장기하와 얼굴들(チャン・ギハと顔たち) "장기하와 얼굴들(チャン・ギハと顔たち)"

Artist: 장기하와 얼굴들(チャン・ギハと顔たち)
Album: "장기하와 얼굴들(チャン・ギハと顔たち)"
Label: BGBG Records
Year: 2011
Tracklist
01. 뭘 그렇게 놀래 / 何をそんなに驚いている (4:09)
02. 그렇고 그런 사이 / いわゆるそういう仲 (3:42)
03. 모질게 말하지 말라며 / ひどいことを言うなと (3:43)
04. TV를 봤네 / テレビを見たよ (3:38)
05. 보고 싶은 사람도 없는데 / 会いたい人もいないのに (4:18)
06. 깊은 밤 전화번호부 / 真夜中の電話帳 (3:19)
07. 우리 지금 만나 / 俺たち 今会おう (3:31)
08. 그 때 그 노래 / あの時のあの歌 (3:24)
09. 마냥 걷는다 / ひたすら歩く (5:27)
10. 날 보고 뭐라 그런 것도 아닌데 / 俺が何か言われたわけでもないのに (8:17)
11. TV를 봤네 (다시) / テレビを見たよ(また) (1:02)
『韓国音楽の華々しい未来』とまで称されるインディーバンド、チャン・ギハと顔たち(チャン ギハ ワ オルグルドゥル)の2ndアルバム。
J-POP界に吹き荒れたK-POP旋風も落ち着きを取り戻してきた今日このごろですが、同じ韓国のポピュラー音楽とは言え、チャン・ギハとそのバンドたちが作り出す音楽は、それらの「商品」よりももっと真摯な情熱に溢れ、素晴らしいものであると断言できます。
1stは韓国の古き良きポピュラー音楽(シン・ジュンヒュンや伝説のバンド サヌリム)の影響下にある、土着的なガレージ/フォーク/サイケデリック・サウンドが特徴的な一枚でありましたが、今作ではそういった(ある意味)ニッチな側面を強化するのではなく、シンプルなロック・バンドとしてのパワフルさを押し出してきたように感じます。
冒頭の第1曲目'何をそんなに驚いている'の粘っこいうねりからして、まさにロックンロールと言いたくなるような骨太っぷり!
元(現?)サヌリムの日本人 長谷川陽平(竜雷太の息子さん)をサポート・メンバーとして迎え、彼に色々なロック・ミュージックの手ほどきを受けたためか、リフの一つ一つが非常に力強く、それを支えるグルーヴも熱くタイトなものへと進化しています。メロトロンの使用などの60年代っぽい要素もさり気なく一歩進みました(笑)
そしてまた、今作から正式加入のキーボーディスト イ・ジョンミンによる、80年代のレトロ・フューチャー感丸出しのキーボードがまた素晴らしい。
その感触が如実なのは先行発表もされた2曲目'いわゆるそういう仲'でしょう。
人を喰ったような感触のシンセのリフレインがなんともダンサブルで中毒的な名曲です。
チャン・ギハのヴォーカルも、1stに見られた「文学青年の独白」調から、まさに自分こそがロック・スターだと言わんばかりにシアトリカルで自信たっぷりなものに変化しました。アジテーションが非常に巧みで、リスナーの心を奮い立たせる方法を良くわかっています。
ストレートなロック・ヴォーカル一辺倒かといえば、4曲目(とチェロによるリプライズの最終曲)では虚無的なアシッド・フォーキーな感覚を、9曲目ではあまりに感傷的な感触を持ちあわせており、繊細なニュアンスの表現にも一定の評価がくだせるのではないでしょうか。
本当に、お腹がいっぱいになるくらいストレートで力強い作品です。
今のロック・バンドで、ここまでシンプルでタイトなアンサンブルのみで勝負できるバンドがどれだけいるんでしょうか?我々は、今一度チャン・ギハの純粋な感覚と向き合うべきだと思います。
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