The XX "XX"

Artist: The XX
Album "XX"
Label: Young Turks
Year: 2009
Tracklist
01. Intro (2:07)
02. VCR (2:57)
03. Crystalised (3:21)
04. Islands (2:40)
05. Heart Skipped a Beat (4:02)
06. Fantasy (2:38)
07. Shelter (4:30)
08. Basic Space (3:08)
09. Infinity (5:13)
10. Night Time (3:36)
11. Stars (4:22)
サウスロンドン出身の4人組(現在は一人脱退して3人組)、The XXのデビュー・アルバム。
発表当時は各所で話題になったのを覚えています。…まぁ、私は天邪鬼なので、1年くらい手を出さなかったのですが(笑)
全体を通してみても特に目新しい何かがあるようなバンドではなく、自分たちの世界観を強く確立できているタイプのバンドではないかと思います。ただ随所に変な部分はあるんですが…
まず、単音弾きを主とし(むしろそれのみ?)、スライドを多用する、まるで幽霊のような響きのギターが実に不気味です。これだけ取り出すとちょっとしたホラーバンドとも思えるくらい(笑)
次に、ギターのロミー・マドリー・クロフトと、ベースのオリヴァー・シム二人による混声ヴォーカルの持つ響きのなんともアンニュイなこと。二人とも、囁くようなスタイルのヴォーカルなのがまたダウナーな雰囲気を漂わせています。
楽曲の方もメランコリックな雰囲気が強く、彼らのヴォーカルとの相性は抜群です。
これだけだとUKにありがちなダウナーな雰囲気のロックバンドなのですが、そうではありません。
影の功労者はリズム・プログラミングおよび電子音担当のジェイミー・XXでしょう。
HIPHOPからの影響を感じさせるレイジーなビートが楽曲のもつメランコリックな雰囲気をさらに強固なものにしています。また、ビートの語彙もかなり豊富で、一つとして似たようなビートがないのは地味に凄いですね。(ビートが強い楽曲ばかりではないですが…)
彼はRadioheadなどを始めとして、様々なバンドのリミックスも行なっており、その実力は間違いないものと思われます。全体的にナード(おたく)っぽさとアマチュアリズムの強いバンドではありますが、彼の施すビート構築や音響的なアレンジが、洗練されたクールな形も漂わせながら全体を引き締めています。
この「アマチュアリズムとプロフェッショナリズムの同居」という一風変わったスタンスが、彼らの音を独特なものにしている大きな要因のようにも思えますね。
つまりジェイミーというプロデューサーとロミー&オリヴァーのヴォーカル・コンビという相反する二本柱というのが主軸になったバンドなのではないかと思います。
今週には実に2年半ぶりの新譜がドロップされます。
今から楽しみで仕方ありません。
![]() | XX (Dig) (2009/10/13) XX 商品詳細を見る |
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