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binaria "sonido"

binaria.jpg


Artist: binaria
Album: "sonido"
Label: self product
Year: 2010

Tracklist
01. entrada de sonido (1:19)
02. レイトナイト (4:38)
03. 月ノ光リ花 (4:09)
04. ルミネセンス (4:09)
05. sweet jerryfish (5:40)
06. リンズの鉛筆 (6:31)
07. erialfinal (6:16)
08. alpha-beta (3:07)
09. fadeout (4:17)
10. refresco (3:28)
11. ポンコツロボット (4:48)
12. kobalos (4:19)
13. 蝶番 (3:54)
14. n o e m a (5:22)
15. sonido (4:48)


同人音楽というジャンルがあります。
M-3などの同人即売会において、自主制作の音源を発表するグループ(サークル)やその作品がこういった名で呼ばれます。「同人」の名前からも想起される通り、いわゆるアニメや漫画の愛好家(=おたく)からの支持の厚いジャンルではありますが、あくまで作品の発表形態から分類されるジャンル名でありますので、ここに属するミュージシャン達は一人一人、あるいは一グループ一グループで異なった音楽的なバックボーンを有し、その作品の(音楽的な意味合いでの)ジャンルも様々なようです。

私もそれほど詳しい世界ではないのですが、折に触れ好んで聴いているミュージシャンもいます。
コンポーザーであればmyubermei.inazawa、ヴォーカリストであれば霜月はるかannabelという方です。
特にmyuと霜月はるかによるkukuiや、bermeiとannabelによるanNinaは一時期本当によく聴きました。前者はシンフォ系のプログレやインダストリアル、トラッド・フォークなどから、後者はエレクトロニカやジャズなどからの影響を感じさせる曲作りをしており、独特の世界観とも相まってその他の音楽では中々味わうことのできないような感覚を覚えさせてくれるものです。(anNinaのミニアルバムについては以前レビューさせてもらいました)

そして、今回紹介するbinariaは、先に挙げたannabelの、活動の本丸とも言えるユニットで、彼女の名前が広く認知された今でもなお、あくまで同人音楽イベントでの作品発表にこだわっている、ストイックな活動スタンスをとっています。
2006年の活動開始以降、シングルやEPなどを地道に発表してきたこのユニットが2010年に発表したフルアルバムがこの"sonido"で、その内容はそれまでのシングルやEPの楽曲を再録した、いわゆるベストアルバム的なものとなっています。

この界隈の音楽には恐らく多い傾向かと思いますが、音の質感はダウナーかつ幻想的/寓話的です。
日本の歌謡曲に連なるようなドラマ性(≒印象的な盛り上がり)も十分に持ちあわせており、その上でannabelとやなぎなぎ(メイン・コンポーザーでもあります)という二人のヴォーカルが漂う、というのが基本的な形だと思います。

基本的に、彼女たちはその活動において自分たちの音楽的バックボーンを語ることが少ないので想像の域を脱しませんが、サウンドとしては日本の歌謡曲及びエレクトロニカを中心としてトリップ・ホップやダブ、インダストリアル、アシッド・フォークそしてプログレなどからの影響を感じることができます。

特筆すべきはやはりダブやインダストリアルからの影響が強いビートではないでしょうか。リズム・プログラミングやダビーな音響処理には中々唸らされるものがあると思います。
勿論「ソング」としての機能性を邪魔しないようそれほど強調はされていませんが、そうであるがゆえに抑制が効いているというか、職人的と言ってもいいほどに良い塩梅(笑)のビートです。淡々とした反復を主としながらも、時折引きつるように歪み、暴発するそれは、楽曲を根幹の部分で支えています。
隙間もしっかりとってあり、ヴォーカルや演奏の生み出すニュアンスを滲ませる余白も十分で、そういった部分でも「職人ぽさ」を感じますね。ベースも出すぎず引きすぎずでとても良いです。
その上にのる電子音やピアノ、ストリングスの響きは非常にぼんやりとした空気が強く、このあたりは00年代以降の(売れた)エレクトロニカのように聴きやすく感傷的です。

もう一点特筆すべきはやはりannabelとやなぎなぎ(特にannabel)によるヴォーカル。声質はよく似ていますがannabelのほうがやや中域がふくよかかな?
ヴォーカリゼーションもわりと異なっており、やなぎなぎの真っ直ぐとした発声は非常に軽やかで透き通った感覚がありますし、annabelはしっとりとした色気を帯びています。
特にannabelについては、ボサノヴァやフォルクローレ(あるいはシャーデースティーナ・ノルデンスタン?)にも通じるような、ウィスパースタイルの美学とでもいうものが備わっているように思います。吐息やサスティンの一つ一つに後ろ向きな感情(失礼)のニュアンスが多大に漂っており、淡々とした歌唱からは信じられない程、情感的な印象をリスナーに残します。
ボサノヴァやフォルクローレを思い浮かべたのは、もしかするとアルゼンチンと日本のハーフという生まれや、幼少期をアルゼンチンで過ごしたという経歴に起因するのかもしれません。私的な感情の漂う様を表現するのにこれ以上ないほどに向いたそのヴォーカルは、主観的でダウナー/メランコリックな歌詞とよく適合し、やなぎなぎの楽曲が持つ幻想性/寓話性をより強くリスナーにアピールしていると思います。
個人的にはストレートなアシッド・フォークとか一度やってみてほしい(笑)

ベスト的な選曲ということもあり、アルバムとしての統一感には今ひとつな感があるものの、彼女達の楽曲/歌声の魅力が十分に吹きこまれた良作ではないでしょうか。
…ただ、イベントでの発表及び一部同人ショップでの委託販売しかされなかった自主制作作品ということもあり、現在手に入りにくいのが残念!どっかのレーベル(ランティスとか)でメジャーに流通させればいいのに…






b i n a r i a - sonido
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