Leonora Weissmann "Adentro Floresta Afora"

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Artist: Leonora Weissmann
Album: "Adentro Floresta Afora"
Label: NRT/Independent
Year: 2016

Tracklist
01. Floresta (5:44)
02. O Grande Verão (5:26)
03. Zemba pro Mestre (8:35)
04. Immanuel e Eu e Outros Mil (2:43)
05. Menino (7:01)
06. Carta a Theo (4:19)
07. Cinzas (4:59)
08. Montreux (5:15)
09. No Rabo do Vento (3:54)
10. Todas as Letras (3:40)
11. Tinha de Ser/Canção pra Mim (8:23)


画家としても活動する、ブラジルはミナスの女性シンガー レオノラ・ヴァイスマンのデビュー作は、アレシャンドリ・アンドレスやハファエル・マルティニなど、今をときめく同郷の才人たちの助力を受け、魅力的な作品でした。
そもそも、その透明感のあるフォーキーな歌声が好まれ、コーラスなどで起用されることも多かったようですが、本作では逆に様々なミュージシャン達のサポートのもと、現代ミナスのサウンドが凝縮されたような作風に仕上がっています。

本国のサンバ/ボサノヴァ/MPBはもちろんジャズやクラシック、あるいは隣国アルゼンチンのフォルクローレ、そしてアフリカ音楽など、まさにブラジルらしいクレオール化を感じる美しいサウンドがほぼ全編で聴かれますが、もちろんそれだけの作品ではなく、例えば小品の4曲目などではアフロっぽい戦闘的なリズムと、少し不協和な旋律、そこに絡むヴァイスマンのややヒステリックな歌声が不穏な空気を作り出していたり、8曲目ではパスコアールの楽曲をヴォカリーズ/ハーモナイズしたアレンジを見せるなど、実験的な要素もちらほらと窺えます。

ギターやフルートの風通しの良いサウンドを核として、鉱山の街ミナスをそのままイメージさせるアレシャンドリ・アンドレスの"Olhe Bem as Montanhas"や、楽曲構造の幾何学性やグロテスクさが、ノーブルな歌心を力強く補完していたアントニオ・ロウレイロの"Só"あたりと比較すると、本作はベースやピアノのディープな音響/テクスチュアや、アフロ・コンシャスでパーカッシヴな打音が耳に残る、タイトルや1曲目にも冠されている通り「森(floresta)」を想起させるようなイメージを個人的には受けていますが、それが彼女の、中域がふくよかな歌声とあわせて非常に魅力的に響いていると思います。

サウンドの中核を担っているのは間違いなくハファエル・マルティニです。
ピアノを始めとして、ギター、アコーディオン、ヴィブラフォン、スティール・ドラムなどマルチ・プレイヤー/演奏家としての側面を強く押し出しつつ、アレンジメントや作曲でも多くの楽曲に関わり、正に本作における幹といえる存在だと思います。
押し引きを心得たアレンジメントは、やや大所帯のバンドのサウンドをすっきりと整理し、楽曲/アルバムを非常に豊かで多層的な音の重なりで満たしています。
有機的でオーガニックな感触の強い楽曲は、程よい緊張感と複雑さを有した演奏や、多層的な音の重なりによってイージーな歌心のみではない、スリリングな魅力を獲得しつつ、それにより本来のメロディの美しさをより力強く輝かせています。
今回の参加者の中でも特に功績が大きいのではないかと思います。

特筆して目新しい要素があるようには思わないのですが、現代のミナス・サウンドの総決算的な、重厚な雰囲気の香る作品ですので、このシーンが好きなら聴いておいて損はないでしょう。
まだまだこのシーンには期待が持てそうです…ので、とにかくロウレイロの新作が聴きたい(笑)


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Natasha Llerena "Canto Sem Pressa"

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Artist: Natasha Llerena
Album: "Canto Sem Pressa"
Label: Self-Product
Year: 2016

