾向が顕著な気がします。

ゴッドファーザー・オブ・ソウルことジェームス・ブラウンスライ・ストーンから強い影響を受けたとされるサウンドは確かにファンクということもできるでしょう。
チキチキチキチキ…と、ミニマルに刻まれるハイハット(テープループかな?)や、えげつなくうねるワウギター、跳ねまわるベース・ラインとタブラやハンドクラップ、シンセやローズにシタールがポリリズミックに絡み、非常に狂騒的なグルーヴを作り出しています。
マイルスもソロをとるというよりも要所要所でブツブツと呟き、唸り、絶叫するかのようで、演奏というよりもスパイス的な「仕掛け」として機能しているように思えますね。すべての楽器が「メロディ」を放棄しているという点は実にファンク的です。

しかし、このアルバムを特徴付けているのはプロデューサー テオ・マセロによる編集でしょう。
この時期のマイルス作品の多くは彼の編集技術に依っている部分が大きく、それはこの作品も例外ではありません。
そもそも1曲目の冒頭からしたって1.5拍子が切り落とされ、唐突にカット・インしてくる形で始まります。(これが実に衝撃的!)
先程も申したハイハットのループはもちろんのこと、恐らく複数の録音を同時に流しているかのような部分が散見できます。
そのせいかアルバム全体が妙に分裂症的な空気をはらんでおり、非常にアシッド・テイストの溢れる作品になっております。初めて聴いたときはワケが分かりませんでした(汗)

ちなみにこの作品について、マイルスはJBやスライだけでなく現代音楽家として有名なカールハインツ・シュトックハウゼンからも影響を受けた、と語っていたようです。
確かに、このあまりにとりとめない世界からはシュトックハウゼンの'Kontakte'などにも通ずるような抽象性を感じる…ような気がしますが、はっきりとは理解出来ません(汗)

身体的な享楽性とそういった抽象性が同居している不思議な作品です。
「意味不明だけど気持ちいい」というよりは「気持ちいけど意味不明」といったほうがしっくりくる、なにか大きな「しこり」のようなものを残すのですが、それを解き明かそうとついつい再生してしまいます。
まさに「名盤」であり「迷盤」な作品と言えるでしょう…なんて言うとちょっと尻込みしてしまうかもしれませんが、一度は聴いてみることをオススメしますよ!






On the CornerOn the Corner
(2000/08/01)
Miles Davis

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No title

こんにちは、JAMKENといいます。
この時期のマイルスから入門した私はむしろ、バップやモードの時期のマイルスの方が
いじげんにかんじるのでした。
特にマイルスのフェバリットというのではないですが、この時期のマイルスはいいですね。
それよりこのブログの方が完全に気に入ってしまいました。
古いのから新しいのまで。まいりました。

Re: No title

はじめまして。
この時期のマイルスは本当に刺激的ですね、この前後の作品どれを聴いても本当に刺激的です。
まだまだ拙いレビューばかりのblogですが、できるだけいいものを書けるよう頑張りたいと思います。
ありがとうございます。

マイルス

曲が長いよね。

Re: マイルス

>>シャアさん
ファンクの創始者ジェームス・ブラウンにしてもそうですけど、
やっぱある程度ビートの反復による効果を得るためには
曲(というよりも演奏)が長くなるしかないのかな、と思います。

まぁ、ドローンだけで1時間の作品よりは起伏や緩急があるのでまだマシかと(笑)
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