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Jason Moran "The Armory Concert"

jasonmoranarmory.jpg


Artist: Jason Moran
Album: "The Armory Concert"
Label: Self Product(YES RECORDS)
Year: 2016

Tracklist
01. Wind (4:49)
02. Reanimation (3:27)
03. Big News/More News (6:11)
04. Veterans (5:01)
05. Trade Winds (5:58)
06. South Side Digging (4:20)
07. All Hammers and Chains (4:01)
08. Magnet (8:26)
09. Alicia (5:45)
10. Winds (5:31)


ジェイソン・モランがこの6月にbandcampにて突如発表したデジタルオンリーの新作は、以前紹介させていただいた2002年の"Modernistic"以来実に14年ぶりとなるソロピアノ作品でした。
前作"All Rise"はファッツ・ウォーラーに捧げたトリビュート作であり、音楽的には近年のオーヴァーグラウンドなジャズ(JTNC系)に寄せたようなスタイルの作品で、それも良かったのですが、やはりモランはアコースティックが似合うと思っている私としては、今作でまたその世界に帰ってきてくれたのは嬉しい限りです(笑)

さて、今作は「武器庫コンサート」なんて物騒な名前の作品ですが、別に何か政治的な意図のあるようなものでなく、かつて武器庫であり、現在はインスタレーション展などが開かれるアートスペースであるNYのPark Avenue Armoryで、同名の非営利団体がスペースの一部を改装したステージ(?)Veterans Roomでのライヴレコーディングとなっています。
そういう点では、ソロピアノ作品の2作目であると同時に"The Bandwagon"に続くライヴ・アルバムの2作目でもあるんですね。

内容はといえば、現在のモランのピアニズムが隅から隅まで堪能でき、さらにライヴならではの緊張感も備わった文句なしの内容で、ジャズ/ソロピアノ/ライヴ作品として非常に高水準なものと言えるでしょう。

アルバムはクラシカルな'Wind'で幕を開けます。
いつものようなエレガンスに、少々のスパイス(グロテスク/ゴシックなフレーズ)を盛り込み、彼にしてはかなりストレートにメランコリックに仕上げた楽曲で、これからしてかなりの名曲/名演奏だと思います。
本人も気に入っているのか'Trade Winds'、'Winds'といった変奏曲をアルバム中盤およびラストでリプライズしています。
ステージ名をもじったと思しき4曲目の'Veterans'と合わせ、これらの4曲はECMでのプレイにも通じる音響的な、空間に音を配置していくかのようなプレイを聴かせてくれます。
Blue Noteからの作品だと"Artist in Residence"に近いイメージですね。

続く'Reanimation'はモランにしては珍しく、かなりミニマルな作風です。
反復されるフレーズが非常に不穏かつ戦闘的で、徐々に左手が辿るラインの残響/倍音がとぐろを巻いていくような雰囲気は非常にロックな熱さがあるように思います。
あまり今まで明確にミニマルなプレイを見せてはこなかったような印象なのですが、これだけでなく7曲目の'All Hammers and Chains'でも名前の通り強烈な打鍵(hammer)となめらかな連符(chain)を交互に反復させるという前衛的な作風ですし、6曲目の'South Side Digging'ではミニマル/前衛的な演奏が後半になるとゴリゴリのブルーズに転じるという離れ業(?)をやってのけてみたりしています。
極めつけの8曲目'Magnet'では、鍵盤楽器を弾けない私ではよくは分かりませんが、おそらく極めて低音部の鍵盤を非常に速いスラーで弾くことによりドローン状に融解させており、まるでNurse With Woundみたいになっています。(流石に悪趣味なコラージュはないですけど 笑)

そして'Big News/More News'および'Alicia'はわりとまっとうなジャズ/ブルーズですね。
どちらも実にモランらしい演奏で、即興中心ではなくかっちりとした作曲が先行しているような作風なためかとても安定感がありま
す。
ピアノのタッチ/録音はシャープですが、フレーズの1つ1つにはオールドスクールな空気が漂っており、"Modernistic"の表題曲をもう少しモダンな方向に寄せたような楽曲に仕上がっています。

このような感じで、モランのメインスタイル(ジャズ/クラシック/ブルーズ/アヴァン)がこの一作で堪能できる、質の高いライヴ・アルバムに仕上がっています。
個人的には6~8曲目の前衛曲連発が聴く人によってはキツイかもしれないとは思いますが(笑)、全体的に作曲/演奏ともに素晴らしく、また、録音が良いのか場所(ステージ)の鳴りが良いのかは判然としませんが、とても奥行きのあるサウンドなため、まるでモランが目の前で弾いてくれているかのようにすら感じることができ、実に臨場感/躍動感のある作品です。
彼のファン、ソロピアノ作品のファンはぜひ聴くべきだと思います。


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