Tracklist
01. A Esperança Que Carrego em Mim (3:03)
02. Pra Bebel (3:20)
03. Giros (3:53)
04. Canto Sem Pressa (4:02)
05. Sons do Maranhão (3:33)
06. Desenhando (3:37)
07. Castelo de Cartas do Rei (3:13)
08. Dança do Tempo (2:33)
09. Recomeçar (3:35)
10. Sertão (3:17)


ブラジルの新人SSWナターシャ・レレーナの初めてのフル・アルバム"Canto Sem Pressa"(『ゆったりとした歌』?)は間違いなく今年度最優秀デビュー作の筆頭でしょう。
2012年に活動を開始した彼女ですが、本作はここ2年で生まれたサウンドをプロデューサーのエドゥアルド・アンドラーデと共同でまとめあげたものということですが、今作では現代ブラジルのポップ・ミュージックの様々な影響源(ルーツ)が一堂に会しており、ブラジル音楽の総まとめといっても過言ではないような、素晴らしい作品にしあがっています。
1曲目における、ムビラ(親指ピアノ)の神秘的な響きでの導入は正に今作を導入していると言えますが、それは彼女自身が歌うメロディはもちろんのこととして、リズム/ハーモニー/アレンジメントなど様々な側面で感じることができると思います。

まずはリズムです。
複数の打楽器の音をポリリズミックに同期・クロスさせて、非常に有機的で複雑な動きを描きながらも、全体で大きなグルーヴ/うねりを創りだすようなリズムが本作の豊かなサウンドの根底部分を形成しています。
このリズムからはいわゆるサンバ/ボサノヴァ的な1・4拍目にアクセントを置きつつシンコペイトを交える情熱的なリズムとは違い、もっと土着的な空気を強く感じます。
これは間違いなくバイーア州にアフリカから持ち込まれ、ブラジル音楽の奥深くに根をおろしたアフロ・リズムが持っていたものですが、ナターシャはそれを自身のコンポジションの中に見事に織り込み、単にアフロ・リズムの土着性/ルーツ性を誇示するのではなく、より旋律との相互関係を強く結ぶように配置し、使いこなしています。

そして、そこに加えられる(特にヴォーカル/コーラスの)ハーモニーの力強さも特筆すべきです。
リズムを自在に張り詰め、あるいは弛ませながらスキャットを織り込む部分には、先述のリズムと同様アフロ的なものを感じますが、こちらにはさらに西洋音楽的な和声法の影響も垣間見せています。
ナターシャ自身の艶かしい色気を持った美しい声が、楽器群のハーモニー/リズムにに応じて自由にその動きを変えスピリチュアルな美しさを見事に描き出していますし、男女混声のコーラスが、過不足ないハーモニーの追加によりそれを強力に補強する様子には、ハーモニーそのものの土着的な神秘性と同時に強い構築性を印象づけられることでしょう。

構築性、という部分のみについて言えば、アレンジメント(特にストリングス)の方が好例かもしれません。
一曲目の後半で聴かれる、一聴しただけでもあきらかに英米の音楽からの影響を匂わせる、まるでソフト・ロックやバロック・ポップのような空気もまとった力強く美しいストリングスなどに顕著ですが、ナターシャはリズムやハーモニーで母国の伝統的な音楽のルーツ(アフリカやポルトガルを始めとした西洋)を掘り下げていくと同時に、ポピュラー・ミュージックに強い影響を与えた英米のポップスや同郷のミナス音楽などにも目配せを忘れません。
アレンジメントはメロディ/ハーモニー/リズムを最も適したタイミングで、最も華やかに魅せつけるような精緻なもので、その素晴らしさにはポール・マッカートニー~ジルベルト・ジルという系譜に並べても遜色のないような、ポップ・マエストロのような風格すら漂っているように感じます。

