Arto Linsay "Salt"

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Artist: Arto Lindsay
Album: "Salt"
Label: Righteous Bebe Records
Year: 2004

Tracklist
01. Habite Em Mim (4:34)
02. Kamo (Dark Stripe) (4:45)
03. Personagem (4:42)
04. Twins (3:52)
05. Into Shade (4:49)
06. Jardim Da Alma (3:44)
07. De Lama Lamina (3:55)
08. Combustivel (4:56)
09. Make That Sound (3:55)
10. Salt (4:02)


歪なもの、というのは得てして不思議な美しさを孕むものです。
それは純粋に美しさを追求したものとは根本の部分で違っており、それゆえに魅力的で、その魅力ゆえに危険である場合も往々にして多いです。
NYの誇るミュージシャンの一人であるアート・リンゼイの2004年作であるこのアルバムも、その「歪な美しさ」を見事に表現しきったものの一つといえるでしょう。

幼少から高校卒業までという、実に思春期と呼ぶべき時代をブラジルで過ごした彼は、アメリカ人らしい雑食性と、ブラジル人的なメランコリー感覚(サウダーヂ)を両立したミュージシャンです。
70年代後半には、ノー・ウェーヴを代表するアヴァン・パンク・バンドDNAのメンバーとしてイーノ・プロデュースのコンピ"No New York"にも楽曲を提供しています。コードはおろかチューニングも知らない彼は、ギターをまるでパーカッションのようにかき鳴らしていましたが、そこには彼の特異な生まれ育ちが関係していたのかもしれません。

さて、今作は彼の特質が分かりやすく把握できる名作です。
サンバ的なリズムを基本としながらも非常に暴力的な、インダストリー/ノイジーな音像で迫るデジタルビート(おそらくHIPHOPも参照しているのではないかと思います)と、ボサノヴァやジャズ的な雰囲気を強く漂わせる生楽器との対比が実に見事。
相反する2つの要素を、同居させるというよりはそのまま並べてしまったかのようなちぐはぐさが実に刺激的です。
そしてそこに載る、宛もなくつぶやくようなアートのヴォーカルがそれら相反するものの橋渡しとして機能しているように思えます。
その歌声は「幸せなあの頃に戻りたい」という、ある意味非常に後ろ向きでネガティヴな郷愁感覚といえる「サウダーヂ」を本家ブラジルのミュージシャンたちよりも強く宿しているようで、それがちぐはぐで歪な楽曲(音)全体に、妖しく淫靡ですらある美しさを与えているのです。

人によっては、さらりと聴き流せてしまうほどにメロウな作品ですが、個人的には彼の「過去」と「現在」すべてをさらけ出したかのような力強さを感じる作品です。




SaltSalt
(2004/05/11)
Arto Lindsay

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