Common "Like Water for Chocolate"

Artist: Common
Album: "Like Water for Chocolate"
Label: MCA/Universal
Year: 2000
Tracklist
01. Time Travelin' (A Tribute to Fela) (6:37)
02. Heat (3:41)
03. Cold Blooded (4:58)
04. Dooinit (3:37)
05. The Light (4:21)
06. Funky for You (5:55)
07. The Questions (4:09)
08. Time Travelin' Reprise (1:33)
09. The 6th Sense (5:19)
10. A Film Called (Pimp) (6:05)
11. Nag Champa (Afrodisiac for the World) (5:10)
12. Thelonius (4:41)
13. Payback Is a Grandmother (4:30)
14. Geto Heaven Part Two (5:18)
15. A Song for Assata (6:48)
16. Pop's Rap III... All My Children (5:09)
アメリカ人ラッパー コモンが2000年に発表した4thアルバム。
2nd"Ressurection"や3rd"One Day It'll All Make Sense"などでは、メロウなジャズ・ヒップホップトラックを知性的なフロウでスマートに乗りこなし、その名を知らしめることとなりましたが、今作ではその作風をがらりと変えています。
プロデューサーとして名を連ねるのはディアンジェロ、やThe Rootsのクエストラヴ、ジェイ・ディー(ディラ)などのいわゆる「ソウル・クエリアンズ」の面々です。
つまりこの作品は、コレ以前に発表されたディアンジェロの"Voodoo"やThe Rootsの"Things Fall Apart"に続くソウル・クエリアンズの作品といっても過言でなく、そしてそれらの作品と同じようにソウル/R&Bやジャズ、そしてHIPHOPの垣根を軽く飛び越える素晴らしい作品となっています。
アルバムの空気はナイジェリアの戦うミュージシャン フェラ・クティに捧げられた一曲目(息子のフェミ・クティも参加)から確立されます。
小気味のいいスネアと強烈にドライヴするバスドラム、這い回るサブマリン・ベース、気だるいトランペットやハンドクラップに、温かな音響をかぶせるシンセ/キーボードがとてもシャープかつアフロ・コンシャスなグルーヴを作り上げ、コモンのラップがその間隙を付くようにフロウしていく。
今まで以上にグルーヴに重きを置いた作品となっていることはすぐに理解できるでしょう。
また、今回はコモンのMCだけでなく、随所に多彩なゲストによるソウルフルなヴォーカルが配置されています。
ディアンジェロやジル・スコット、シーロ・グリーン(!)など名だたるミュージシャンがその歌声を披露していますが、特に印象的なのはビラルですね。
彼は2012年の重要作といえる、ロバート・グラスパーの"Black Radio"でも、その力強い声でもってサポートしていましたが、今回も素晴らしい活躍ぶりです。
特にDJプレミアのプロデュースによる九曲目でのヴォーカルは素晴らしい。印象的なフックをドラマティックに歌い上げ、コモンのMCと共鳴するかのようにその声を響かせています。
先ほども申しましたように、最早これは単純にHIPHOPというジャンルに還元できるような作品ではありません。
アフロ、ソウル/R&B、ジャズ、HIPHOPなどが渾然一体となったブラック・ポップであり、先行する2作品にも続く、高純度のグルーヴ・アルバムなのです。
先の2枚が気に入っている方は勿論コレを聴くべきだと思いますし、また、コレを聴いた方は是非その2枚にも手を伸ばしていただきたいものです。
![]() | Like Water for Chocolate (2000/03/28) Common 商品詳細を見る |
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