そして、ナターシャをサポートするミュージシャン達の貢献にも触れないわけにはいかないでしょう。
現代ブラジル音楽を語る上で欠かせないピアニストのアンドレ・メマーリを筆頭に、「最も革新的でエキサイティングなフィンガースタイル・ギタリスト」と評されるUSのアンディ・マッキー、ジョビンやカエターノ・ヴェローゾ、さらには坂本龍一などとの共同作業でも知られるプロデューサ/アレンジャー/チェリストのジャキス・モレレンバウムやサックス/フルート奏者のエドゥ・ネヴェス、リズム隊にミシェル・ナシメント、ペドロ・アンパロ、アレシャンドリ・ベレルディなど、有名無名問わず全てのプレイヤーが彼女のコンポジション/アレンジメント/ヴォーカリゼーションを最適な形でサポートし、一糸乱れぬアンサンブルを全編で聴かせています。
本作がここまで素晴らしい作品に仕上がったのも、彼らメンバーの尽力による部分が大きいのは間違いありません。

以上の通り、アフロやポルトガル(西洋)に同郷のミナスや、あるいは英米のポップス等、ブラジル音楽を取り巻く様々なルーツから得たものを最適な形で用い、見事なコンポジション/アレンジメントでまとめあげた本作は、活動開始から4年そこらの新人の(しかもデビュー)作品としては異例なほど完成度が高いものであると思います。
この素晴らしいSSWのデビュー作を聴かずに、2016年の音楽は語れないでしょう。
直にCD化されるようですが、本人のサイトより無料でMP3がDLできるのでとにかく聴いてみてください。


Alexandre Andrés "Olhe Bem as Montanhas"

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Artist: Alexandre Andrés
Album: "Olhe Bem as Montanhas"
Label: NRT/Independent
Year: 2014

Tracklist
01. Cara a cara (4:47)
02. Carretel (5:05)
03. Madrugada (5:01)
04. Alnilam (5:13)
05. Campo das vertentes (6:50)
06. Sinos (4:07)
07. Olhe bem as montanhas (5:37)
08. MAPA (5:40)
09. Silva (6:48)
10. Nem tambores, nem trombetas (5:50)


数年前から、ブラジルのミナス地方で活動する新進気鋭のミュージシャン達が注目を集めています。
当blogでは以前アントニオ・ロウレイロの2ndを紹介しましたが、私も遅ればせながらこのシーンの面白さに気づき、最近色々聴いてみようと思っているところです。
そんな中で、手始めにアレシャンドリ・アンドレスの新作を聴いたわけですが、これがロウレイロとはまた別のベクトルで素晴らしく、何度も何度も繰り返し聴いています。

そもそも彼は、ロウレイロの2ndと同年に発表した"Macaxeira Fields"(こちらも2nd、未聴)にて、すでに高い評価を得ていました。
そちらは「チェンバーポップ」という評などから、多分に室内楽的なアンサンブル要素の強いものだと思われます。事実、様々なゲストミュージシャンも参加しており、メンバーを見るだけでもその多彩な音は想像できそうです。

しかし、それに続く今作は一転して彼を含む4名のメンバーで構成されるスモールコンボ/バンドによる作品となっています。
編成はシンプルですが、彼らが演奏する音にはサンバやジャズは勿論のこと、隣国アルゼンチンのフォルクローレからの影響も感じさせるような旅情あふれるメロディセンスがはっきりと聞き取れ、豊潤な音楽を形成しているのがすぐに分かるでしょう。
もちろん、そのメロディには溢れんばかりのサウダーヂが感じられますが、それは個人的な過去/想い出への郷愁というよりは、あたかも彼が育った故郷の歴史への郷愁であるように思えます。フォルクローレというトラディショナル音楽からの影響を強く感じさせるのはそういったところに理由があるのかもしれません。
『山々を見よ』(拙い翻訳で失礼)という、いかにもなアルバムタイトルも、かつて鉱山の街である故郷ミナスジェライス州を想ってのものであろうことは想像に難くありません。

楽曲は歌ものとインストの比率がおよそ半々(歌もののほうがやや多いくらい)で、ソング然とした歌心を求める方だけでなく、スリリングな演奏の刺激を求める方にもアピールするものであることは間違いありません。
やや礼儀正しすぎるというか、優等生なところはありますが、このような内省的な音楽にはこれくらいの態度が丁度良いようにも思えます。(思えばロウレイロも随分と優等生な音でしたし笑)

色々なものを吸収し、自身の音楽的土壌にしてやろうという貪欲さと、ブラジル人らしい故郷への強い憧憬が見事に混じりあい、プログレッシヴなフォルクローレ作品として成立しています。
今のところアマゾンでは取り扱いがないようですが、HMVやTower Recordsでは買えるようなので、ぜひ。





HMV: Olhe Bem As Montanhas

João Gilberto "O Amor, O Sorriso è a Flor"

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Artist: João Gilberto
Album: "O Amor, O Sorriso è a Flor"
Label: Odeon Brazil
Year: 1960

Tracklist
01. Samba De Uma Nota Só (1:35)
02. Doralice (1:25)
03. Só Em Teus Braços (1:46)
04. Trevo De Quatro Folhas (1:21)
05. Se É Tarde, Me Perdoa (1:43)
06. Um Abraço No Bonfá (1:35)
07. Meditação (1:44)
08. O Pato (1:56)
09. Corcovado (1:58)
10. Discussão (1:47)
11. Amor Certinho (1:50)
12. Outra Vez (1:45)


ジョアン・ジルベルトがなぜ「ボサノヴァの法王」とまで呼ばれるのか。
それは、彼がボサノヴァの根幹となるギター奏法「バチーダ」を開発した、まさにボサノヴァの生みの親と言うべき人物であることに起因しています。

バチーダ奏法を彼が開発することとなった理由というのが「サンバ・グルーヴをギター一本で体現すること」なわけですが、彼はこの奏法を発明することで、ブラジリアン・ミュージックを根底の部分から覆した。
それにより、本来の『新たな潮流(bossa nova)』という意味での「ボサノヴァの法王」と呼ばれ得たのではないでしょうか。

そもそも、ブラジルの代表的な音楽であるサンバのベースには、バイーア地方に住まう黒人たちの作り上げたバトゥカーダ(打楽器のみで演奏される音楽)のグルーヴ(バイーア)があります。そこに他のショーロ(「ブラジルのジャズ」などとも呼ばれる、即興重視のインスト音楽)などが交じり合うことによって生まれたとされます。
多数の人間が集まり、パーカッションを打ち鳴らすことで一つの大きなグルーヴを形成、それに合わせ舞い踊るという性質を持つこの音楽は、まず間違いなく「共同体の音楽」であったと言えるでしょう。
歌詞の内容が生活そのものや、政治や人種差別へと及んでいたというのも、テーマが個人の感情よりは世の中(=共同体)のあり方にあったということの証ではないかと思います。

この「共同体の音楽」の転換点としてまず存在するのが1920年前後の、サンバ・カンサゥンの誕生でしょう。この、暗く重い楽想と情念をたぎらせたかのような歌声を特徴とするサンバの亜種は、サンバを「共同体」から切り離し「個人」のレベルに引き戻しました。
しかし、その代償と言ってはなんですが、サンバのグルーヴ的な側面も切り離す必要があったのではないかと推測されます。もちろん、サンバ・グルーヴを大事にしていた人たちもいますが、そのためにはやはり複数打楽器によるリズムの綴織が必要であり、形式としての「共同体の音楽」を切り離すことはできなかったのではないでしょうか。

そこへきて、ジョアンにより発明されたのがバチーダ奏法です。
サンバ・グルーヴ/バイーアを類型化し、極端にデフォルメすることにより、このグルーヴ感覚をギター一本で再現することを可能としたその奏法はまさに革命的であり、また「一人で演奏するサンバ」というそれまでになかった形式を可能にしたのです。
これによりサンバはついに「共同体」から完全に切り離され、「個人の独白」として再構築されるに至った。歌い方もそれにあわせたウィスパー・スタイルが採用されたと思われます。ボサノヴァ第1号'Chega de Saudade'(想いあふれて)を最初に吹き込んだエリゼッチ・カルドーゾの肉感的で色気のある歌声を、ジョアンと作曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンはよしとせず、翌年にジョアンのソロ・デビュー作で再録音したことからも、これは間違いないでしょう。
歌詞の内容も、生活や政治のことから恋愛などの叙情的なものへとシフトし、あくまで個人の精神の中で渦巻く感情を表現するものへと変化し、ボサノヴァが成立した、ということなのです。

その革命的な音楽の基本スタイルは間違いなくジョアンの初期3作です。
中でもこの2ndアルバムは『愛と微笑みと花』という邦題通り、艶やかかつ控えめなオーケストレーションに彩られた、あくまでジョアン個人のものであるグルーヴと感情がぼんやりと漂う名作に仕上がっています。
20分という短い作品ではありますが、非常に充実した内容ですし、後にクラシックとなる楽曲も多く収められています。
数年前までは廃盤状態でしたが、今は幸いにも3作全てを容易に入手することが可能ですし、ぜひ今作からジョアン初期の世界観に触れていってもらいたいものです。






愛と微笑みと花愛と微笑みと花
(2011/02/16)
ジョアン・ジルベルト

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Antonio Loureiro "Só"

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Artist: Antonio Loureiro
Album: "Só"
Label: NRT/quiet border
Year: 2012

Tracklist
01. Pelas Águas (8:38)
02. Reza (8:04)
03. Cabe na Minha Ciranda (6:55)
04. Lindeza (5:26)
05. Só (8:09)
06. Parto (3:26)
07. Passagem (4:06)
08. Antídotodesejo (3:20)
09. Boi (5:26)
10. Luz da Terra (5:37)


ブラジルはミナス出身のSSW、アントニオ・ロウレイロの2nd。
昨年の11月末に発表され、各所で話題を呼んだようですね。1stの、セルフタイトル作品の時点ですでにかなり評判だったようですが、私はこの作品でようやく知ることとなりました。

一度聴いてみて、何よりも印象深かったのは、そのミクスチャー感覚の素晴らしさと、それを実現する作曲能力の高さです。
故郷であるブラジル/ミナスのサンバ、ボサノヴァ等の音楽やコンテンポラリー・ジャズ、クラシック/現代音楽、フュージョンやソウル、映画音楽/舞台音楽などを含む、非常にプログレッシヴなハイブリッド・ミュージックとなっていることは一聴して分かるのではないかと思います。

楽曲展開も一筋縄ではいかない上、テンションの上下も激しいです。
演奏の悦びに満ち溢れた、複雑な即興演奏を繰り広げた次の瞬間には、まるで思索に耽るように、ピアノ弾き語りで独白のような歌をぽつりぽつりと呟いたるするわけなのですが、それが無理な継ぎ接ぎではなく、とても自然に感じられるのです。
彼の音楽性に影響を与えたと推測されるミュージシャンとしてエルメート・パスコアルおよびエグベルト・ジスモンチが挙げられます。私はジスモンチの方を未聴で片手落ちではあるのですが、楽曲展開の複雑さ、奇天烈さについては間違いなくパスコアル並と言えるでしょう。(もしかしたらより複雑かも…)

エレクトリック・マイルスのような混沌とした音像も見え隠れしますが、音の感触は総じてオーガニックで心地良いです。
科学や哲学などを取り扱っていると思われる複雑かつ抽象的な歌詞はジルベルト・ジルも思い出させますね。
大体インストと歌の割合が半分ずつのアルバム構成ですが、ぼんやり聴いていると全曲歌があったような、あるいは全曲インストだったような不思議な感覚も覚えます。楽曲単体だけでなく、アルバム全体の構造も非常に自然に作られていることの証左ではないでしょうか。

これは丁寧かつ緻密につくられた、現代随一のプログレッシヴ・ミュージックと言っても過言ではないでしょう。
ロウレイロによる複数楽器の演奏だけでなく、同郷や、あるいは隣国アルゼンチンのミュージシャンも起用しており、海や都市(ミナス)の匂いだけでなく、世界を視野に入れたような広がりも感じさせる作品です。
現代ブラジル音楽の中でも、とりわけランドマークとして評価されるべき作品であると思います。






ソーソー
(2012/11/28)
アントニオ・ロウレイロ

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